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給料日のあと、SNSを開くと「NISA始めた」という投稿が流れてくる。気になるけど、投資はしたことがないし、損したらこわい。そもそも、何から始めればいいのかもわからない。そんな人に向けて書きました。始めるかどうかは、あとで決めればOKです。読み終わるころには、月1万円で始める前に知っておきたいことと、最初の一歩がわかります。
この記事でわかること
- NISAを使うと、なにがどれだけおトクになるか
- 2つの枠のちがいと、月1万円ならどちらを使うか
- 損をすることはあるのか。始める前に確かめたいこと
- 口座を開いて、積み立てを始めるまでの流れ
先に結論
- NISAは、投資で増えたぶんに税金がかからない口座。ふつうは約20%かかる
- 月1万円ならつみたて投資枠で足りる。1年で使うのは、枠の1割
- 元本割れすることはある。生活費や近いうちに使うお金は回さない
01NISAって、なにがおトクなの?
ひとことで投資で増えたぶんに、税金がかからない口座です。
投資信託や株を買って、値上がりしたところで売ると、利益が出ます。ふつうの口座だと、この利益に税金がかかります。
20.315%
だいたい20%です。たとえば1万円の利益が出たら、約2,000円が税金になります。NISA口座なら、この税金が0円。1万円がまるごと手元に残ります。
ことばNISA
利益に税金がかからない、国の制度。正式な名前は「少額投資非課税制度」です。銀行や証券会社などで、ふつうの口座とは別に「NISA口座」を作って使います。
今のNISAは、2024年に始まりました。税金がかからないまま持っていられる期間は無期限。制度そのものにも、終わりの期限はありません。
始める人も増えています。金融庁の調べでは、NISA口座は全部で約3,048万。そのうち20代は約377万です。
3,048万
NISA口座の数(全体)
377万
そのうち20代の口座
20代の口座は、2025年12月末からの半年で約40万増えました。まわりで始める人が増えたと感じるのは、気のせいではありません。でも、みんながやっているから、で始めるのはおすすめしません。
02枠はいくら? 月1万円で足りる?
ひとことで1年で360万円、一生で1,800万円まで。月1万円なら、上限は気にしなくてOK。
NISAには、2種類の上限があります。1年に入れられる上限と、一生で使える上限です。
120万円
つみたて投資枠(1年)
240万円
成長投資枠(1年)
1,800万円
一生で使える枠(うち成長投資枠は1,200万円まで)
2つの枠は、同じ口座でいっしょに使えます。合わせると、1年で360万円まで。一生では1,800万円までです。
月1万円なら、1年で12万円。つみたて投資枠の1割です。このペースだと、1,800万円に届くまで150年かかります。つまり、月1万円なら、上限はほぼ気にしなくて大丈夫です。
- 持っていられる期間:無期限。何年持っていても、利益に税金はかからない
- 売ったとき:買ったときの金額のぶん、次の年に枠が戻る(1年の上限が増えるわけではない)
- 使える人:日本に住む18歳以上(口座を作る年の1月1日の時点)。口座は1人1つだけ
- 金融機関:1年ごとに変えられる。ただし、その年にもう買っていたら、変えられるのは次の年の分から
メモ
2027年からは、0〜17歳も使えるように
2026年3月に法律が成立し、2027年1月から、0〜17歳もつみたて投資枠を使えるようになります。枠は1年60万円、合わせて600万円まで。18歳以上の枠の金額は、今と変わりません。
03つみたて投資枠と成長投資枠、どっちを使う?
ひとことで月1万円の積み立てなら、つみたて投資枠で足りる。
2つの枠のちがいは、買えるものと、買い方です。並べてみると、こうなります。
つみたて投資枠はじめてなら
いいところ
- 国(金融庁)の基準に合う投資信託などだけが買える
- 投資信託(ETFを除く)は、買うときの手数料がゼロのものだけ
- 毎月など決まった間隔で、自動で買っていける
気をつけること
- 株は買えない。選べる商品は少なめ
- 好きなときに1回だけ買う、はできない
- 持っている間の費用(信託報酬)はかかる
成長投資枠
いいところ
- 株や投資信託など、選べるはばが広い
- 好きなときに、まとめて買える
- 積み立てにも使える
気をつけること
- 商品が多く、選ぶのに迷いやすい
- 値動きの大きいものも買える
- 一生で使えるのは1,200万円まで
2つの枠は、同じ金融機関でいっしょに使えます。どちらか片方だけでもOKです。
WE POPのおすすめは、はじめての月1万円なら、つみたて投資枠から。国の基準で商品がしぼられているので、選ぶときに迷いにくいからです。
ことば投資信託
たくさんの人から集めたお金を、運用会社がまとめて運用する商品。中には、たくさんの株や債券(国や会社がお金を借りるために出すもの)などが入っています。
ことばインデックス型
株価指数のような、市場の動きを表す数字(インデックス)と同じように動くことをめざす投資信託。指数を上回ることをめざすものは「アクティブ型」と呼ばれます。金融庁の資料では、インデックス型のほうが費用は低めとされています。
メモ
商品の名前は、あえて出しません
この記事は、特定の商品をすすめるものではありません。つみたて投資枠でどんな商品が買えるかは、金融庁のサイトに一覧があります。選ぶときは、説明書(目論見書)で中身と費用を確かめてください。
04損することはある?
