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目次
給料日に明細を見て、もう少し余裕がほしいなと思う。SNSを開けば「副業で月5万円」の文字。気にはなるけど、会社にダメと言われない? 何から始めればいい? 税金は? そんな人に向けて書きました。読み終わるころには、始める前にやることと、その順番がわかります。
この記事でわかること
- 副業をしている人・したい人は、どれくらいいるか
- 会社員が副業をしていいのか(国と会社のルール)
- 雇われる副業と、自分で仕事を受ける副業のちがい
- 始める前にやる5つのことと、気をつけたい勧誘
先に結論
- 国の考えでは、副業は「原則OK」。でも、まず見るのはあなたの会社のルール
- 副業は雇われるか、自分で仕事を受けるかの2つ。雇われるなら、本業と働く時間を合わせて数える
- 準備はルールを見る→届け出る→時間を決める→記録→税金の順。「簡単に稼げる」話は、まず疑う
01副業をしている人、したい人はどれくらい?
ひとことで正社員で副業をしている人は2.5%。したい人の割合は、その約3倍。
まずは数字から。国(総務省)が5年に1度行う調査では、2022年に副業をしていた人は305万人でした。
305万人
正社員にしぼると、副業をしている人は2.5%。40人に1人です。ところが、「したい」人は7.7%いました。
2.5%
正社員で、副業をしている人
7.7%
正社員で、副業をしたい人
割合で見ると、したい人は、している人の約3倍です。気になっている人は、思っているよりずっと多いんです。迷っているのは、あなただけじゃありません。
02会社員が副業をしても、いいの?
ひとことで国の考えは「原則OK」。でも、先に見るのは自分の会社のルール。
国(厚生労働省)には「副業・兼業の促進に関するガイドライン」があります。その中で会社に向けて、原則として副業を認める方向がいい、と書いています。働く時間の外をどう使うかは、基本的に働く人の自由だからです。
ことばモデル就業規則
就業規則は、給料や休み、働き方のルールを会社がまとめたもの。そのお手本として国が作ったのが、モデル就業規則です。2025年12月版には、勤務時間外なら、ほかの会社などの仕事をしてよいと書かれています。そのうえで、会社に届け出る形です。
ただし、会社が副業を止めたり、制限したりできる場合もあります。お手本に書かれているのは、次の4つです。
- 本業の仕事がおろそかになる(働きすぎて休めない、など)
- 会社の秘密がもれる
- 会社の名前や信用を傷つける、信頼関係をこわす
- 会社とライバルになる仕事をして、会社が損をする(競業)
メモ
お手本と、あなたの会社のルールはちがうことも
モデル就業規則は、国が示した「例」です。実際のルールは、会社ごとに決まっています。許可がいる会社も、禁止している会社もあります。だから、まず見るのは、あなたの会社の就業規則です。
会社に相談したり、届け出たりしたことを理由に、不利なあつかいをしてはいけない。これもガイドラインに書かれています。聞くだけなら、怖がらなくてOKです。
03副業には、どんな形がある?
ひとことで会社に雇われて働くか、自分で仕事を受けるか。大きく2つ。
副業は、働き方で大きく2つに分かれます。アルバイトのように会社に雇われる副業と、会社などから仕事を受けたり(業務委託)、物を売ったりする副業です。並べてみると、ちがいがよくわかります。
雇われる副業アルバイトなど
いいところ
- 働いた時間の分だけ、給料がもらえる
- 時給の最低ラインや、仕事中のけがへの補償がある
- やる仕事が決まっていて、始めやすい
気をつけること
- 本業と働く時間を合わせて数える
- 副業先で働く時間を、本業の会社に伝えることになる
- シフトがあると、本業の残業と重なったときに大変
自分で仕事を受ける副業業務委託・販売など
いいところ
- いつ、どこでやるかを自分で決めやすい
- 得意なことや好きなことを、仕事にしやすい
- 働く時間を、本業と合わせて数えるルールはない
気をつけること
- 時給の最低ラインのような決まりはない。かけた時間に見合うとは限らない
- 仕事の条件やお金の受け取りを、自分で確かめる
- 収入と経費を記録して、税金も自分で計算する
どちらの形でも、届け出がいるかどうかは、あなたの会社のルールしだいです。
ことば働く時間を合わせて数える(通算)
雇われる副業では、本業と副業で働いた時間を合わせて数えます(労働基準法第38条)。合わせて1日8時間・週40時間をこえた分は、残業のあつかいになります。
たとえば、本業で1日8時間働く人が、あとから決めたアルバイトで夜に2時間働いたとします。その2時間は残業のあつかいになり、副業先が残業代を払います。
ちなみに、この残業代のルールは、国の会議(審議会)で見直すかどうかが話し合われています。でも、2026年10月はじめの時点では、まだ変わっていません。
ポイント
仕事を受けるときは、条件を文字で残す
2024年11月から、フリーランスを守る法律(フリーランス法)が始まりました。仕事を頼む会社などは、仕事の中身や、いくらをいつ払うかなどを、紙やメールなどで示す決まりです。副業で仕事を受ける会社員も、対象になりえます。口約束だけで始めないでください。
04自分に向いているのは、どっち?
