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冬のボーナスまで、あと少し。50万円と聞いて、旅行や買い物の予定を立てはじめた人もいるはず。でも、口座に入るのは50万円ではありません。東京で働く20代の例だと、約40.9万円。約9万円は、保険料と所得税として先に引かれてしまうんです。そのかわり、住民税はボーナスからは引かれません。読み終わるころには、自分のボーナスの手取りを、電卓で出せるようになります。
この記事でわかること
- ボーナスから、なにがいくら引かれるのか
- 税金の率が「前の月の給料」で決まるしくみ
- 住民税がボーナスから引かれないわけ
- 額面30・50・80万円の手取りの早見表
先に結論
- 東京で働く40歳より下の人の例(扶養なし・前の月の月給25万円)なら、ボーナス50万円の手取りは約40.9万円(概算)
- 引かれるのは、4つの保険料と所得税。所得税の率は、ふつうはボーナスの額ではなく前の月の給料で決まる
- 住民税は、ボーナスからは引かれない。でも、来年の6月からの住民税には入ってくる
01ボーナスから引かれるのは、5つだけ
ひとことで引かれるのは4つの保険料と、所得税。住民税は入らない。
ボーナスの明細を見ると、引かれるお金が並んでいます。名前は毎月の給料とほぼ同じ。ちがうのは、住民税がないことです。
- 健康保険…病院で払うお金が3割ですむのは、これのおかげ
- 子育て支援金…2026年4月分から、健康保険料にプラスして集めるお金。ボーナスにもかかる(正しくは「子ども・子育て支援金」)
- 厚生年金…年を取ってからもらう年金のもと。引かれる中で、いちばん大きい
- 雇用保険…仕事をなくしたときや、育休のときにお金が出る保険
- 所得税…国に納める税金。会社で年末調整を受ける人は、12月に1年分を出しなおす
40〜64歳の人は、ここに介護保険が加わります。この記事の例は40歳未満なので、入れていません。
この5つは、毎月の給料と同じように引かれます。でも、計算のしかたは少しちがいます。まずは、保険料のほうから見ていきましょう。
02保険料は、ボーナスの額にかけ算するだけ
ひとことで1,000円より下を切り捨てて、率をかけて、半分にする。
毎月の保険料は、給料を「きりのいい額」に当てはめて出します。ボーナスはもっと単純。額面から1,000円未満を切り捨てて、そのまま率をかけます。
ことば標準賞与額
ボーナスの保険料を出すもとになる額。引かれる前のボーナスから、1,000円より下を切り捨てたものです。たとえば50万3,800円なら、50万3,000円として計算します。
18.3%
厚生年金
9.85%
健康保険(東京都)
0.23%
子育て支援金
この3つは、会社とあなたで半分ずつ払います。あなたのぶんは、上の率の半分です。雇用保険だけは別。あなたのぶんは0.5%です(2026年度・一般の事業)。こちらは切り捨てずに、額面にそのままかけます。
健康保険の率は、会社がどこにあるかでちがいます。協会けんぽなら、2026年度は9.21〜10.55%のあいだ。会社が健康保険組合に入っているなら、その組合の率になります。
ポイント
保険料には上限がある
厚生年金は、1か月のボーナス150万円まで。健康保険は、4月から次の年の3月までの合計で、573万円までです。この記事の例は、どれも上限より下です。
保険料は、ボーナスが多いほど、同じ割合で増えていきます。じゃあ、所得税のほうはどうなるの。
03所得税の率は、ボーナスではなく「前の月の給料」で決まる
ひとことで前の月の給料から、保険料を引いた額で率が決まる。
ここがいちばん意外なところ。ボーナスの所得税は、ボーナスの額では率が決まりません。見るのは、前月の給料です。
ボーナスの所得税は、この順番で出す
前の月の給料から、保険料を引く
前の月の額面から、4つの保険料を引きます。月給25万円の例なら、211,856円です。
国税庁の表で、率を見つける
「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使います。ふつうは甲欄(こうらん)のほう。扶養親族等の数(税金のほう)の列で、1の額が入る行を見つけます。
ボーナスから、保険料を引く
ボーナスの額面から、そのボーナスにかかった保険料を引きます。
3の額に、2の率をかける
1円より下は切り捨てます。これが、ボーナスから引かれる所得税です。
出典:国税庁「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和8年分)」甲欄・扶養親族等0人。上から順に、9.4万円以上26万円未満、26万円以上30.9万円未満、30.9万円以上34.2万円未満、34.2万円以上37.2万円未満。率は復興特別所得税を含む
扶養0人で、東京・協会けんぽ・40歳より下の例だと、前の月の額面が30万円までなら4.084%です。31万円になると、保険料を引いた額が26万円をこえます。すると、6.126%に上がるんです。
ことば甲欄(こうらん)
会社に「扶養控除等申告書」を出している人が使う欄。入社のときや年のはじめに書く、家族のことを書いた紙です。ふつうの会社員なら、たいていこちら。出していない人は乙欄(おつらん)で、率が高くなります。表の「扶養親族等の数」は、税金のほうの扶養です。申告書に書いた人だけを数えます。16歳より下の子は入りません。本人がひとり親や障害者などだと、数が1つ増えることもあります。健康保険の扶養とも、数えかたがちがいます。
メモ
2026年のボーナスは、冬も同じ表
2026年分から、所得税の基礎控除(税金を出すときに引ける額)が上がりました。でも、ボーナスで使う表は、2026年のあいだはこのまま。上がったぶんは、12月の年末調整でまとめて入れます。表が新しくなるのは、2027年1月からです。
ボーナスで引かれる所得税も、毎月と同じで「仮の額」なんです。12月に、1年分をきっちり出しなおします。じゃあ、もう1つの税金、住民税は?
