目次
面接の最後に「何か質問はありますか?」と聞かれる。本当は、残業や有給のことが知りたい。でも、やる気がないと思われそうで、つい「特にありません」と答えてしまう。そんな人は多いはずです。新卒の枠で応募しているなら、話は少し変わります。職場の情報を求めると、会社は3つのグループそれぞれから1つ以上を出す義務があります。残業や有給の数字を名指しで求めれば、出すのが望ましいと国の指針にあります。面接の場なら、情報がほしいと口で伝えるだけでいい、と国の資料にあります。読み終わるころには、自分の場面で何をどう聞けばいいかが決まります。
この記事でわかること
- 逆質問で、まず何を聞いておくといいか
- 新卒の枠なら会社に求められる、職場の情報
- 場面別の逆質問の例と、聞きにくいことの言い換え
- 評価や昇給を、角を立てずに聞くには
先に結論
- 逆質問の中身を決めた法律はない。聞くなら、入ってから困りそうなこと(給料・働く時間・評価)を先に
- 新卒の枠なら、若者雇用促進法で職場の情報を求められる。会社が出すのは、3つのグループそれぞれから1つ以上
- 聞きにくいことは「ありますか?」ではなく、数字や場面で聞くのがWE POPのおすすめ
01逆質問に、決まった正解はない
ひとことでだから、入ってから困りそうなことを先に聞く。
まず、知っておいてほしいことがあります。逆質問で何を聞くべきかを決めた法律や、国のルールはありません。国が会社に求めているのは、本人の力や向き不向きで選ぶこと。どの質問をどう受け取るかは、会社ごとにちがいます。
なので、この記事では「受かる質問」は書きません。かわりにWE POPは、入ってから困りそうなことを先に聞くのをおすすめしています。逆質問は、あなたが会社を見るための時間でもあるからです。せっかくなら、あとで「聞いておけばよかった」と思わないように使いたいですよね。
では、入ってから困りやすいのは何か。転職した人に、今の会社の満足度を聞いた国の調べがあります。「不満」「やや不満」がいちばん多かったのは、賃金(給料)でした。
出典:厚生労働省「令和7年転職者実態調査」表14(5人以上の常用労働者を雇用する事業所で働く、一般労働者(短時間労働者を除く)の転職者。2025年10月1日時点)。主な6項目。項目の名前を短くしています
給料、働く時間、休み。転職した人が「不満」と答えた割合が高かったのは、このあたりです。なのでWE POPは、面接で聞いておきたいのもここだと考えています。でも、それを聞いて大丈夫なのか、気になりますよね。
02新卒の枠なら、職場の数字は「求めていい」
ひとことで辞めた人の数や研修、残業などから、会社が選んで出すしくみがある。
ことば若者雇用促進法
若い人が仕事を選びやすく、長く働けるようにするための法律。正式な名前は「青少年の雇用の促進等に関する法律」です。2015年10月から始まりました。
この法律には、新卒の枠で人を募集する会社が、職場のようすを教えるしくみがあります。応募した人や、応募を考えている人に求められたら、会社は情報を出さなければなりません。
出す情報は、次の3つのグループです。会社は、それぞれから1つ以上を出します。
- 採用のようす:ここ3年度に新卒で何人とって、何人辞めたか/平均で何年働いているか など
- 育てるしくみ:研修や、自分で学ぶときの手助け/先輩が相談にのる制度(メンター制度) など
- 働きやすさ:前の年度の、月の残業の平均/有給をみんな何日くらい取ったか/育休を取った人の数 など
国の指針(国が会社に向けて出したルール)では、全部の項目を出すのが望ましいとしています。知りたいものを名指しで求めたら、わけがない限りそれを出すのが望ましい、とも書いています。
職場の情報を求めるやり方
説明会や面接の場で、口で伝える
国の資料では、説明会や面接の場なら、情報がほしいと口で伝えるだけで求められるとしています。逆質問の時間に言えばOKです。
