お金

目次
  1. 年末調整って、何をしているの?
  2. 配られる紙は、何がある?
  3. 基礎控除は、2025年と2026年でどう変わった?
  4. 12月に戻るお金は、どれくらい増える?
  5. 基礎控除の紙は、どう書けばいい?
  6. 保険の紙には、何を書けばいい?
  7. 年末調整では、できないこともある?
  8. 「足りない」と言われるのは、どんなとき?
  9. よくある質問

秋になると、会社から「年末調整の書類を出してね」と連絡が来ます。開いてみると、見慣れない言葉がずらり。去年は先輩に聞きながら、なんとなく埋めた人も多いはずです。しかも今年は、去年と書く金額がちがうんです。読み終わるころには、どの紙に何を書けばいいかがわかります。

この記事でわかること

  • 年末調整って、会社が何をしているのか
  • 配られる紙の種類と、自分が書くのはどれか
  • 基礎控除が上がって、12月に戻るお金がどうなるか
  • 年末調整ではできないことと、お金が足りないと言われるとき

先に結論

  • 年末調整は、1年分の所得税の出しなおし。引きすぎていたら、戻ってくる
  • 2026年分の基礎控除は、年収665万円くらいまでなら104万円。去年の紙をまねして書かない
  • 医療費・ふるさと納税・住宅ローンの1年目は、年末調整ではできないから気をつけて

メモ

時間がない人へ

05の「基礎控除の紙の書き方」だけ読んでください。いちばん迷う紙で、今年は金額が変わっています。

01年末調整って、何をしているの?

ひとことで毎月の「仮の税金」を、12月に1年分でやりなおすこと。

会社は毎月の給料から、所得税を引いています。でもこれは、1年分を見こんだ仮の額なんです。払った保険料などは、まだ入っていません。

そこで、その年の最後の給料のときに、1年分をまとめて計算しなおします。引きすぎていたら戻ってきて、足りなければ追加で引かれます。これが年末調整です。

ことば年末調整

1年に引いた所得税の合計を、本当に払う額にあわせること。会社がかわりにやってくれます。会社員の多くは、これで1年の所得税がおしまいです。

メモ

12月に会社にいない人は、うけられない

年のとちゅうで辞めて、年末にどこにも勤めていない人は、ふつう年末調整がありません。引きすぎた税金は、次の年に自分で確定申告(税務署に1年分を出すこと)をすると戻ります。申告は、次の年から5年のあいだならできます。

02配られる紙は、何がある?

ひとことでみんなが書くのは2枚。保険に入っている人は3枚。

国税庁の案内を見ると、紙は7種類あります。でも、全部書く人はほとんどいません。何枚かが1枚にまとまっていたり、スマホのアプリで入力する会社もあります。まずは、この3つだけ見ておけばOKです。

  • 扶養控除等申告書(扶養の紙)…みんなが出す。養っている家族がいなくても出す
  • 基礎控除申告書(基礎控除の紙)…ほとんどの人が出す。今年の所得がいくらくらいかを書く
  • 保険料控除申告書(保険の紙)…保険のお金を、自分で払っている人

ほかに、配偶者がいる人、住宅ローンが2年目からの人などが書く紙もあります。19〜22歳の家族を養っている人は、家族の年収で紙が変わります。年収136万円までなら扶養の紙です。136万円をこえて197万円までなら、べつの専用の紙に書きます。当てはまらなければ、出さなくてだいじょうぶです。わからないところは、人事の担当の人に聞いてみてください。毎年たくさんの人が聞いているので、気にしなくてOKです。

気をつけて

扶養の紙を出さないと、毎月の税金が高くなる

この紙を出していないと、毎月の所得税が、高いほうの表(「乙欄」)で引かれてしまいます。ひとり暮らしで家族を扶養していなくても、名前やマイナンバーなどを書いて出しておきましょう。

03基礎控除は、2025年と2026年でどう変わった?

ひとことで48万円だった基礎控除が、2026年分は104万円に。

ことば基礎控除

税金を計算するとき、所得から引ける額のこと。所得が2,500万円をこえる人をのぞけば、だれでも引けます。引ける額が大きいほど、税金は安くなります。

この基礎控除が、2年つづけて上がりました。給料だけで年収206万〜475万円くらいの人だと、こんなふうに変わっています。

基礎控除の額(給料だけで年収206万〜475万円くらいの人)
2024年分48万円
2025年分88万円
2026年分104万円

出典:国税庁「No.1199 基礎控除」、国税庁「令和7年度税制改正(基礎控除の見直し等関係)Q&A」

2026年分の104万円は、所得が489万円までの人の額です。給料だけなら、年収665万円くらいまでがここに入ります。国の調べ(2024年分)では、20代後半の平均の給料は407万円。会社員全体でも、約8割が年収700万円までです。20代なら、多くの人が当てはまりますよね。

