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夜、スマホでプログラミングのスクールを見ていたら「給付金で最大80%戻る」の文字。80万円のコースなら、64万円戻るの? そう思いますよね。でも、80%は、資格を取り、雇用保険に入る形で就職するなどして、給料も5%以上上がった人の数字です。同じ80万円でも、コースの種類によって、戻る額は10万円から64万円まで変わります。読み終わるころには、気になるコースで自分がいくら払うのか、自分で計算できるようになります。
この記事でわかること
- IT職の求人は、国の数字だとどのくらいあるか
- 受講料30万・60万・80万円のコースで、実際いくら戻るか
- 短いコース・長いコース・無料の訓練、どれが合うか
- スクールの無料相談で、申し込む前に聞くこと
先に結論
- 受講料80万円でも、戻るのは10万円〜64万円。64万円は、資格を取って雇用保険に入る形で就職するなどしたうえで、給料が5%以上上がったときの額
- IT技術者の求人倍率は1.33倍(2026年8月)。一般事務の0.29倍より高い。でも、IT職を探す人も1年前より増えている
- 申し込む前に、無料相談で「どの給付の指定コースか」と、途中でやめたときのお金を聞く
01IT職の求人倍率は1.33倍。一般事務の4倍以上
ひとことで求人は多め。でも、IT職を探す人も増えている。
まずは、IT職の求人がどれくらいあるかを見てみます。使うのは、ハローワークの求人の数と、仕事を探している人の数をまとめた国の調べです。
ことば有効求人倍率
仕事を探している人1人に、求人がいくつあるかを表す数字。1より大きければ、探す人より求人のほうが多い、ということです。
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年8月分)」参考統計表6。IT技術者は「情報処理・通信技術者」。季節による動きをならしていない数字(原数値)。発表の見出しの1.18倍は季節調整値なので、ちがう数字です
IT技術者は1.33倍。探す人が多い一般事務(0.29倍)の4倍以上です。デザイナーなどは0.15倍で、求人より探す人がずっと多い仕事です。
ただ、1年前の同じ月と比べると、IT技術者の新しい求人は3.4%減りました。反対に、IT職を新しく探しはじめた人は11.1%増えています。
5,593件
IT技術者の仕事で、ハローワークが紹介した件数
361件
同じ月に就職が決まった件数
この月だと、決まった数は、紹介した数の約6.5%でした。仕事全体だと約26%です。1か月分の数どうしなので、目安として見てください。
メモ
「未経験OK」の数は、この統計ではわからない
この数字はハローワークの求人だけで、経験者向けの求人も含みます。転職サイトなど、ハローワーク以外の求人は入っていません。なので、倍率が高い=未経験でも入りやすい、とは言い切れません。学ぶ前に、移りたい仕事の求人を10件読んで、何ができる人がほしいのかを見ておくのがおすすめです。
求人は多め、でも学んだだけで決まるわけではない。だからこそ、学ぶお金はなるべく少なくしたいですよね。じゃあ、給付金でいくら戻るのか。
02戻る割合は、あなたではなく「コース」で決まる
ひとことで同じスクールでも、コースごとに給付の種類がちがう。
国の教育訓練給付には、3つの種類があります。どれになるかは、国がそのコースをどの種類に指定したかで決まります。自分で選べるわけではありません。
- 一般…受講料などの20%(上限10万円)
- 特定一般…40%(上限20万円)。プラス1で50%(上限25万円)
- 専門実践…50%(1年で上限40万円)。プラス1で70%(1年で56万円まで)、プラス2で80%(1年で64万円まで)
- プラス1…資格を取るなどして、終わってから1年以内に、雇用保険に入る形で就職したとき。働きながら受けて資格を取った場合も対象です。くわしくはハローワークで聞いてください
- パートの一部や業務委託、フリーランスのように、雇用保険に入らない働き方だと、プラスの分は出ないことがあります
- プラス2…プラス1に加えて、終わったあとの給料が、始める前より5%以上上がったとき(専門実践だけ)
フリーランスなど、雇用保険に入っていなかった人は、この給付金は使えません。雇用保険に入っていた長さなど、使えるかどうかの条件はこちらの記事でくわしく書いています。ここでは、お金の計算に進みます。
ポイント
2024年10月から、プラスが増えています
特定一般の50%と専門実践の80%は、2024年10月1日から後に始めたコースだけ。古い記事には、このプラスが書かれていないこともあります。
0330万・60万・80万円のコース、実際いくら戻る?
