お金

目次
  1. NISA口座は1人1つ。でも、年ごとに変えられる
  2. 銀行では、株は買えない
  3. つみたて投資枠で買えるのは、国の基準に合う372本
  4. 手数料は、どこで差がつく?
  5. 自分に合うのは? 5つの質問で決める
  6. あとから変えるなら、「その年に1回も買う前」が条件
  7. 迷ったら、商品をすすめない無料の窓口へ
  8. よくある質問

NISAを始めようと決めた。でも「どこで口座を開けばいいの?」で手が止まる。調べると、おすすめの会社がずらりと並んでいて、どれも良さそうに見えますよね。じつは、比べる前に知っておきたいことがあります。銀行のNISA口座では、株は買えません。そして口座は1人1つです。読み終わるころには、自分に合う金融機関を選ぶ基準が5つ、手元にそろいます。

この記事でわかること

  • NISA口座が「1人1つ」とは、どういうことか
  • 銀行と証券会社で、買えるものはどうちがうか
  • 手数料は、どこでかかって、どこでかからないか
  • 選んだあとで、開く先を変えるときの期限と手続き

先に結論

  • NISA口座は1人1つ。ただし、開く先は1年ごとに変えられる
  • 銀行で買えるのは投資信託だけ。株や、成長投資枠の一部の投資信託は、証券会社でしか買えない
  • つみたて投資枠の投資信託(ETFを除く)は、どこで買っても買うときの手数料はゼロ。差が出るのは、扱う商品と積み立ての設定

メモ

時間がない人へ

05の「5つの質問」だけでも読んでみてください。上から順に答えていくと、選ぶ先がしぼれます。

01NISA口座は1人1つ。でも、年ごとに変えられる

ひとことで開けるのは1か所だけ。ただ、一生その1か所に決まるわけではない。

まずはルールから。NISA口座は、どこで開いても合わせて1人1つだけ。銀行と証券会社の両方で、1つずつ開くことはできないんです。今のふつうのNISA口座を開けるのは、日本に住んでいて、その年の1月1日に18歳以上の人。0〜17歳には、2027年から別のしくみができます。

もうひとつ、2つの枠は同じ場所で使います。つみたて投資枠はA社、成長投資枠はB社、という分け方はできません。

1口座

1人が持てるNISA口座の数

1年

開く先を変えられる単位

出典:金融庁 NISA特設ウェブサイト「NISAとは?」「よくある質問」

いっぽうで、開く先は1年ごとに変えられます。最初の1か所で一生が決まるわけではないので、あまり気負わなくてOKです。ただ、変えるには期限と手続きがあります(06で説明します)。

気をつけて

2か所に申し込まないで

もし2つ目のNISA口座ができて、そこで買っていたら、買ったものはNISAではない、ふつうの口座に移されます。そうなると、利益に税金がかかります。迷っても、申し込むのは1か所だけにしましょう。

じゃあ、その1か所をどう選ぶ? いちばん大きなちがいは、銀行か、証券会社かです。

02銀行では、株は買えない

ひとことで銀行は投資信託だけ。株やETFも買いたいなら証券会社。

NISA口座は、銀行でも証券会社でも開けます。でも、買えるものがちがうんです。お金の教育をする公的な機関、J-FLEC(金融経済教育推進機構)の資料では、こう分けています。

銀行など

いいところ

  • 給料が入る口座と同じところで始められる
  • お店の窓口で、顔を見て話を聞けることがある

気をつけること

  • NISAで買えるのは投資信託だけ
  • 株・ETF・REITは買えない
  • 窓口は売る側なので、すすめられたものは説明書で確かめる

証券会社

いいところ

  • 投資信託に加えて、株・ETF・REITも買える
  • 成長投資枠で、いろいろなものが買える

気をつけること

  • 銀行の口座から、お金を移す手間がかかることがある
  • 選べるものが多く、はじめは迷いやすい

ETFは、株と同じように売り買いできる投資信託。REITは、ビルやマンションなどに投資する投資信託です。

J-FLECの資料にも、こうあります。成長投資枠の「上場株式や一部投資信託は、証券会社でNISA口座を開設した場合のみ購入可能」。金融庁の資料でも、株やETFを売り買いできる場所は「証券会社」とされています。

