お金

目次
  1. まずは、明細を3つに分けて見てみよう
  2. 引かれているのは、なんのお金?
  3. 保険料は、どうやって決まる?
  4. 所得税と住民税は、なにがちがう?
  5. 額面24万円だと、手取りはいくら?
  6. 2年目の6月に手取りが減るのは、なぜ?
  7. 毎月の明細で、ここだけは見ておこう
  8. よくある質問

はじめての給料日。明細を開いたら、思っていたより少なくて手が止まった。2年目の6月、何も変わっていないのに、手取りがまた減っていた。そんな人に向けて書きました。引かれているお金には、ひとつずつ名前とわけがあります。読み終わるころには、自分の明細のどこを見ればいいかがわかります。

この記事でわかること

  • 明細の3つのかたまりと、まず見るところ
  • 引かれている保険料と税金は、なんのお金か
  • 額面24万円だと、手取りはいくらになるか
  • 2年目の6月に手取りが減るわけと、明細で見ておきたいところ

先に結論

  • 引かれているのは、おもに保険料と税金。どちらも法律で決まっている
  • 額面24万円の例では、手取りは約19.1万円。8割くらいが残る
  • 2年目の6月に減るのは、住民税が引かれはじめるから。ミスではない

メモ

時間がない人へ

05の計算例だけでも、見てみてください。24万円からなにがいくら引かれるかがわかると、あなたの明細もぐっと読みやすくなります。

01まずは、明細を3つに分けて見てみよう

ひとことで見るのは「勤怠」「支給」「控除」の3つのかたまり。

見た目は会社ごとにちがっても、中身はだいたい3つのかたまりでできています。

  • 勤怠(きんたい)…どれだけ働いたかの記録。出勤した日の数、残業した時間、有給の残りなど
  • 支給…もらえるお金。基本給や残業代、交通費など。全部足したものが額面
  • 控除(こうじょ)…引かれるお金。保険料や税金など。額面からこれを引いた残りが手取り

下から順に、この4つをチェック

  1. いちばん下の「差引支給額」を見る

    口座に入るお金、つまり手取りです。アプリや通帳で、入ったお金と同じかチェックしましょう。

  2. 「総支給額」を見る

    引かれる前のお金で、これが額面です。

  3. 「控除合計」を見る

    引かれたお金を全部足したもの。額面からこれを引くと、手取りになります。

  4. 「勤怠」の残業時間を、メモと比べる

    残業代は、この時間で決まります。ずれていたら、給料もずれてしまいます。

これだけで、「どこになにが書いてあるか」がわかります。紙でもアプリでも、見るところは同じです。

02引かれているのは、なんのお金?

ひとことでざっくり言うと、「保険料」と「税金」の2つ。

控除にならんでいる名前は、2つに分けられます。困ったときに助けてもらうための社会保険料と、国や住んでいる地域に納める税金です。

  • 健康保険…病院で払うお金が、かかった額の3割ですむのはこれのおかげ
  • 厚生年金…年を取ってからもらう年金のもと。病気やけがで障害が残ったときにも、年金が出る
  • 雇用保険…仕事をなくしたときや、育休を取ったときなどに、お金が出る
  • 所得税…国に納める税金。その年の給料から、先に引かれる
  • 住民税…住んでいる地域に納める税金。前の年の収入で決まる

40歳になると、ここに介護保険が加わります。64歳までは、健康保険といっしょに引かれます。

ポイント

2026年4月分から「子ども・子育て支援金」も

健康保険料といっしょに、このお金も引かれるようになりました。こども家庭庁によると、5月の給料からです。率は0.23%で、半分は会社持ち。明細で分けて書くかは、会社によってちがいます。

03保険料は、どうやって決まる?

