目次
カードの明細を開いたら、毎月の支払いはいつも同じ5,000円。ラクでいいな、と思っていたのに、残りの額がなかなか減らない。「あれ、これいつ終わるの?」と思ったことはありませんか。リボ払いの手数料は、買った額ではなく「まだ返していない残り」にかかります。だから毎月の額を小さくするほど、終わるのが遅くなります。読み終わるころには、自分の残高でいくら手数料がかかっているかを、自分で計算できるようになります。
この記事でわかること
- リボ払いの手数料が、どう決まるか
- 30万円を月5,000円で返すと、何年かかるか(計算例)
- 「後払い」は、法律でどう扱われているか
- 払えないかも、と思ったときの相談先
先に結論
- 仮に手数料が年15%・手数料込みで月5,000円なら、30万円を返し終わるのは9年4か月後。手数料は約25.8万円
- リボの手数料は残高にかかる。残高×年率÷12で、今月のだいたいの手数料がわかる
- 払えないかもと思ったら、支払日の前に相談する。消費者ホットラインは188
01リボ払いは「毎月同じ額」。手数料は残りにかかる
ひとことでいくら使っても、毎月の支払いはほぼ同じ。そのぶん、終わりが見えにくい。
ことばリボ払い(リボルビング払い)
カードで使った額や回数にかかわらず、あらかじめ決めた一定の額を毎月払っていく払い方。まだ払っていない残り(支払残高)がゼロになるまで、払い続けます。
カードの払い方は、大きく3つあります。1回払い・2回払い(ボーナス一括も含む)は、ふつうは手数料がかかりません。分割払いとリボ払いには手数料がかかります。
0%
1〜2回払いの手数料のめやす(なし)
11〜15%
分割払いの手数料のめやす(年)
12〜18%
リボ払いの手数料のめやす(年)
分割払いは、最初に回数が決まります。リボ払いは、回数が決まっていません。新しく使うと残りが増えて、そのぶん支払いが長く続きます。
リボの「毎月の額」には2つの型がある
手数料が別にかかる型
いいところ
- 毎月、決めた額のぶんは必ず残りが減る
- いつ返し終わるかが、わかりやすい
気をつけること
- 決めた額に手数料が足されるので、毎月の支払いは少し多くなる
手数料込みの型
いいところ
- 毎月の支払いが、いつも同じ額で済む
気をつけること
- 支払いの中から、まず手数料が引かれる
- 残りが多いと、元のお金がほとんど減らない月がある
「手数料込みの型」「手数料が別の型」は、この記事での呼び方です。経済産業省の資料にも、毎月の額に手数料が入っているリボがあると書かれています。残りが増えると毎月の額も上がる「残高スライド」という型もあります。自分のカードの型は、会員ページなどで見られます。
じゃあ、実際にいくらかかるのか。数字を入れてみます。
0230万円を月5,000円で返すと、9年4か月
ひとことで手数料込みの型なら、月5,000円を1万円にするだけで、手数料は約25.8万円から約7.8万円に。
ここからは、手数料を年15%と仮に決めて計算します。特定のカードの数字ではありません。1か月の手数料は「残高×15%÷12」です。
1,250円
残高10万円のとき、1か月の手数料
3,750円
残高30万円のとき、1か月の手数料
6,250円
残高50万円のとき、1か月の手数料
残高30万円で、手数料込み月5,000円の型だとします。最初の月は5,000円のうち3,750円が手数料です。元のお金は、たった1,250円しか減りません。
出典:WE POPの試算。年15%は仮の数字。「込み」は手数料込みで毎月その額、「別」はその額に手数料を足して払う型
返し終わるまでの回数と、手数料の合計はこうなります。
- 月5,000円・込み:112回(9年4か月)で、約25.8万円
- 月5,000円・別:60回(5年)で、約11.4万円
- 月1万円・込み:38回(3年2か月)で、約7.8万円
- 月1万円・別:30回(2年6か月)で、約5.8万円
同じ30万円でも、手数料は約5.8万円から約25.8万円まで開きます。月5,000円を1万円にすると、終わりがぐっと近づくんです。
気をつけて
使いながら返すと、残りは減らない
残高10万円で、毎月5,000円使って、手数料込みで5,000円払うとします。1年後、残りは約11.6万円。払っているのに、増えています。リボの残りがある間は、新しくリボで使わないのがいちばんの近道です。
この計算は、1円より下を切り捨てた、かんたんなものです。実際は日ごとの計算や、締め日と支払日のずれで少し変わります。J-FLECの資料には、30万円・年18%・月5,000円の例があります。返し終わるまで約13年(155回)、払う合計は772,996円でした。
ポイント
自分の数字で計算してみる
明細で「残高」と「手数料の率」を見て、残高×率÷12を計算します。たとえば残高20万円・年15%なら、20万×0.15÷12=2,500円。これが今月払っている手数料のだいたいの額です。
では、カードを使わない「後払い」は?