メールか書面で送る
名前、連絡先、学校名と卒業した年月(在学中なら学年)、情報がほしいということ。この4つを書いて送ります。履歴書をもう出しているなら、電話で伝えてもかまいません。
就職サイトなどでプレエントリーする
プレエントリーは、正式な応募の前に、資料をもらうために名前などを登録すること。これも求めたことになります。
ハローワークなどの求人なら、窓口から求めてもらう
ハローワークや、仕事を紹介する会社を通した求人なら、そこから会社に求めてもらえます。自分で求めてもかまいません。
気をつけて
使えるのは「新卒の枠」の募集だけ
このしくみが使えるのは、新卒の人に向けた募集です。もう卒業した人も使えますが、その求人に応募できる場合に限ります。中途の枠の求人では使えません。出てくる数字は、募集する働き方(正社員かどうか)に合わせた会社全体のもの。部署ごとの数ではありません。
メモ
求めたことで、不利にしてはいけない
国の指針は、情報を求めた人を、それを理由に不利に扱わないよう会社に求めています。ハローワークは、面接でその人が情報を求めたことに触れるのも、紛らわしい例として会社に伝えています。ただ、不採用になっただけでは、不利に扱われたとはいえません。情報が出てこない、不利に扱われた、と感じたら、近くのハローワークに相談できます。
中途の枠には、この決まりはありません。それでも、国の職場情報のサイト「しょくばらぼ」で、会社が出している数字を見られます。数字の読み方は「ホワイト企業」の記事にまとめています。では、面接では実際にどう聞けばいい?
03場面別、そのまま使える逆質問の例
ひとことで相手がだれかで、聞くことを変える。
ここからは、WE POPが考えた例です。正解ではないので、自分の言葉に直して使ってください。相手の立場によって、答えやすいことがちがいます。全部覚えなくてもかまいません。気になったものを2つか3つ、メモに写しておけばOKです。
人事の人との面接(最初の面接など)で
- 「入社した人は、最初の1年でどんな研修を受けますか」
- 「配属は、いつ、どうやって決まりますか」
- (新卒の枠なら)「職場の情報を教えていただけますか。できれば、残業の平均と、有給を取った日数も知りたいです」
配属先の上司や先輩との面接で
- 「チームは何人で、1日の仕事はどんな流れですか」
- 「入って3か月で、どこまでできていると助かりますか」
- 「忙しい時期はいつごろで、そのときは何時ごろまで働いていますか」
役員や社長との最終面接で
- 「この部署に、これから3年でどうなってほしいですか」
- 「若い人に任せた仕事で、うまくいった例を教えてください」
- 「活躍している若手の人に、共通していることはありますか」
はじめての仕事に応募するとき(第二新卒など)
- 「同じように未経験で入った人は、今どれくらいいますか」
- 「最初の半年は、だれに仕事を教わりますか」
- 「入社までに勉強しておくといいことはありますか」
ポイント
1つは、数字で答えられる質問に
「どうですか」より「何時間くらいですか」「何人くらいですか」。数字で聞くと、相手も答えやすくなります。あとで会社どうしを比べるときにも使えます。
聞きたいことが面接の中で全部わかったら、無理に作らなくてもいいとWE POPは考えています。たとえば「お話の中で研修のことがわかったので、今はありません」。何がわかったかを添えると、話を聞いていたことが伝わります。
04聞きにくいことは、言い換えれば聞ける
ひとことで「楽をしたい」ではなく「働く姿を知りたい」に変える。
残業や休みのことを聞くと、印象が悪くなりそう。そう心配する人は多いですよね。WE POPのおすすめは、自分が働く場面を思い描くための質問に変えることです。
同じことを聞くなら、どっち?