  1. 2024年分まで

    みんな48万円

    所得がとても多い人をのぞいて、だれでも48万円でした。

  2. 2025年分

    58万円に、プラスがついた

    所得が少ないほどプラスが大きく、58万〜95万円に。2025年12月の年末調整で、はじめて入りました。

  3. 2026年分

    62万円に、さらにプラス

    所得489万円までなら104万円。12月1日から始まって、その月の年末調整で入ります。

  4. 2027年分

    2026年分と同じ

    1月からは、毎月の給料から引く税金の表も新しくなります。

  5. 2028年分から

    プラスの多くが終わる

    基礎控除は62万円になります(所得が132万円までの人は99万円)。プラスの多くは、期限つきなんです。

ニュースで「178万円」という数字を見たかもしれません。これは、2026・2027年分の基礎控除の104万円と、給料から引けるいちばん少ない額の74万円を足した数です。給料だけなら、この2年は、年収178万円までは所得税がかからない、ということです。ニュースで見たあの数字は、こういう意味だったんですね。

0412月に戻るお金は、どれくらい増える?

ひとことで毎月は「58万円」のつもりで引いている。そのちがいが12月に戻る。

ここが今年のいちばんのポイントです。1〜11月の給料から税金を引くときの表は、基礎控除を58万円として作られています。プラスのぶんは、入っていません。

そして12月に、104万円として1年分をやりなおします。つまり、増えたぶんは、12月にまとめて戻ってくるということ。ちょっとしたおこづかいみたいで、うれしいですよね。

58万円

1〜11月の表で、つもりにしている基礎控除

104万円

12月の年末調整で使う基礎控除

46万円

そのちがい。このぶん税金がかかる所得が少なくなる

出典:国税庁「令和7年度税制改正(基礎控除の見直し等関係)Q&A」、国税庁「令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A」

たとえば、年収300万円でひとり暮らし、社会保険料が1年に45万円の人で考えてみます。税金がかかる所得は、99万円から53万円に下がります。

2.3万円

年収300万円・ひとり暮らしの例で、基礎控除のプラスのぶん少なくなる所得税出典:国税庁「No.1410 給与所得控除」「No.2260 所得税の税率」「No.1199 基礎控除」をもとにWE POPが計算。46万円×税率5%×102.1%(復興特別所得税を含む)

メモ

あくまで目安です

生命保険などの控除や、毎月の引き方のずれで、本当に戻る額は変わります。年収が665万円くらいをこえる人は、プラスが小さいので、戻るお金も少なめです。反対に、年収190万円までの人は、給料から引ける額も65万円から74万円に増えたので、そのぶんも戻ります。190万〜220万円の人は、この増え方が小さくなります。それから、これは所得税だけの話。住民税は、年末調整ではやりなおしません。

05基礎控除の紙は、どう書けばいい?

ひとことで今年の給料のおおよその合計から、表に当てはめるだけ。

いちばん手が止まるのが、この紙ですよね。書くのは、今年1年のおおよその所得と、基礎控除の額。この順番で進めれば、迷いません。

  1. 今年の給料の合計を出す

    1〜11月の給与明細の「総支給額」(引かれる前の額)を足します。そこに、12月の給料と冬のボーナスの見こみも足します。通勤のお金のうち、税金がかからないぶんは入れません。

  2. 給料から「給与所得」を出す

    給料の合計から、決まった額(給与所得控除)を引いたものです。年収220万〜360万円なら、だいたい年収の70%から8万円を引いた額。年収300万円なら202万円です。会社がくれる見本の表で探してもOKです。

  3. ほかの所得があれば足す

    副業の所得などがあれば、ここで足します。給料だけの人は、2の額がそのまま「合計所得金額」になります。

  4. 表に当てはめて、基礎控除の額を書く

    合計所得が489万円までなら104万円。655万円までなら67万円。2,350万円までなら62万円です。20代なら、多くの人がいちばん上の104万円です。

  5. しめきりまでに会社に出す

    しめきりは会社ごとにちがいます。人事からの連絡を見て、早めに出しておきましょう。

気をつけて

去年の紙を見ながら書くと、金額をまちがえやすい

国税庁の注意書きにも「昨年分と金額が異なります」とあります。去年の88万円などを、そのまま写さないでください。それと、この紙は、ほかの紙といっしょに出しわすれないようにしましょう。

06保険の紙には、何を書けばいい?