つまり、こういうことです。月1万円の積み立てだけなら、銀行でも証券会社でもできます。将来、1社の株を買ってみたいかもしれない。そう思うなら、最初から証券会社を選んでおくと、変える手間がかかりません。

メモ

株の配当を非課税にするには、受け取り方の設定がいる

これは、証券会社のNISA口座で株を買うときの話です。受け取り方を「株式数比例配分方式」にしておかないと、配当金は非課税になりません。証券会社の口座で受け取る方法です。銀行の口座で受け取る方法などでは、NISAで買った株でも、約20%(20.315%)の税金がかかります。

では、同じ投資信託なら、どこで買っても同じ?

03つみたて投資枠で買えるのは、国の基準に合う372本

ひとことで候補は国の基準に合う一覧から。その中のどれを扱うかが、開く先でちがう。

つみたて投資枠で買える投資信託は、金融庁の基準に合うものだけ。いくつあるかというと、こうです。

372本

つみたて投資枠で買える商品の数(投資信託とETF)出典:金融庁「つみたて投資枠対象商品の概要について」(2026年10月8日時点)

金融庁の基準は、たとえばこんな内容です。どれも、長く積み立てる人が損をしにくいように、という考え方から来ています。

  • 投資信託は、買うときの手数料(購入時手数料)がゼロ
  • 投資信託は、解約の手数料と口座の管理料もゼロ
  • 持っている間の費用(信託報酬)は、決められた上限まで
  • ETFは売り買いの手数料がかかる(上限1.25%)
  • 毎月お金を配るタイプではない。運用の期間は20年以上か、期限なし

ここで大事なのは、372本の全部が、どこでも買えるわけではないということ。投資信託は、その商品を扱う会社(販売会社)でしか買えません。どれを扱うかは、それぞれが決めています。

なので、買いたいものがもう決まっているなら、そこで扱っているかを先に見ておきましょう。説明書(目論見書)には、販売会社が書かれています。

ポイント

2026年4月から、対象の商品が少し広がりました

つみたて投資枠で買える商品の基準が、2026年4月1日に変わりました。対象の指数が2つ増えました。指数に連動しないタイプの投資信託は、条件が変わりました。「主に株式に投資するもの」に加えて、「主に公社債に投資するもの」も入れます。公社債は、国や会社にお金を貸す債券のことです。あわせて、決まった間隔で自動で売るサービス(定期売却サービス)に限り、手数料を取れるようになりました。くわしくはNISAの始め方の記事にまとめました。

もうひとつ、気になるのが手数料ですよね。

04手数料は、どこで差がつく?

ひとことでつみたて投資枠の投資信託なら、買うときの手数料はどこでもゼロ。持っている間の費用は、商品で決まる。

投資信託のお金は、3つのタイミングでかかります。買うとき、持っている間、売るときです。

投資信託にかかる3つの費用

  1. 買うとき:購入時手数料

    買うときに、売った側に払う手数料です。つみたて投資枠の投資信託なら、どこで買ってもゼロ。ETFや、成長投資枠の投資信託では、かかるものもあります。

  2. 持っている間:信託報酬

    持っている間、毎日少しずつ引かれる費用です。料金は商品ごとに決まっていて、説明書に書いてあります。NISAでもかかります。

  3. 売るとき:信託財産留保額

    売るときに差し引かれて、その投資信託の中に残されるお金です。これも商品ごとに決まっています。

つみたて投資枠で投資信託だけを買うなら、買うときの手数料はかかりません。見てほしいのは、むしろ「選んだ商品の信託報酬」のほうです。

信託報酬は、持っているお金に対して1年で何%、という決まり方です。残高が100万円なら、率によってこれだけ変わります。

残高100万円で、1年にかかる信託報酬
年0.1%1,000円
年0.3%3,000円
年0.5%5,000円
年0.75%7,500円

出典:WE POPの計算(100万円×率。残高は1年変わらないと仮定)。0.5%と0.75%は、つみたて投資枠の指定インデックス投資信託(金融庁が決めた指数に連動するもの)の法令上の上限。国内向け/内外・海外向け(金融庁「つみたて投資枠対象商品の概要について」2026年10月8日時点)。アクティブ型は別の上限、ETFは0.25%以下