ひとことで給料をきりのいい額にして、料率をかける。会社もいっしょに払っている。

保険料は、給料そのままの額では決まりません。標準報酬月額という、きりのいい額に料率をかけて出します。ただし雇用保険だけは別で、その月の額面に率をかけます。残業が多い月は、少し増えます。

ことば標準報酬月額

給料を、きりのいい額に当てはめたもの。たとえば23万円以上、25万円より少なければ、24万円として計算します。残業代や交通費も、ここに含みます。服のSやMのように、「この幅ならこの額」というイメージです。

18.3%

厚生年金

9.85%

健康保険(東京都の協会けんぽ)

0.5%

雇用保険(あなたのぶん)

出典:日本年金機構「厚生年金保険の保険料」、協会けんぽ「令和8年度の保険料率」、厚生労働省「令和8年度の雇用保険料率」(一般の事業)

厚生年金と健康保険(協会けんぽの場合)は、この率をあなたと会社で半分ずつ払います。明細にのっているのは、あなたのぶんだけ。会社も、同じくらいの額を払っているんです。むずかしく見えますが、やっていることは「きりのいい額 × 率」のかけ算ひとつ。円にするといくらになるかは、05で見てみます。

健康保険の料率は、会社がどこにあるかでちがいます。協会けんぽなら、2026年度は9.21〜10.55%のあいだ。会社によっては、協会けんぽではなく、健康保険組合に入っています。そのときは、組合ごとにちがいます。

メモ

4〜6月の残業は、秋からの保険料に響く

保険料のもとになる額は、毎年4〜6月にもらった給料の平均で決めなおし、9月分から1年使います。この3か月に残業が多いと、保険料が上がることも。前の月のぶんを引くしくみなので、明細で変わるのは10月の給料からです。

04所得税と住民税は、なにがちがう?

ひとことで所得税は「いま」、住民税は「前の年」の収入で決まる。

税金は2つ。どちらも給料から引かれますが、決まり方がちがいます。ちょっとややこしいので、ひとつずつ見ていきます。

所得税は、会社が毎月先に引いて、あなたのかわりに国へ納めてくれています。これを源泉徴収といいます。

ことば源泉徴収

会社が給料から所得税を先に引いて、国に納めるしくみ。いくら引くかは国税庁の表で決まっていて、保険料を引いたあとの額と、扶養している家族の数で見ます。

月々の所得税は、1年分を見込んだ「仮の額」です。12月にまとめて出しなおして、引きすぎていたら戻ってきます。足りなければ、12月に追加で引かれます。これが年末調整です。

ポイント

2026年分は、年末調整で戻るお金が増える人も

2026年分から、所得税の基礎控除(税金を出すときに引ける額)が上がることになりました(2026年12月から実施)。でも、月々の金額は11月までこれまでどおり。12月の年末調整で、上がったぶんを入れて出しなおします。そのぶん、戻ってくるお金が増える人もいます。

住民税は、前の年の1〜12月の収入で決まります。それを12に分けて、6月から次の年の5月まで、給料から引いていきます。

税率は10%が基本で、いろいろな控除を引いたあとの所得にかかります。そこに、所得にかかわらず決まった額の「均等割」が足されます。標準は年4,000円で、住んでいる地域で少し変わります。さらに森林環境税の年1,000円も、いっしょに引かれます。

05額面24万円だと、手取りはいくら?

ひとことでこの例だと、手取りは約19.1万円。8割くらいが手元に残る。

数字で見てみましょう。こんな人で計算した、あくまでひとつの例です。数字がたくさん出てきますが、覚えなくてOK。流れだけつかんでください。

  • 東京都の会社(協会けんぽ)で働いて、東京都に住んでいる
  • 20代で、扶養している家族はいない
  • 給料は毎月24万円。交通費とボーナスはなし
  • 入社3年目。前の年も1年ずっと24万円だった
  • 2026年10月の給料(2026年度の料率)

24万円

額面

4.9万円

引かれるお金

19.1万円

手取り

出典:協会けんぽ東京支部「令和8年3月分からの保険料額表」、国税庁「源泉徴収税額表(令和8年分)」、厚生労働省「令和8年度の雇用保険料率」をもとに計算。住民税はおおよその金額
24万円から引かれるお金(1か月)
厚生年金21,960円
健康保険11,820円
住民税(めやす)9,000円
所得税4,480円
雇用保険1,200円
子育て支援金276円

出典:協会けんぽ東京支部の保険料額表(令和8年3月分から)、国税庁「源泉徴収税額表(令和8年分)」ほかから計算。住民税はおおよその金額

いちばん大きいのは厚生年金で、21,960円。ほかの保険料も足すと、35,256円になります。

所得税は、24万円から保険料を引いた204,744円で表を見ると、4,480円。住民税は、前の年の収入から出したおおよその額で、月9,000円くらいです。

全部で約4.9万円が引かれて、手取りは約19.1万円。この例では、額面の8割くらいが残りました。給料がちがえば、この割合も変わります。住民税がまだない1年目なら、約20万円です。思ったより少ないと感じるのは、あなただけではありません。

メモ

あなたの額は、明細で見てください

人によって、数字はかなりちがいます。保険料は給料や会社の場所で、住民税は前の年の収入などで変わるからです。40歳になると介護の保険料も加わって、この例なら月1,944円増えます。

手取りがわかったら、次は使いみちです。手取り22万円の配分の例も、よければのぞいてみてください。

062年目の6月に手取りが減るのは、なぜ?