032か月以内の後払いは、割賦販売法の対象外
ひとことでカードのリボや分割に使われるルールが、そのままは当てはまらない。
ネットで買い物をして、あとでコンビニや銀行で払う「後払い」。カードがいらないので、気軽に使えますよね。ただ、サービスによっては手数料がかかります。
カードの分割やリボには、割賦販売法(かっぷはんばいほう)という法律があります。カード会社は、この法律で次のことを決められています。
- カードを作る前や、使える上限を上げる前に、年収や借りている額を調べる
- 使える上限(利用枠)が大きすぎるなら、カードを出したり枠を上げたりしてはいけない。めやすは、払えそうな額に国が決めた割合をかけた額(例外もある)
- 支払いが遅れても、20日以上待つと決めて、書面などで催促してからでないと、残りを一度に払うよう求められない
ところが、この法律の「クレジット」には条件があります。買ってから2か月以内に払うものは、入っていません(リボ払いは別で、2か月以内でも入ります)。カードを使わない後払いでも、2か月を超えて払うものは、この法律の対象です。
そのため、カードを使わず2か月以内に払う後払いは、割賦販売法の対象外です。ただ、買い物そのものを守る法律(特定商取引法や消費者契約法など)は使えます。2026年9月には、消費者委員会の専門調査会が報告書を出しました。後払いの使われ方を調べて、守るしくみを考えることが必要だとしています。
67,000件
報告書には、解約したはずの定期購入で後払いの請求が続く、といった相談の例がのっています。後払いだと、いくら使ったかが1か所にまとまらず、見えにくくなりがちです。
気をつけて
後払いでトラブルになったら
国民生活センターは、販売した会社とトラブルになったら、後払いの会社にも連絡するよう呼びかけています。不安なときは、すぐに消費生活センター(188)へ相談を。
04「リボ」と書いていないリボもある
ひとことで名前ではなく、しくみで見分ける。
J-FLEC(法律にもとづいてできた、お金の教育の機関)の資料にも、注意が書かれています。「フレックス払い」「つけ払い」「定額払い」など、名前を変えたリボがよくあるそうです。リボの設定になっているカードもあるので、会員ページで自分の設定を見ておきましょう。
自分のカード、当てはまるものをタップ
当てはまったのは 0 / 4個
メモ
設定を外したら、残りも見ておく
リボの設定を外すのは、これから使うぶんの話です。それまでのリボの残りがどうなるかは、明細で確かめてください。残りを早く返したいときは、支払いの額を上げられるか、まとめて返せるかをカード会社に聞いてみてください。
05使いすぎを防ぐ設定は、今夜5分でできる
ひとことで意思の強さより、しくみで止める。
カードも後払いも、お金が手元から出ていく感覚がうすいのが弱いところ。だから、気をつけるより先に、止まるしくみを作っておくのがおすすめです。
支払い方を「1回払い」に戻す
会員ページで、リボに自動で切りかわる設定がないかを見ます。あれば外します。
使える上限(利用枠)を、月の手取りより下げる
枠が大きいほど、使いすぎたときの穴も大きくなります。下げられるか、カード会社に聞いてみてください。キャッシング(お金を借りる機能)の枠は、使わないなら0にできないかも聞きます。
使うたびに届く通知をオンにする
メールやアプリの通知で、使った額がすぐわかるようにします。知らない請求に気づくのも早くなります。
カードと後払いを、1つにしぼる
払う先がいくつもあると、合計が見えなくなります。いつも使うものを1つ決めて、ほかはしまっておきます。
給料日に、カードの支払いぶんを先に分ける
支払いの口座に、先に入れておきます。手取りの分け方は、別の記事でくわしく書いています。
ポイント
お金を借りられないようにする制度もある
「貸付自粛制度」は、自分が新しくお金を借りられないようにできる制度です。日本貸金業協会か全国銀行個人信用情報センターに申告して使います(金融庁が紹介しています)。止まるのは借り入れ(キャッシングなど)です。カードの買い物の分割やリボが止まるかは書かれていないので、カード会社に確かめてください。
06払えないかも、と思ったら支払日の前に
ひとことで遅れてからより、遅れる前のほうが、選べることが多い。
払えなくなるのは、だらしないからではありません。急な出費や収入の減少は、誰にでも起こります。大事なのは、気づいた時点で手を打つことです。
遅れたときに起きることを、先に知っておきましょう。経済産業省の資料(2026年3月)には、こう書かれています。
- 支払日に口座のお金が足りないと、遅れたぶんの遅延損害金(遅れたことで追加でかかるお金)を払う
- 遅れが続くと、信用情報機関(ローンやカードの払い方の記録を集めるところ)に登録される。資料では3か月以上がめやす。1〜2か月の遅れなら記録に残らない、というわけではない
- その登録は、全額を払い終えてからも5年間残る。そのあいだ、車や家のローン、新しいカードの審査に通りにくくなる
153万人
払えないかも、と思ったときの順番
明細で、全部の残高と支払日を書き出す
カード、後払い、スマホの分割など、払う先を全部並べます。合計がわかるだけで、次に何をするかが見えてきます。
支払日の前に、カード会社へ連絡する
黙って遅れるより、先に「払うのが難しい」と伝えるほうが、話し合える余地が残ります。
別のところから借りて返さない
借りて返すと、払う先が増えるだけです。「リボより金利が安い」と借りかえをすすめる業者もいると、国の資料は注意しています。
公的な窓口などに相談する
次の章の窓口に話してみてください。電話の通話料はかかり、無料の相談に条件がある窓口もあります。1人で抱えこまないでください。
気をつけて
SNSの「お金貸します」には近づかない
「#個人間融資」「審査なし」などの書きこみには要注意。とんでもない利息をとられたり、個人情報をさらされたりするトラブルが多いと、J-FLECの資料にあります。生活費に困ったときは、住んでいる地域の社会福祉協議会にも相談できます。
07相談先は、どこに電話すればいい?
