目次
貯金はこれで足りてる? NISAは始めたほうがいい? 保険って入るべき? 誰かに聞きたいけど、まわりに詳しい人はいない。そんなとき目に入るのが「無料でお金の相談」の広告ですよね。行ってみたい気持ちと、何か売られそうでこわい気持ち。読み終わるころには、どこに相談すればいいか、何を持っていけばいいか、すすめられたらどう断ればいいかがわかります。
この記事でわかること
- 無料の相談で、何が聞けて、何が聞けないか
- 公的な窓口と、お店の無料相談のちがい
- お店の相談が無料でできる理由
- 行く前の準備と、すすめられたときの断り方
先に結論
- はじめての相談なら、商品をすすめない公的な窓口(J-FLECなど)から。電話なら予約もいらない
- 保険のお店が無料なのは、保険が売れると保険会社から手数料が入るから。悪いことではないが、知ってから行く
- 行く前に手取り・固定費・貯金額・聞きたいことをメモする。すすめられてもその場では決めない
01無料の相談で、何が聞けるの?
ひとことで家計・貯金・NISA・保険のしくみは聞ける。税金の計算や「どの銘柄を買うか」は聞けないことが多い。
お金の相談では、FP(ファイナンシャル・プランナー)が話を聞くことがよくあります。家計、貯金、保険、年金、税金、住宅ローンなど、お金のことを広く学んだ人のことです。
日本FP協会の無料電話相談では、たとえばこんなことが聞けます。
- 家計の管理のしかた、貯金をどう回すか
- 住宅を買うときのお金の計画、住宅ローンの使い方
- 死亡や病気への備え方、保険のしくみ
- 資産運用の基本、金融商品の特徴と選ぶときのポイント
- 税金や相続のしくみ
逆に、聞いても答えてもらえないことがあります。同じ電話相談の案内には、答えられないことも書かれています。「金融商品の紹介や提案」「個別の銘柄選び」「あなたの税金がいくらになるかの計算」です。
ポイント
聞けないのには理由がある
あなたの税金の計算は、税理士の仕事です(税理士法)。お金をもらって「この株を買うといい」と助言するには、国の登録が要ります(金融商品取引法)。だから、ほかの相談先でも答えてもらえないことがあります。そのときは「どこに聞けばいいですか?」と聞けばOKです。
02相談先はどこがある?
ひとことで大きく分けて、公的な窓口と、お店の無料相談の2つ。
公的な窓口・FPの団体はじめてなら
いいところ
- 商品をすすめられない
- J-FLECの電話は予約なし・名前を言わずに聞ける
- 「何から考えればいい?」というぼんやりした悩みでもOK
気をつけること
- 電話は1回30分くらいまで
- 曜日や時間が決まっていて、つながりにくい日もある
- 保険や口座の手続きまではしてくれない
保険のお店などの無料相談
いいところ
- お店によっては、土日や夜も相談できる
- 保険を比べて、その場で手続きまでできる
- 何回でも相談に乗ってもらえることがある
気をつけること
- 保険などの商品をすすめられることがある
- 扱っている保険会社の中からしか選べない
- 相談のあとに、電話や連絡が来ることがある
どちらがいい・悪いではありません。「何を決めたいか」で選びます。まだ何も決まっていないなら公的な窓口、保険を見直すと決めているならお店、という分け方がおすすめです。
無料で使える公的な窓口・団体の相談
電話から始めて、足りなければ会って話す
J-FLECの電話相談(予約なし・名前を言わなくてOK)
J-FLEC(金融経済教育推進機構)は、お金の教育をするために法律でつくられた、金融庁が見ている機関です。電話は0120-55-1209。平日の10〜17時で、受付は16時半まで。1回30分までです。個別の商品をすすめることはできない、と決められています。
日本FP協会の電話相談
FPの団体の無料電話です。0120-211-748、月・火・木の12〜17時(受付は16時半まで)。原則1人30分、1回です。
会って話したいなら、無料の面談
J-FLECは、最大1時間の無料体験を受け付けています(予約制・1人1回)。会って話せるのは東京・日本橋の事務所だけで、ほかの地域ならオンラインです。日本FP協会も、東京など全国8か所に「くらしとお金のFP相談室」を置いていて、予約すれば無料で話せます。
ポイント
10〜11月は、全国で無料の相談会がある
日本FP協会は、毎年11月の第1土曜日を「FPの日」にしています。2026年は10月1日〜11月30日に、47都道府県で無料のセミナーと相談会が開かれます。近くの会場を探してみてください。
03お店の相談は、なぜ無料なの?