ひとことで自分で払った保険料だけ。証明書を見ながら書く。

保険の紙は、自分で払った保険のお金を書くところ。書いた額に応じて所得から引かれ、そのぶん税金が安くなります。保険会社などから届くはがき(控除証明書)を見ながら書きましょう。

  • 生命保険…3つの種類に分かれている。2012年からの契約なら、それぞれ4万円まで、あわせて12万円まで。23歳未満の家族を養っている人は、2026・2027年分に特例あり
  • 地震保険…5万円まで
  • 国民年金や国民健康保険…自分で払ったぶんは、全部。家族のぶんを払ったときも、入ることがある
  • iDeCo(自分で入る年金)…給料から引かれていなければ、払ったぶん全部

気をつけて

給料から引かれた社会保険料は、書かない

毎月の給料から引かれている健康保険や厚生年金は、会社がもう入れてくれています。ここに書くと、二重になってしまうんです。よくある間違いなので、気をつけて。

07年末調整では、できないこともある?

ひとことで医療費・ふるさと納税・住宅ローンの1年目は、確定申告で。

年末調整でできる

いいところ

  • 基礎控除や、家族を養っているぶん
  • 保険のぶん
  • 自分で払った国民年金やiDeCo
  • 住宅ローンの2年目から

気をつけること

  • 会社に紙を出さないと、入らない

確定申告がいる

いいところ

  • 医療費が1年に10万円をこえたとき(所得200万円未満なら、所得の5%をこえたとき)
  • ふるさと納税で、ワンストップ特例を使わないとき
  • 住宅ローンの1年目
  • 副業の所得が20万円をこえたとき

気をつけること

  • 自分で出す。ふつうは次の年の3月15日まで

当てはまるものをタップしてみてください

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ふるさと納税のやり方はふるさと納税の記事、副業の線引きは副業の確定申告の記事で書いています。

08「足りない」と言われるのは、どんなとき?

ひとことで扶養していた家族が、条件から外れたときなど。

年末調整は、戻ってくるだけとはかぎりません。毎月引いた額が少なかったら、12月に追加で引かれることもあります。

よくあるのは、扶養の紙に書いた家族の収入が増えたとき。税金の扶養に入れられるのは、16歳以上で、2026年分の所得が62万円まで(給料だけなら年収136万円まで)の家族です。これをこえると、その家族のぶんは引けなくなります。12月にやりなおすので、追加で引かれることがあります。

ただ、62万円をこえても、使える控除が残ることがあります。配偶者なら所得133万円まで、19〜22歳の家族なら所得123万円まで、べつの控除が使えます。

メモ

社会保険の扶養とは、別のルール

ここで書いているのは、税金の扶養です。健康保険などの扶養には、年収130万円などの別の線があります。

ポイント

今年は、扶養に入れられる家族が増えることも

2026年分は、扶養の条件が「所得58万円まで」から「62万円まで」に上がりました。去年は外れていた家族を、今年は入れられるかもしれません。そのときは、扶養の紙を出しなおします。

気をつけて

転職した人は、前の会社の源泉徴収票を出す

今年、前の会社でも給料をもらった人は、そこでもらった源泉徴収票(1年の給料と税金をまとめた紙)を、今の会社に出します。出さないと年末調整ができません。そのときは、自分で確定申告をすることになります。手もとになければ、前の会社にたのんでみましょう。

09よくある質問

Q4月に入った1年目です。控除は月わりになりますか?

Aなりません。国税庁によると、4月から働きはじめた人でも、基礎控除などはまるごと引けます。なので1年目は、12月に税金が戻ってくることもあります。

Q書きまちがえたまま、年末調整が終わってしまいました

Aまずは会社の担当の人に、相談してみてください。引きすぎのまま終わったときは、自分で確定申告をすると戻ります。次の年から5年のあいだなら、だいじょうぶです。

Q戻ったお金は、いつ、どこでわかりますか?

Aいつ戻るかは、会社によってちがいます。12月か1月の給与明細を見てみてください。1年分の給料と税金は、会社からもらう源泉徴収票にまとまっています。見方は給与明細の記事で書いています。

Qアルバイトもしています。2か所で年末調整できますか?

A年末調整を受けられるのは、扶養の紙を出したメインの1か所だけです。2か所目の給料の税金は、確定申告で計算しなおすことになります。2か所目の給料が少ないときなど、申告がいらない場合もあります。

今日の最初の一歩

給与明細アプリで、今年の「総支給額」を足してみる

1月から今月までの総支給額を足して、残りの月の見こみを足すだけ。基礎控除の紙のいちばん最初の数字が、これで埋まります。電卓アプリがあれば、5分もかかりません。

2026.10.05 公開 文・WE POP編集部

参考にした情報

制度や数字は記事の公開日(直した記事は更新日)時点の情報です。最新の情報は各公式サイトで確認してください。

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