ひとことで上限があるので、高いコースほど「戻る割合」は下がる。
受講料(入学料も入れて)ごとに、戻る額と、あなたが払う額を出しました。専門実践は、1年で終わるコースとして計算しています。
30万円のコース
- 一般…戻るのは6万円。払うのは24万円
- 特定一般…戻るのは12万円(払うのは18万円)。プラス1なら15万円(15万円)
- 専門実践…戻るのは15万円(15万円)。プラス1なら21万円(9万円)、プラス2なら24万円(6万円)
60万円のコース
- 一般…20%は12万円だけど、上限があるので10万円。払うのは50万円
- 特定一般…40%は24万円だけど、上限で20万円(40万円)。プラス1なら25万円(35万円)
- 専門実践…戻るのは30万円(30万円)。プラス1なら42万円(18万円)、プラス2なら48万円(12万円)
80万円のコース
出典:ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付金」の率と上限から計算(2026年10月時点)。専門実践は1年で終わるコースとして計算
一般だと10万円しか戻らず、払うのは70万円。専門実践でプラス2までそろえば、払うのは16万円です。差は54万円。値段より先に、どの種類かを見てほしい理由がここにあります。
気をつけて
お金は、先に全額払います
給付金は、あとから戻るお金です。一般と特定一般は、最後まで受けたあとに申し込みます。専門実践は、受けているあいだ6か月ごとに申し込みます。プラスの分は、資格を取って、雇用保険に入る形で就職したあとなど。それまでのお金は、自分で用意しておきましょう。
もとになるのは入学料と受講料だけ。試験を受けるお金や、パソコン代、交通費は入りません。戻る額が4千円以下なら、給付金は出ません。じゃあ、ほかにお金の手助けはないの?
04経産省の補助もある。ただし入口がちがう
ひとことで働きながら転職をめざす人向け。決まった事業者から受ける。
経済産業省(経産省)には「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」があります。キャリアの相談、学ぶコース、転職の手伝いを、ひとつの事業者からまとめて受けるしくみです。
50%
コースを最後まで受けたとき(上限40万円)
20%
転職して1年働き続けたとき、追加で(上限16万円)
合わせて最大70%、56万円です。ただし、このお金は国から事業者に出ます。あなたは、そのぶん安くなった値段でコースを受けるしくみです。いくら安くなるかは、事業者ごとにちがいます。
厚労省の給付金と、経産省の補助
教育訓練給付(厚労省)
いいところ
- 辞めたあと1年以内でも使える
- 選べるコースが多い
- 転職しなくても、もとの分はもらえる
気をつけること
- 雇用保険に入っていた長さの条件がある
- いったん全部を自分で払う
- 特定一般と専門実践は、始まる前の手続きがいる
キャリアアップ支援(経産省)
いいところ
- キャリアの相談と、転職の手伝いがついている
- はじめから安くなった値段で受けられる
気をつけること
- 申し込むときに働いていて、会社を変えたい人だけ
- この事業に選ばれた事業者のコースだけ
- あとの1/5は、その事業者の紹介などで転職したとき
コースを受けられる事業者は、この事業のサイトで探せます(掲載は2026年8月時点の情報)。いくら安くなるか、いつまで受け付けるかは事業者ごとにちがうので、相談のときに確かめてください。
お金のしくみがわかったら、次はコースの形です。短いもの、長いもの、無料のもの。どれを選ぶかで、生活も変わります。
05短期? 長期? 無料? コースのタイプを比べる
ひとことで働きながらなら短期・オンライン。辞めたあとなら無料の訓練も。
短いコースと、長いコース
数か月のオンラインコース
いいところ
- 働きながら、夜や土日に進められる
- 早く終わるので、早く応募に進める
- 受講料が比べやすい
気をつけること
- 一般の指定だと、戻るのは上限10万円
- ひとりで続ける力がいる
- 質問できる時間が決まっていることも
1〜2年のコース
いいところ
- 専門実践なら、戻る額が大きい
- 基礎から時間をかけて学べる
- 仲間や先生と会える通学のものもある
気をつけること
- そのあいだの生活費をどうするか考える
- プラスの条件は、最後まで受けて就職すること。途中でやめると、そこに届かない
- 仕事と両立できる時間割か、先に見る
向かないのは、「何をつくる仕事か」がまだ決まっていない人。まず求人を読んで、学ぶことを決めてからにしましょう。
お金を払うコースと、無料の訓練
コース+給付金
いいところ
- 働きながら受けられる
- 選べるコースが多い
気をつけること
- 受講料の一部は自分で払う
- 給付金は、あとから戻る
ハロートレーニング受講料0円
いいところ
- 受講料はかからない(テキスト代などは別)
- プログラマーをめざすコースなどもある
- ハローワークが仕事探しを手伝う
気をつけること
- おもに仕事を探している人向け
- まずハローワークで相談してから
- 募集の時期とコースは地域でちがう
無料の訓練は、ハローワークで相談してから申し込みます。条件や、受けているあいだのお金も、そこで聞けます。