ひとことで保険が売れると、保険会社からお店に手数料が入るしくみだから。
ここがいちばん知っておいてほしいところです。保険のお店の多くは「保険代理店」。保険会社の代わりに、保険を売るお店です。
ことば保険代理店
保険会社から頼まれて、保険の契約を取りつぐお店や会社。契約が決まると、保険会社から手数料を受け取るしくみです。いくつもの保険会社の商品を扱うお店を「乗合代理店」と呼びます。
つまり、相談料はあなたからもらわないかわりに、保険が売れたときに保険会社からお金が入ります。お店にとって、相談は保険を売るための入り口なんです。
これ自体は、ずるいことではありません。保険を見直したい人にとっては、比べて手続きまでしてもらえる便利な場所です。ただ、相手には「売れたほうがうれしい」事情がある。それを知ったうえで話を聞けば、落ち着いて選べます。
メモ
国も「手数料で選ばないで」という点を見ている
金融庁には、保険会社などに向けた指針(監督指針)があります。いくつもの保険会社の商品を扱うお店(乗合代理店)について、こう書いています。保険をすすめるときは、すすめる理由をわかりやすく説明すること。お店がもらう手数料の高い商品に誘導しないよう気をつけることも書かれています。2028年3月からは、国のルールがさらに細かくなります。
なので、すすめられたら「なぜこの保険なんですか?」と聞いて大丈夫です。理由をちゃんと答えてくれるかどうかで、信頼できるお店かも見えてきます。
04有料のFP相談は、いくらかかる?
ひとことで料金はFPごとにちがう。J-FLECのクーポンを使うと、はじめての1回は最大8割引。
商品を売らないFPに、相談料を払って話を聞くやり方もあります。料金はFPがそれぞれ決めていて、「1時間いくら」の形が多いです。申し込む前に、必ず金額を確かめてください。
はじめてなら、J-FLECの「はじめてのマネープラン」割引クーポンが使えます。J-FLECが認めたアドバイザー(J-FLEC認定アドバイザー)のうち、クーポンに登録している人が相手です。有料で相談するとき、相談料の8割を出してくれます。上限は1時間8,000円、3時間で24,000円までです。
1,000円
1時間5,000円の相談を1時間受けたときの自分の負担
2,800円
1時間7,000円の相談を2時間受けたときの自分の負担
9,000円
1時間11,000円の相談を3時間受けたときの自分の負担
計算は、1時間の料金×0.8が割引(上限8,000円)。残りが自分で払う額です。1時間5,000円なら、割引が4,000円で、払うのは1,000円ですね。
410人
クーポンが使える認定アドバイザー(2026年6月末。認定アドバイザーは全部で1,335人)
3,000人分
2026年度に配る予定の割引クーポン
気をつけて
クーポンは、先に申し込んでから予約する
使えるのは、認定アドバイザーの有料の相談をはじめて使う人で、1人1回(合計3時間まで)。まず、J-FLECのサイトでクーポンが使えるアドバイザーを探します。そのアドバイザーに「クーポンを使いたい」と連絡して、OKをもらってから、J-FLECに申し込みます。本人確認の書類が要り、使えるようになるまで1〜2週間かかることがあります。クーポンは出てから6か月で使えなくなります。面談の日は、J-FLECから「使えます」というメールが来てから決めましょう。
05行く前に、何を用意する?
ひとことで手取り・固定費・貯金額・聞きたいこと。この4つがあれば話が早い。
日本FP協会も、相談の前に家計の様子がわかるものを用意するよう案内しています。家計簿、収入と支出、貯金、ローン、保険証券などです。全部そろえなくてOK。まずはスマホのメモに、次のことを書き出してみてください。
書き出せたものをタップしてみてください
当てはまったのは 0 / 6個
手取りから何にいくら使うかの目安は、手取り22万円の分け方の記事に書いています。先に読んでおくと、聞きたいことがはっきりします。
ポイント
「聞きたいこと」は、文にしておく
「お金が不安」だけだと、話が広がって時間が足りなくなります。「貯金100万円のうち、いくらまでならNISAに回していい?」のように、自分の数字を入れて1文にしておくと、答えが具体的になります。
06当日は、どう進めればいい?
ひとことで最初に3つ確かめて、最後は「持ち帰ります」で終える。
最初に、相談料を確かめる
「今日の相談は、最後まで無料ですか?」と聞きます。有料の相談なら、何時間でいくらかも確かめます。
相手の立場を聞く
「保険(や投資の商品)を扱っていますか? 何社の商品を扱っていますか?」と聞きます。売る立場の人かどうかがわかると、話の聞き方が決まります。
メモを見せて、聞きたいことを先に言う
用意したメモを見せて、「今日はこれを聞きたいです」と最初に伝えます。話がそれたら、メモに戻りましょう。
すすめられたら、理由を聞く
「なぜこれがいいんですか?」「ほかの選び方と比べて、何がちがいますか?」と聞きます。答えは、スマホにメモしておきましょう。
その場では申し込まない
「家で考えてから決めます」と言って、資料だけもらって帰ります。一晩おくと、本当に必要かが見えてきます。
気をつけて
お店に行って申し込むと、クーリング・オフが使えないことも
保険には、取り消せる「クーリング・オフ」があります(保険業法)。期限は、申し込んだ日と、そのしくみを書いた書面を受け取った日の、遅いほうから8日以内。取り消すときは、書面か電子メールなどで出します。電話や口で言うだけでは取り消せません。でも、申し込むつもりで日にちを伝えてお店に行き、そこで申し込んだ場合などは、法律の対象から外れます。保険の期間が1年以下の契約も対象外です。「あとで取り消せばいい」と考えずに、持ち帰ってから決めてください。
07すすめられたら、どう断る?