あなたの金額でも計算できます。月1万円を5年積み立てると、元本は60万円。5年たって残高が60万円なら、年0.3%で1年に約1,800円です。積み立て中は残高がもっと少なく、運用で増えたり減ったりもするので、目安として見てください。

ちなみに、つみたて投資枠の指定インデックス投資信託の場合です。信託報酬の平均は、国内向けが0.27%、内外・海外向けが0.34%。金融庁が2026年10月8日時点でまとめた数字です。

気をつけて

株を買うときの手数料は、開く先ごとにちがう

成長投資枠で株やETFを売り買いするときの手数料は、それぞれの会社が決めています。ゼロのところもあれば、かかるところもあります。株も買う予定なら、申し込む前に手数料の表を見ておきましょう。

ことば販売会社は、どこでもうけている?

つみたて投資枠では買うときの手数料がゼロなのに、なぜ銀行や証券会社は売っているのか。J-FLECの資料によると、信託報酬は、運用会社や信託銀行に加えて、販売会社(売った側)も受け取ります。持っている間の費用の一部が、売った側に入るしくみです。

05自分に合うのは? 5つの質問で決める

ひとことで株も買う? 買いたいものはある? いくらから? どこから引き落とす? 窓口とネット、どっち?

金融庁の資料では、開く先を選ぶポイントとして「ラインナップ」「手数料」「利便性」を挙げています。積み立てなら、最低いくらから・どのくらいの間隔で買えるかも見てほしい、とも書いています。これを、上から順に答える形にしました。

上から順に答えていく

  1. Q1 将来、株やETFも買いたい?

    買いたい、または迷っているなら、証券会社にしぼります。投資信託の積み立てだけでいいなら、銀行も候補に残ります。

  2. Q2 買いたい商品は、もう決まっている?

    決まっているなら、それを扱っているところだけを候補にします。まだなら、つみたて投資枠の商品をどれくらい扱っているかを見ます。

  3. Q3 毎月いくらから、どの間隔で積み立てたい?

    いちばん少ない金額や、買う間隔(頻度)は、開く先によってちがいます。月3,000円のように少しから始めたいなら、その金額で積み立てられるかを見ます。

  4. Q4 どこからお金を引き落としたい?

    給料が入る口座から、自動で引き落とせるかを見ます。毎月お金を移す手間がないほど、続けやすくなります。

  5. Q5 窓口で相談したい? スマホで済ませたい?

    J-FLECの資料も、ちがう点として「対面かネットか」を挙げています。話しながら決めたいなら店舗のあるところ、自分で決められるならネットで完結するところ。

Q1からQ4までは、各社のサイトの「NISA」のページや、手数料の表に書いてあります。気になるところを2〜3か所だけ選んで、同じ項目を並べてみてください。

申し込む前に、当てはまるものをタップ

当てはまったのは 0 / 5個

06あとから変えるなら、「その年に1回も買う前」が条件

ひとことで届け出の期限は9月30日。届け出る前に、その年の分を今の口座で買っていたら、その年は変えられない。

使ってみて合わなかったら、開く先は変えられます。ただし条件があります。変更の届け出を出す前に、その年の分を今の口座で買っていると、その年の分は変えられません。

2027年の分から変えたい場合の流れ

  1. 2026年10月1日〜

    今の口座のところに届け出る

    「金融商品取引業者等変更届出書」を出すと、「勘定廃止通知書」がもらえます。2027年の分を変える届け出は、ここから出せます。年が明けてから出すなら、その前に今の口座で2027年の分を買っていないことが条件です。