「ありますか?」で聞く
いいところ
- 短くて、すぐに聞ける
気をつけること
- 「はい」「いいえ」で終わりやすい
- 残業や休みのことだけを気にしているように聞こえることも
数字や場面で聞くおすすめ
いいところ
- 答えが具体的になり、ほかの会社と比べられる
- 入社後の自分を思い描こうとしていることが伝わる
気をつけること
- 求人票を読んでおかないと、聞き方を作れない
言い換えの例
- 残業:「残業はありますか」→「忙しい月と落ち着いた月で、残業は何時間くらいですか」
- 有給:「有給は取れますか」→「去年、チームの人は有給を何日くらい取りましたか」
- 給料:「給料は上がりますか」→「昇給は年に何回で、何をもとに決まりますか」
- 辞める人:「辞める人は多いですか」→「ここ数年に入った人は、今もこのチームにいますか」
- 転勤:「転勤はありますか」→「若手が勤務地を移るのは、どんなときが多いですか」
- 出社:「リモートはできますか」→「チームの人は、週に何日くらい出社していますか」
- 育休:「育休は取れますか」→「男性も女性も、育休を取った人はいますか」
メモ
細かい条件は、契約のときの書面でも確かめられる
給料、働く場所や時間などは、契約を結ぶとき(内定のころが多い)にもらう書面(労働条件通知書)で確かめられます。見るところは内定の記事にまとめました。面接では、書面ではわからない職場のようすを聞くのに時間を使えます。
05評価と昇給は、何で決まるかを聞く
ひとことで昇給のことは、働きはじめるときに会社が伝える決まり。
評価や給料の話は、いちばん聞きにくいことかもしれません。でも、昇給のことは、会社が働く人に伝えると決まっている話の1つです。
法律(労働基準法)では、働きはじめるときに会社が伝える条件が決まっています。給料の決め方や、払う日と並んで、昇給のことも入っています。昇給のことだけは、書面でなく口で伝えてもかまいません。契約社員やパートの人には、別の法律(パート・有期雇用労働法)で、昇給があるかどうかを文書などで伝える決まりです。
つまり、昇給の話は、入ればいずれ伝えられる話です。面接で先に聞いても、ずれた質問ではない、とWE POPは考えています。
- 「評価は年に何回で、だれと話して決まりますか」
- 「1年目の人は、どんなことができると評価が上がりますか」
- 「目標は、上司と一緒に決めますか」
いつ、何がわかる?
- 求人を見る
求人票で、仕事と場所の「変わる範囲」
2024年4月から、仕事の内容や勤務地が、この先どこまで変わりうるかも書く決まりになりました。転勤が気になる人は、まずここを見ます。
- 面接
部署のようすと、評価のしかた
求人票では見えないことを聞く時間です。新卒の枠なら職場の情報を求められます。残業の平均などが出てくることもあります。
- 契約
労働条件通知書で、契約の中身
契約を結ぶとき(内定のころが多い)に、働く期間や場所、時間、給料などが書面で届きます。昇給のことは、口で伝えられることもあります。
- 入社後
就業規則で、くわしい決まり
いつも10人以上が働く会社では、就業規則(会社のルールブック)に昇給のことを書く決まりがあります。そうした会社は、働く人がいつでも見られるようにしておく決まりです。
06避けたいのは、調べればわかる質問
ひとことで求人票とホームページを読んで、残ったことを聞く。
WE POPが避けたほうがいいと考えるのは、調べればすぐわかる質問です。求人票に書いてあることを聞くと、読んでいないように見えるかもしれません。
逆に、求人票を読んだうえでの質問は、話が深まります。「求人票に〇〇とありましたが、実際は〜」の形にすると、読んできたことも伝わります。
面接の前に、できているものをタップ
当てはまったのは 0 / 6個
07会社のほうにも、聞かないことになっている質問がある
ひとことで家族や本籍のことを聞かれたら、ハローワークに相談できる。
逆質問とは反対の話も1つ。国は「公正な採用選考」として、本人の力や向き不向きに関係ないことで選ばないよう、会社に求めています。
国は、就職差別につながるおそれがあることとして、14の事項をあげています。たとえば、次のようなことです。
- 本籍や、生まれた場所
- 家族の仕事や収入、病気のこと
- 住んでいる家の間取りや種類
- 宗教や、支持している政党
- 尊敬する人物や、愛読書
854件
指摘のうち約4割(41.8%)は、家族に関することでした。面接の空気をやわらげようとして聞いてしまうことが多い、と国のサイトにあります。こうした質問をされたら、近くのハローワークか都道府県労働局に相談できます。
気をつけて
面接でのセクハラも、会社に対策の義務がある
2026年10月1日から、応募する人などへのセクハラを防ぐことが、会社の義務になりました。面接や説明会、社員に会いに行くとき、インターンシップも入ります。オンラインの場も同じです。困ったときは、会社の相談窓口か、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談できます。
08よくある質問
Q「特にありません」と答えたら、落ちる?