04住民税は、ボーナスからは引かれない
ひとことで今は引かれない。でも、来年の6月からの住民税に入ってくる。
会社員なら、住民税はふつう、1年分を12回に分けて引かれます。6月から次の年の5月まで、毎月の給料からです。入社1年目は、前の年の収入がないので、ふつうはまだ引かれていません。広島市の案内にも「ボーナスなど、臨時に支給される手当からは、個人住民税は、差し引かれません」と書いてあります。
ただし、なくなるわけではありません。住民税は、前の年1〜12月の収入で決まります。今年のボーナスも、その収入に入ります。つまり、来年6月からの住民税が、ボーナスのぶん少し増えるということ。
ボーナスと税金の1年(2026年の冬ボーナスの場合)
- 12月
ボーナスが出る
保険料と所得税が引かれる。住民税は引かれない。
- 12月
年末調整
会社で年末調整を受ける人は、ボーナスも入れて1年分の所得税を出しなおす。引きすぎていたら、戻ってくる。
- 次の年の5〜6月
住民税のお知らせが届く
ボーナスも入った、前の年の収入で、1年分の住民税が決まる。
- 次の年の6月〜
毎月の給料から住民税
決まった額を12回に分けて、毎月の給料から引く。
気をつけて
辞める時期によっては、まとめて引かれることも
年の途中で辞めると、残りの住民税をどう払うかは、辞める時期で変わります。時期によっては、残りの住民税が最後の給料からまとめて引かれることがあります。くわしくは、住んでいる市区町村の住民税の窓口で確かめてください。
引かれるものがわかったところで、いよいよ金額です。
05額面30・50・80万円、手取りはいくら?
ひとことでこの例では、どの額でも手取りは額面の約82%になる。
条件をそろえた、ひとつの例です。条件が変わると、金額も変わります。どれも、だいたいの額(概算)です。
- 東京都にある会社(協会けんぽ)で働いている
- 40歳より下なので、介護保険は引かれない
- 申告できる扶養親族等はいない(表の甲欄の0人)
- 前の月の給料は、額面25万円。残業代や交通費はなし
- 前の月の給料から保険料を引くと211,856円。なので、率は4.084%
- 2026年に出るボーナス。率は2026年度のもの
24.5万円
ボーナス30万円の手取り
40.9万円
ボーナス50万円の手取り
65.5万円
ボーナス80万円の手取り
ボーナス30万円の人
- 健康保険:14,775円(300,000円 × 9.85% ÷ 2)
- 子育て支援金:345円(300,000円 × 0.23% ÷ 2)
- 厚生年金:27,450円(300,000円 × 18.3% ÷ 2)
- 雇用保険:1,500円(300,000円 × 0.5%)
- 所得税:10,452円(保険料を引いた255,930円 × 4.084%)
- 引かれるのは合わせて54,522円。手取りは245,478円
ボーナス50万円の人
- 健康保険:24,625円(500,000円 × 9.85% ÷ 2)
- 子育て支援金:575円(500,000円 × 0.23% ÷ 2)
- 厚生年金:45,750円(500,000円 × 18.3% ÷ 2)
- 雇用保険:2,500円(500,000円 × 0.5%)
- 所得税:17,420円(保険料を引いた426,550円 × 4.084%)
- 引かれるのは合わせて90,870円。手取りは409,130円
ボーナス80万円の人
- 健康保険:39,400円(800,000円 × 9.85% ÷ 2)
- 子育て支援金:920円(800,000円 × 0.23% ÷ 2)
- 厚生年金:73,200円(800,000円 × 18.3% ÷ 2)
- 雇用保険:4,000円(800,000円 × 0.5%)
- 所得税:27,872円(保険料を引いた682,480円 × 4.084%)
- 引かれるのは合わせて145,392円。手取りは654,608円
出典:協会けんぽ東京支部の保険料額表(令和8年3月分から)、厚生労働省「令和8年度雇用保険料率」、国税庁「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和8年分)」から計算
いちばん大きいのは、ここでも厚生年金。引かれる額の半分くらいです。この例では率が1つなので、どの額でも手取りは額面の約82%。ざっくり知りたいなら「額面 × 0.8」で、少し少なめの目安になります。
手取りがわかったら、使いみちも先に決めておくと安心です。手取り22万円の配分の例も参考にしてみてください。では、条件が変わるとどうなるか。
06同じ50万円でも、手取りが変わる人がいる
ひとことで前の月の給料や、40歳をこえているかどうかで、数千円ずれる。
05の例と条件がちがうと、手取りも変わります。50万円のボーナスで比べてみます。
ボーナス50万円で比べると
前の月の月給が35万円約40.0万円
いいところ
- 保険料は05の例と同じ73,450円
気をつけること