ひとことで迷ったら188。借金が重なっているなら、多重債務の窓口へ。
- 消費者ホットライン 188:近くの消費生活センターにつながる。カードや後払いで困ったとき、どこに聞けばいいか迷ったときに
- 金融庁がまとめている多重債務の相談窓口:財務局や、県・市区町村にある。借金がいくつも重なっているときに
- 法テラス・サポートダイヤル 0570-078374:国が設けた、法律のトラブルの案内先。弁護士などの無料の相談は、収入などの条件がある
- 日本クレジットカウンセリング協会 0570-031640:カードやローンの返済、借金が重なったときの相談。電話の相談とカウンセリングは無料(通話料は別)
- 日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター 0570-051-051:キャッシングなど、お金を借りたことについての相談
どの窓口も、怒られに行く場所ではありません。残高と支払日のメモを持っていくと、話が早く進みます。お金の相談全般については、無料のお金の相談の記事も読んでみてください。
メモ
カードの法律のことを国に聞きたいとき
金融庁のQ&Aによると、カードの買い物(リボ・分割・ボーナス払い)には、貸金業法ではなく割賦販売法が当てはまります。割賦販売法は、経済産業省が中心になって担当しています。経済産業省の資料には、相談先として消費者相談室(03-3501-4657)がのっています。
08よくある質問
Qリボ払いは、使ったら絶対にダメ?
Aダメではありません。毎月の支払いがいくらで、いつ終わるかを自分でわかっていれば、使い方の1つです。こわいのは、残りと手数料を見ないまま使い続けること。02の計算で、今の手数料を一度出してみてください。
Qキャッシングの利息にも、上限はある?
Aあります。お金を借りたときの利息は、利息制限法で上限が決まっています。借りた額が10万円未満なら年20%、10万円以上100万円未満なら年18%、100万円以上なら年15%です。
Q後払いなら、安心?
Aサービスによっては手数料がかかるので、使う前に見ておきましょう。また、2か月以内に払う後払いは割賦販売法の外なので、カードと同じ「払えそうな額を調べる」ルールはありません。使った額を自分で記録しておくのがおすすめです。
今日の最初の一歩
今夜、カードの明細で「残高」と「手数料」の2つだけ見る
アプリか会員ページを開いて、2つの数字をスマホのメモに書きます。手数料が0円ならOK。0円でなければ、残高×手数料の率÷12を計算してみてください。それが毎月、何も買わずに払っている額です。
2026.10.16 公開 文・WE POP編集部
参考にした情報
- e-Gov法令検索「割賦販売法」(第2条・第30条の2・第30条の2の2・第30条の2の4)
- e-Gov法令検索「利息制限法」(第1条)
- 経済産業省 商務・サービスグループ参事官室「クレジットカードの不正利用や後払いの支払遅延から身を守るために」(2025年3月、消費者庁の会議資料として掲載)
- 経済産業省「クレジットカードの不正利用や後払いの支払遅延から身を守るために」資料1 解説(2026年3月)
- 金融庁「金融経済教育推進機構の設立について」(2024年2月5日、金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律にもとづく認可法人)
- 金融経済教育推進機構(J-FLEC)「消費者・金融トラブル編② ローン・クレジットの基礎と金融トラブルの予防」(2025年8月)
- 知るぽると(金融広報中央委員会、アーカイブ)「使い方で異なるクレジットカードの支払方法と手数料」
- 消費者委員会 支払手段の多様化と消費者問題に関する専門調査会「報告書」(2026年9月)
- 国民生活センター「後払い決済サービス」に関する注意喚起(2025年7月2日)
- 金融庁「貸金業法Q&A」
- 金融庁「貸金業法のキホン」
- 金融庁「多重債務者対策・貸金業法等について」(相談窓口の一覧・貸付自粛制度)
- 消費者庁「消費者ホットライン」
- 法テラス(日本司法支援センター)
- 公益財団法人 日本クレジットカウンセリング協会
- 日本貸金業協会「貸金業相談・紛争解決センター」
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