Aそれだけで決まるかどうかは会社によるので、言い切れません。ただ、逆質問の時間は、あなたが会社を見る時間でもあります。本当にないときは、面接でわかったことを1つ添えて答えるのがWE POPのおすすめです。
Q逆質問は、いくつ用意すればいい?
AWE POPのおすすめは3つ以上。面接の中で答えが出て、使えなくなることがあるからです。時間が短いときは、いちばん知りたい1つから聞きます。
Qメモを見ながら聞いてもいい?
A見てはいけないという決まりはありません。WE POPは、「メモを見てもいいですか」とひと言ことわってから見れば十分だと考えています。オンラインの面接でも同じです。
Q前の会社を辞めた理由を聞かれるのも不安です
A逆質問の前に、ほぼ聞かれる質問ですよね。うそをつかずに伝える順番は、辞めた理由の記事にまとめています。
今日の最初の一歩
気になる求人を1つ開いて、書いていないことを3つメモする
残業、評価、最初の研修など、読んでも答えが出なかったことを3つ。それが、そのまま逆質問の下書きになります。新卒の枠なら、職場の情報をお願いすることも1つに入れてください。5分で終わります。
2026.10.16 公開 文・WE POP編集部
参考にした情報
- 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「若者雇用促進法のあらまし(若者向け)」(青少年雇用情報の提供、情報提供を求める方法、事業主等指針)
- 厚生労働省「青少年の雇用の促進等に関する法律(若者雇用促進法)について」
- e-Gov法令検索「青少年の雇用の促進等に関する法律」(13条 青少年雇用情報の提供)
- 厚生労働省「青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関して事業主、特定地方公共団体、職業紹介事業者等その他の関係者が適切に対処するための指針」
- 厚生労働省「令和7年転職者実態調査の概況」
- 厚生労働省「令和7年転職者実態調査の概況」個人調査 3 転職について(表14 現在の勤め先での満足度)
- 厚生労働省 確かめよう労働条件「採用時にはどのような労働条件が明示されるのでしょうか?」
- 厚生労働省「令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます」
- e-Gov法令検索「労働基準法」(15条 労働条件の明示、89条 就業規則の作成及び届出の義務、106条 法令等の周知義務)
- 厚生労働省「職場情報総合サイト しょくばらぼ」
- 厚生労働省「公正な採用選考の基本」
- 厚生労働省 公正採用選考特設サイト「採用選考時に配慮すべき事項」
- 厚生労働省 公正採用選考特設サイト「求職者の皆様へ」
- 厚生労働省「令和7年労働施策総合推進法等の一部改正について」(求職者等へのセクシュアルハラスメント防止措置の義務化・2026年10月1日から)
- 厚生労働省 リーフレット「2026年(令和8年)10月1日から、カスタマーハラスメント対策、求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策が義務化されます!」(簡易版)
制度や数字は記事の公開日(直した記事は更新日)時点の情報です。最新の情報は各公式サイトで確認してください。