- 保険料を引いた前の月の給料が297,166円になって、率が6.126%に上がる
- 所得税は26,130円。手取りは400,420円で、05の例より8,710円少ない
40〜64歳(月給25万円)約40.5万円
いいところ
- 前の月の給料は介護保険のぶん減るけれど、率は4.084%のまま
気をつけること
- 介護保険(1.62%の半分)が加わって、保険料が4,050円増える
- 所得税は17,254円。手取りは405,246円で、05の例より3,884円少ない
どちらも05と同じ、東京・協会けんぽ・扶養0人のときの数字です。WE POPが計算した、だいたいの額です。
05の例とちがうところを、タップしてみてください
当てはまったのは 0 / 6個
メモ
前の月に給料がない人は、出しかたが別
育休のあとなどで前の月の給料がないときは、算出率の表は使いません。ボーナス(保険料を引いたあと)を6で割って、毎月の表で税額を出し、それを6倍にします。ボーナスが6か月をこえる期間のぶんなら、6ではなく12を使います。ボーナスが前の月の給料の10倍をこえるときも、毎月の表を使う別のやり方です(どちらも保険料を引いたあとの額で比べます)。くわしくは国税庁の「No.2523」にあります。
07ボーナスの明細が届いたら、ここだけ見る
ひとことで見るのは、上から4つだけ。
ボーナスの明細(賞与明細)は、毎月の明細よりも、のっていることが少なめ。見るところも、だいたい決まっています。
自分の賞与明細で、手取りを確かめる
1円まできっちり合わなくても、気にしなくて大丈夫。会社によって、はしたの出しかたが少しちがうことがあります。数百円よりもっとずれていたら、人事や総務の人に聞いてみましょう。毎月の明細の読みかたは、給与明細の記事にまとめています。
08よくある質問
Qボーナスが多い月は、毎月の保険料も上がる?
A上がりません。ボーナス(年3回まで)は、毎月の保険料のもとになる額とは、別に計算します。ボーナスにかかった保険料は、そのボーナスから引かれておしまいです。
Qボーナスで引かれた所得税は、戻ってくる?
A会社で年末調整を受ける人なら、引きすぎていたぶんは12月に戻ってきます。ボーナスの所得税も、1年分を出しなおすときに入るからです。2026年分は基礎控除が上がったので、戻るお金が増える人もいます。書類の書きかたは年末調整の記事にあります。
Q寸志や決算賞与も、同じように引かれる?
A年3回までなら、名前がちがっても、ボーナスとして保険料がかかります。所得税も、同じ表で計算します。年4回以上出るものは、保険料のうえでは毎月の給料のほうに入ります。
Q保険料がこんなに引かれるのは、損じゃない?
A厚生年金は、ボーナスから引かれたぶんも、あとでもらう年金の額に入ります。保険料は、あなたを守るためのお金。払ったぶんが、むだになるわけではありません。
今日の最初の一歩
前の月の明細で、自分の率を見つけてみる
額面から保険料の合計を引いて、03の棒グラフのどこに入るかを見るだけ。扶養している家族がいなければ、これで率がわかります。あとは、05の早見表と同じかけ算をすれば手取りが出ます。5分で終わります。
2026.10.12 公開 文・WE POP編集部
参考にした情報
- 国税庁「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和8年分)」
- 国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表」
- 国税庁「No.2523 賞与に対する源泉徴収」
- 国税庁「令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A」(令和8年5月)
- 国税庁「No.2662 年末調整のしかた」
- 日本年金機構「従業員に賞与を支給したときの手続き」(標準賞与額・上限)
- 日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
- 日本年金機構 用語集「平均標準報酬月額」(2003年4月以後は賞与も合わせて計算)
- 協会けんぽ「令和8年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます」
- 協会けんぽ東京支部「令和8年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」(賞与の保険料・子ども・子育て支援金の上限)
- 協会けんぽ「協会けんぽの子ども・子育て支援金率について」
- 協会けんぽ「協会けんぽの介護保険料率について」
- 厚生労働省「令和8(2026)年度雇用保険料率のご案内」
- 神奈川労働局「労働保険料の算定基礎となる賃金早見表」(賞与は賃金総額に算入)
- 総務省「個人住民税」
- 広島市「個人の市民税・県民税(住民税)が給与から差し引かれる仕組み(特別徴収)について」
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