ひとことで住民税が、2年目の6月から引かれはじめるから。

いちばん「えっ」となるのが、ここですよね。この税金は、前の年の収入で決まります。だから新卒の人には、1年おくれでやってくるんです。

住民税は、いつから?(4月に入社した人)

  1. 1年目

    まだないか、少しだけ

    前の年は、まだ学生。アルバイト代が少なければ、かからないか、少しですみます。引かれるのは、おもに保険料と所得税です。

  2. 2年目の6月

    住民税が引かれはじめる

    1年目の4〜12月の給料で決まった額を、6月から次の5月まで、12回に分けて引いていきます。この記事の例なら、月6,000円くらい(おおよそ)。

  3. 3年目の6月

    もう少し、増えることも

    こんどは、1年まるごと働いた収入で決まります。05の例は、この形です。

なので、2年目の6月に手取りが減るのは、珍しいことではありません。

気をつけて

6月に手取りが減っても、計算ミスではありません

5〜6月ごろ、会社から住民税の通知書が配られます。1年でいくらか、月にいくら引かれるかが書いてあるので、ちらっとでも見ておきましょう。お金の予定は、住民税を引いたあとの手取りで立てておくと安心です。

07毎月の明細で、ここだけは見ておこう

ひとことで残業の時間と手当は、自分でもチェックできる。

明細は、会社の人がつくるもの。間違いがゼロとはかぎりません。とくに気にしたいのが残業代です。法律では、1日8時間・週40時間をこえたぶんは、ふだんの時給の1.25倍からと決まっています。

毎月全部見なくていいので、次の6つだけ見ておくと安心です。

今月の明細で、確かめられたものをタップ

当てはまったのは 0 / 6個

おすすめは、明細を捨てずに取っておくこと。あとで残業代を確かめたいときの、いちばんの手がかりになります。

気をつけて

残業代が合わないと思ったら

まずはメモを残して、人事や総務の人に聞いてみましょう。それでも話が進まないときは、国の「総合労働相談コーナー」へ。お金はかからず、予約もいりません。くわしい出し方は、残業代の記事にまとめています。

08よくある質問

Q入社して最初の給料だけ、手取りが多かったのはなぜ?

A健康保険と厚生年金は、前の月のぶんをあとから引くからです。4月のぶんは、5月の給料から。なので、最初の給料ではまだ引かれていないことがあります。2回目からは、いつもどおり引かれます。

Q12月の明細で、所得税がマイナスになっていました

A多くは、年末調整で戻ってきたぶんです。月々の所得税は「仮の額」なので、12月にまとめて出しなおし、引きすぎたぶんを返してくれます(04)。

Q保険料って、払い損になりませんか?

A保険料は、困ったときのためのお金です。病院で払うのが3割ですむのも、育休中にお金が出るのも、この保険があるから。厚生年金は、年を取ってからだけでなく、障害が残ったときの年金にもなります。

Qふるさと納税をすると、明細は変わる?

A変わるのは、次の年の住民税です。寄付した額から2,000円を引いたぶんだけ、上限までなら税金が減るしくみ。会社員なら、6月からの住民税が少なくなります。確定申告をした人は、一部が所得税の還付として口座に戻るので、その分は明細には出ません。くわしくはふるさと納税の記事で。

今日の最初の一歩

今月の明細で、引かれているお金の名前を探してみる

02で見た名前を、控除の欄から探します。見つけたら、額面から控除の合計を引いて、手取りと同じになるか電卓で確かめてみてください。5分で終わります。ぴったり合えば、もう明細は読めています。

2026.10.03 公開 文・WE POP編集部

参考にした情報

制度や数字は記事の公開日(直した記事は更新日)時点の情報です。最新の情報は各公式サイトで確認してください。

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