ひとことで理由は短く、決めるのは自分。そのまま使える例文を置いておきます。
断るのは、失礼なことではありません。相手もそれを仕事として受け止めています。大事なのは、あいまいに答えないこと。「考えておきます」だけだと、あとで連絡が続きやすくなります。
- その場で決めたくないとき:「今日は話を聞くだけと決めて来ました。家で比べてから、自分から連絡します」
- ほかとも比べたいとき:「ほかの相談先の話も聞いてから決めたいので、今日は持ち帰ります」
- 今は入らないと決めたとき:「よく考えましたが、今回は申し込みません。ありがとうございました」
- 電話やメールを止めたいとき:「今後のご案内は不要です。連絡を止めてください」
- 家族を理由にしたいとき:「お金のことは家族と決めているので、今日は決められません」
断ったあとも話が続くときは、席を立ってかまいません。オンラインなら、通話を終えてかまいません。
気をつけて
困ったときの相談先
帰らせてもらえなかった、しつこく連絡が来る、という場合は、消費者ホットライン188(いやや)へ。近くの消費生活センターにつないでくれます。保険や投資の会社のことは、金融庁の「金融サービス利用者相談室」(0570-016811)でも話を聞いてもらえます。ほかの窓口の紹介や、問題の整理までで、お店との間に入って解決することはしません。
08よくある質問
Q貯金がほとんどなくても、相談していい?
Aいいんです。むしろ、貯金が少ないうちに「まず何から」を聞いておくと、あとが楽になります。いくら貯めればいいかの目安は、貯金はいくらあれば安心かの記事にまとめています。
QNISAで何を買えばいいか、教えてもらえる?
A公的な窓口では、個別の商品はすすめてもらえません。かわりに、商品の選び方の考え方や、NISAのしくみは聞けます。始め方は、新NISAを月1万円から始める記事で書いています。
Q無料の相談に行ったら、必ず保険に入らないといけない?
Aいいえ。入るかどうかを決めるのは、あなたです。話を聞くだけで帰っても問題ありません。
Q相談で話したことは、ほかの人に伝わらない?
A日本FP協会は、CFPやAFPの資格を持つ会員のFPには、仕事で知った秘密を守る協会の決まりがあると案内しています。ただ、これは協会の決まりで、ほかのFPやお店すべてに当てはまるわけではありません。心配なら、最初に「話した内容は何に使いますか?」と聞いておくと安心です。
今日の最初の一歩
スマホのメモに「手取り」と「聞きたいこと」を1行ずつ書く
給与明細アプリを開いて手取りを写し、その下に「いちばん聞きたいこと」を1文で書くだけ。5分で終わります。書けたら、平日の昼休みにJ-FLECの電話相談(0120-55-1209)にかけてみてください。
2026.10.07 公開 文・WE POP編集部
参考にした情報
- 金融経済教育推進機構(J-FLEC)「専門家に相談したい」(J-FLECはじめてのマネープラン:電話相談・無料体験・割引クーポン)
- J-FLEC「はじマネクーポン」チラシ(認定アドバイザーの説明、個別相談で商品の推奨・販売はしない)
- J-FLEC「事業の状況(2026年6月末時点)」(認定アドバイザー1,335名、クーポン対象410名、無料体験・クーポンの実績)
- 日本FP協会「FP無料体験相談(電話)」
- 日本FP協会「FP無料体験相談(対面)」くらしとお金のFP相談室
- 日本FP協会「料金体系について」
- 日本FP協会「FP相談に関するQ&A」(守秘義務、相談前に準備するもの)
- 日本FP協会「FP業務に関連する法令などについて」(税理士法・金融商品取引法など)
- 日本FP協会 ニュースリリース「11月第1土曜日は『FPの日』」(2026年9月3日)
- 金融庁「令和7年保険業法改正に係る内閣府令等及び『保険会社向けの総合的な監督指針』等の一部改正(案)に対するパブリックコメントの結果等の公表について」(2026年8月28日、2028年3月1日適用)
- 金融庁「保険会社向けの総合的な監督指針」新旧対照表(乗合代理店の比較推奨販売、推奨理由の説明・手数料水準による誘導の禁止)
- e-Gov法令検索「保険業法」第309条(保険契約の申込みの撤回等)
- e-Gov法令検索「保険業法施行令」第45条(申込みの撤回等ができない場合)
- 消費者庁「消費者ホットライン」188
- 金融庁「金融サービス利用者相談室」
制度や数字は記事の公開日(直した記事は更新日)時点の情報です。最新の情報は各公式サイトで確認してください。