WE POPのおすすめは、働きながら短いコースで試すことです。IT職が自分に合うかを、収入を止めずに確かめられるからです。合うとわかってから、長いコースを考えても遅くありません。
06無料相談で聞くこと、5つ
ひとことで「給付金の対象です」だけで決めない。種類と、やめたときを聞く。
スクールの無料相談は、こちらがコースを選ぶ場でもあります。次の5つを、メモを見ながら聞いてみてください。
聞けたものをタップしてみてください
当てはまったのは 0 / 5個
1つ目は、厚生労働省の講座の検索システムでも確かめられます。スクールの説明と、検索システムの種類が合っているかを見てください。
気をつけて
「今日申し込めば実質無料」と言われたら
給付金は、最後まで受けて、条件に合ってはじめて戻るお金です。申し込んだ時点でもらえるわけではありません。キャッシュバックなどを受けたのに、その分を引かずに申請すると、不正受給になることもあります。あせらせる勧誘を受けたら、その場で契約せず、消費者ホットライン「188」に相談してください。
スクール以外にも、無料で相談できる国の窓口があります。ハローワークの訓練の窓口と、国の「無料キャリアコンサルティング」です。コースを選ぶ前に、仕事の相談のプロと話せます。
07申し込むまでの順番は、後ろから数える
ひとことで特定一般と専門実践は、始まる2週間前までにハローワークへ。
移りたいIT職の求人を10件読む
求人に出てくる言葉や資格をメモします。何を学ぶかは、そこから決めます。
コースの種類を、検索システムで確かめる
「教育訓練給付金 検索システム」でコースの名前を探し、どの種類の指定かを見ます。
自分が使えるか、ハローワークで聞く
「支給要件照会」をすると、使えるかどうかを教えてもらえます。窓口のほか、郵送やネットでもできます。電話ではできません。
特定一般・専門実践なら、プロと話してシートを作る
これまでの仕事や目標を書く「ジョブ・カード」を作って、相談のプロと話します。予約がいるので、始まる1か月以上前から動くと安心です。
始まる2週間前までに、ハローワークで手続き
これを忘れると、お金が戻らないことがあります。そのあと、コースに申し込みます。
一般は、前もっての手続きはいりません。終わった次の日から1か月以内に申請します。手続きのくわしい流れは未経験の転職の記事にまとめています。
08よくある質問
Q給付金と経産省の補助は、両方使えますか?
A国の資料では、はっきり確かめられませんでした。申し込む前に、そのコースの事業者とハローワークの両方に聞いてください。
Q資格を取らないと、プラスの分はもらえませんか?
Aプラスの分は、資格を取るなどして、終わってから1年以内に雇用保険に入る形で就職するのが条件。働きながら受けて資格を取った場合も対象です。取らなくても、もとの40%や50%は、ほかの条件に合えばもらえます。
Q辞めてから学んだほうが早いですか?
A時間は使えますが、収入が止まります。WE POPのおすすめは、まず働きながら短いコースで試すことです。教育訓練給付は、辞めたあと1年以内に始めれば使えます。辞めるか迷っているなら、第二新卒、いつ動く?も読んでみてください。
Q学んだことは、どうアピールすればいい?
A作ったものや取った資格は、応募の書類に書けます。何を作ったか、どこでつまずいて、どう直したかまで書くと、学んだ中身が伝わります。
今日の最初の一歩
気になるコースの受講料と「給付の種類」をメモする
スクールのページで、受講料と、一般・特定一般・専門実践のどれかを探します。03の計算に当てはめて、自分で払う額を出してみてください。5分で終わります。
2026.10.09 公開 文・WE POP編集部
参考にした情報
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年8月分)について」
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年8月分)」参考統計表(職業別)
- ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付金」
- 厚生労働省「教育訓練給付金」
- 厚生労働省「Q&A~専門実践教育訓練給付金~」
- 厚生労働省「2024年4月1日から教育訓練給付の支給申請がしやすくなります!」
- 厚生労働省「教育訓練給付制度 厚生労働大臣指定教育訓練講座 検索システム」
- リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業(経済産業省)「転職をご検討の方」
- リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業「補助事業者を調べる」
- 厚生労働省「ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)」
- キャリア形成・リスキリング推進事業(厚生労働省委託事業)「個人向け無料キャリアコンサルティング」
- ハローワーク「教育訓練給付金について(リーフレット)」不正受給の例
- 厚生労働省「ハロートレーニング(公共職業訓練・求職者支援訓練)の全体像」
- 消費者庁「消費者ホットライン」
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