ひとことである。入れたお金より減ることもある。
いちばん気になるのは、ここですよね。投資信託の値段は、毎日変わります。上がる日もあれば、下がる日もある。金融庁も、投資には元本割れのおそれがある、と書いています。
毎月同じ額を買う積み立てでも、値下がりが続けば損をします。金融庁の資料には、5年くらいの短い期間だと、始めた時期によっては元本割れになることもある、とあります。
気をつけて
始める前に、この3つは知っておいて
1つめ、元本割れすることがあります。入れたお金(元本)より減ることがある、ということです。2つめ、NISAで出た損は、税金の計算では「なかったもの」になります。ほかの口座の利益と差し引きする(損益通算)ことも、次の年に繰り越すこともできません。3つめ、生活費や近いうちに使うお金は、投資に回さないでください。
では、どのお金なら投資に回していい? J-FLEC(金融経済教育推進機構)の資料では、お金を3つに分けて考えます(下の例は、WE POPが足したものです)。
- 毎日の生活に使うお金:家賃、食費、スマホ代など
- 近いうちに使う予定のお金:旅行、引っ越し、車など
- 当面使う予定のないお金:投資に回すのは、ここから
長く・コツコツ・いろいろなものに分けて投資する。金融庁は、こうすると値動きによるリスクをできるだけ小さくできる、と説明しています。ただ、ゼロにはなりません。だから、なくても生活に困らない金額で始めることが前提です。
05月1万円だと、将来いくらになる?
ひとことで決まった答えはない。国の計算ツールで、自分で試せる。
入れたお金(元本)だけなら、計算は簡単です。月1万円なら、10年で120万円、20年で240万円。ここに、運用で増えたり減ったりしたぶんが加わります。
この「増えたり減ったり」は、前もってはわかりません。なのでWE POPでは、「◯年で◯万円になる」とは書きません。かわりに、金融庁の「つみたてシミュレーター」で、自分で試してみてください。
- 毎月の積立金額:1(万円)と入れる
- 想定利回り(年率):1年でどれくらい増えるかの、仮の数字。小さい数字から、何通りか入れてみる
- 積立期間:続けたい年数を入れる
「計算する」を押すと、将来の金額の目安が出ます。利回りを少し変えるだけで、結果はかなり変わります。そのちがいを見ておくのが、いちばんの使いみちです。
メモ
シミュレーションは、約束ではありません
この計算で先のことがわかるわけでも、約束されるわけでもない、と金融庁も書いています。実際には、値下がりする年もあります。出てきた数字は、ひとつの目安として見てください。
06始める準備はできてる?
ひとことで先に、もしものときのお金。投資はそのあと。
NISAは、急いで始めるものではありません。始める前に、次の6つを確かめておきましょう。
当てはまるものをタップしてみてください
当てはまったのは 0 / 6個
生活費の何か月分あれば安心かは、人によってちがいます。WE POPでは、まず3か月分を目安にしています。自分の手取りがよくわからないときは、給与明細の見方から確かめられます。毎月いくら回せそうかは、手取り22万円の配分例が参考になります。
気をつけて
借金があるなら、返すのが先
J-FLECの資料にも「投資は借金をして行うものではありません」とあります。利息の高い借金があるなら、投資より先に返すほうがいい、とWE POPは考えています。返済が苦しいときは、金融庁の「多重債務についての相談窓口」へ。全国の財務局などの窓口がまとまっています。
07口座を開いてから、どう始める?