  2. 届け出たら

    積み立てを止める・切り替える

    今の口座の積み立ては、止めるか、新しい先に切り替えます。今の口座でいつまで買えるかは、今のところに確かめてください。

  3. もらったら

    新しい先に申し込む

    もらった「勘定廃止通知書」を、申し込みの書類といっしょに出します。

  4. 2027年9月30日

    2027年の分を変える期限

    その年の分を変える届け出は、前の年の10月1日から、その年の9月30日まで。これを過ぎると、変えられるのは次の年からです。

気をつけて

前に買ったものは、前の口座に残る

開く先を変えても、それまでに買ったものは前のところに残ります。持ち続ければ非課税のままです。売った場合は、買ったときの金額(売った金額ではない)のぶん、生涯の枠が次の年から空きます。ただ、使えるのは変えたあとの口座だけ。1年に使える枠(年間投資枠)が増えるわけでもありません。

つまり、変えるたびに置き場所が増えていきます。何度も変えるより、最初に5つの質問で選んでおくほうが、あとが楽です。

メモ

2027年から、子どもも使えるように

2026年度の税制改正で、2027年1月から0〜17歳もつみたて投資枠を使えるようになります。枠は1年60万円、合わせて600万円まで。18歳になると、大人の枠に自動で移ります。お金を引き出せるのは、12歳以降に子どもが同意したときなどに限られます。金融庁のサイトによると、0〜17歳のNISA口座は開く先を変えられません。子どもの口座を開くときは、とくに慎重に選んでください。

07迷ったら、商品をすすめない無料の窓口へ

ひとことでJ-FLECの電話相談は、予約なし・名前を言わなくてもOK。

銀行や証券会社の窓口は、売る側でもあります。どこの味方でもない人に聞きたいなら、公的な無料の窓口があります。

  • J-FLECの電話相談:NISAのしくみや、家計の疑問に答えてくれる。1回30分まで、予約はいらない。平日10〜17時(受付は16時半まで)
  • J-FLECの無料体験の相談:会って話すか、オンラインで。1時間まで。予約がいる
  • 金融庁の金融サービス利用者相談室:お金のサービスで困ったときの窓口。平日10〜17時

J-FLECの相談では、個別の商品やサービスの提案・すすめはできない、と書かれています。「どこがいい?」の答えはもらえません。そのかわり、自分の条件で何を比べればいいかを、一緒に考えてもらえます。

お金の相談先のちがいや、話す前の準備は、無料のお金の相談の記事にまとめています。

08よくある質問

Q前に「つみたてNISA」の口座を作ったかも。新しく作れる?

A2023年に一般NISAかつみたてNISAの枠があった人は、もう今のNISA口座があります。2024年1月に、同じ口座に枠が自動で設定されているからです(一部例外あり)。別のところで使いたいなら、06の変える手続きをします。どこで作ったか忘れたときは、税務署に相談すると確かめられます。

Q引っ越しや結婚で、名前や住所が変わったら?

ANISA口座を開いているところに「非課税口座異動届出書」を出します。本人確認書類もいります。開く先を変えたことがあるなら、前のところにも全部出します。

Qランキングで1位の会社を選べばいい?

Aランキングは、作った人の基準で並んでいます。あなたに合うかは別の話です。この記事では、会社の名前はあえて出していません。05の5つの質問に、自分で答えてから比べるのがおすすめです。

Q口座を開いたら、すぐに買わないといけない?

Aいいえ。口座を開くだけなら、お金はかかりません。積み立てを始める月は、自分で決められます。月いくらにするかは、NISAの始め方の記事で計算できます。

今日の最初の一歩

候補を2か所選んで、「最低いくらから積み立てられるか」をメモする

気になる銀行や証券会社のサイトで、NISAのページを開いてみてください。見るのは、積み立ての最低金額と、給料の口座から引き落とせるかの2つだけ。スマホのメモに並べて書けば、5分で比べられます。

2026.10.15 公開 文・WE POP編集部

参考にした情報

制度や数字は記事の公開日(直した記事は更新日)時点の情報です。最新の情報は各公式サイトで確認してください。

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