ひとことで金融機関を1つ選んで、申し込んで、積み立てを設定する。
始めるまでの流れは、5ステップです。商品を選ぶのは4つめ。それまでは手続きだけです。
金融機関を1つ選ぶ
NISA口座は、銀行や証券会社などで作れます。金融庁の資料が挙げる比べどころは、どんな商品があるか、手数料、どの口座から引き落とせるか。積み立てが最低いくらから、どんな間隔でできるかも見ておきましょう。
本人確認書類とマイナンバーを用意して、申し込む
マイナンバーカードなどを見せて、名前、生年月日、住所、マイナンバーを伝えます。口座は1人1つなので、2か所に申し込まないようにしましょう。
口座ができるのを待つ
申し込むと、ほかでNISA口座を作っていないかを、税務署が確かめます。確認を待たずに使えるところなら、最短で申し込んだその日から買えます。何日かかるかは、金融機関によってちがいます。
商品と金額を決めて、積み立てを設定する
つみたて投資枠なら、買う商品、毎月の金額、お金を引き落とす口座を決めます。月1万円なら「毎月1万円」です。商品は、説明書で中身と費用を見てから選んでください。
あとは続けて、年に1回だけ見直す
値段は毎日変わりますが、毎日見なくて大丈夫です。WE POPのおすすめは、年に1回、金額が今の暮らしに合っているかを見直すこと。お金が必要になったら、途中で売ることもできます。
08よくある質問
Q途中でお金を引き出せる?
Aできます。NISAは、いつ売ってもかまいません。売ったぶんの枠は、買ったときの金額で、次の年に戻ります。積み立ての金額を変えたり止めたりするやり方は、金融機関ごとに決まっています。
Q値下がりしたら、売ったほうがいい?
Aあわてて売らないのが、WE POPのおすすめです。金融庁の資料でも、積み立てはできるだけ長く続けると成果につながりやすい、とされています。ただ、近いうちにお金が必要になったなら、売るのもひとつの手です。
Qどこの銀行や証券会社がいい?
Aこの記事では、名前はあげません。比べるところは、07の1つめに書いたとおりです。口座は1人1つなので、決めたら1か所に申し込みます。
Qだれかに相談したいときは?
AJ-FLECには、無料の電話相談があります。予約はいらず、名前を言わなくてもOK。平日の10〜17時です(受付は16時半まで)。お金の教育をする公的な機関なので、特定の商品をすすめられることはありません。「これって詐欺かも」と思ったときの相談先も、教えてもらえます。
今日の最初の一歩
金融庁の「つみたてシミュレーター」で、月1万円を試してみる
積み立ての金額に1万円、期間に20年を入れて、利回りの数字だけを何通りか変えてみてください。結果がどれだけ変わるかを見ると、「増えることもあれば、そうでないこともある」の意味がつかめます。5分で終わります。
2026.10.03 公開 文・WE POP編集部
参考にした情報
- 金融庁 NISA特設ウェブサイト「NISAとは?」
- 金融庁 NISA特設ウェブサイト「よくある質問」(枠の再利用、金融機関の変更)
- 金融庁「NISAを利用する皆さまへ」(令和6年6月、令和7年9月改訂)
- 金融庁「NISA早わかりガイドブック」(口座開設の流れ、長期・積立・分散)
- 金融庁 NISA特設ウェブサイト「資産形成の基本」
- 金融庁 NISA特設ウェブサイト「つみたてシミュレーター」
- 金融庁「つみたて投資枠対象商品」
- 金融庁「NISA口座の利用状況に関する調査結果(令和8年6月末時点)の公表について」(令和8年10月2日)
- 金融庁「NISA口座の利用状況に関する調査結果(令和7年12月末時点)の公表について」(令和8年7月3日)
- 国税庁「No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」
- 国税庁「No.1330 配当金を受け取ったとき(配当所得)」
- 国税庁「新NISAのあらまし(令和5年11月)」(対象年齢、損失の扱い、口座開設の手続)
- 国税庁「NISA口座の新規開設又は変更に関する手続等について」
- 金融庁「令和8(2026)年度税制改正について -税制改正大綱における金融庁関係の主要項目-」(2025年12月)
- 財務省「『所得税法等の一部を改正する法律案』について」(令和8年2月)
- 衆議院「所得税法等の一部を改正する法律案」審議経過(令和8年3月31日成立・公布、法律第12号)
- 財務省「NISAのつみたて投資枠の拡充(令和8年度改正)」
- 金融経済教育推進機構(J-FLEC)「専門家に相談したい」(J-FLECはじめてのマネープラン)
- 金融経済教育推進機構(J-FLEC)標準講義資料(若手層社会人向け・重点テーマ:資産形成)
- 金融経済教育推進機構(J-FLEC)公式サイト
- 金融庁「多重債務についての相談窓口」
制度や数字は記事の公開日(直した記事は更新日)時点の情報です。最新の情報は各公式サイトで確認してください。