ひとことで決まった時間で働くか、得意なことで仕事を受けるか。
どちらが向いているかは、人によってちがいます。迷ったら、次のチェックをしてみてください。自分で仕事を受ける副業が合いそうかを見られます。
当てはまるものをタップしてみてください
当てはまったのは 0 / 6個
どちらを選ぶにしても、WE POPが大事にしてほしいと考えているものさしは、次の3つです。
- 本業に疲れを持ち込まない:眠る時間をけずらずに、続けられる量か
- 始めるのにお金がかからない:最初に高いお金がいる話は、いったん止まる
- 本業と同じ分野は、先に相談:競業として止められることがある
05「スマホで簡単に稼げる」って、本当?
ひとことで「簡単に稼げる」副業はない。国も、はっきりそう書いています。
副業を調べ始めると、SNSで「スマホで簡単」「1日10分」といった広告を見かけることがあります。こうした勧誘のトラブルには、国も、何度も注意を呼びかけています。
最近目立つのが、「すぐ返せるから」と言われて、お金を貸す会社(貸金業者)から次々に借りさせられるケースです。国民生活センターによると、20代以下の若い人からの相談が多いそうです。
257万円
2021年度は145万円だったので、4年で100万円以上増えました。借りたお金を返すのは、借りた本人です。消費者庁や国民生活センターが注意している手口には、たとえばこんなものがあります。
- 安いマニュアルを買ったあと、電話などで高い「サポートプラン」をすすめられる
- 最初は少しだけお金がもらえる。信用したころに「参加費」などと言われ、振り込まされる
- 「すぐ返せる」と言われ、いくつもの消費者金融から借りるよう指示される
- 画面共有のアプリを入れさせられ、相手の言うとおりにスマホを操作させられる
気をつけて
「簡単に稼げる」副業はありません
消費者庁の資料に、そのまま書かれている言葉です。始めるためにお金を払う、借りる、という話が出たら、そこで止まってください。やりとりのメッセージは、消さずに残しておきましょう。おかしいと思ったら、消費者ホットライン「188」へ。近くの消費生活センターにつながります。
06始める前に、何をすればいい?
ひとことでルールを見る→届け出る→時間を決める→記録する→税金の準備。
やることは5つです。上から順に進めれば、会社とも税金とも、もめずにすみます。
会社の就業規則で、副業のルールを見る
就業規則は、働く人が見られるようにしておくことが、法律で決まっています。作る義務があるのは、働く人が10人以上いる会社です。社内のサイトなどで「副業」「兼業(かけもち)」と探して、禁止か、許可がいるか、届け出ればいいかを確かめます。
会社の決まりにそって、届け出る
どんな仕事を、どれくらいの時間やるかを伝えます。雇われる副業なら、副業先の会社や働く時間も聞かれることがあります。書き方が決まっていなければ、国が出している届け出の例(様式例)を見てみてください。
副業に使える時間を決める
本業の残業も含めて、1週間に何時間なら続けられるかを考えます。雇われる副業なら、本業と合わせた時間で、残業かどうかが決まります。眠る時間はけずらない、がWE POPのおすすめです。
入ったお金と、使ったお金を記録する
お金が入った日と金額、仕事のために買ったもののレシートを、月ごとにまとめます。あとで税金を計算するときに、そのまま使えます。
税金の準備をする
副業で得た額によっては、確定申告がいります。目安は07の「税金」にまとめました。
メモ
黙って始めるより、届け出るほうが安心
会社に言わずに始めても、住民税の額などから気づかれることがあります。どんなときに知られるかは、副業が会社に知られるきっかけの記事で書いています。ルールにそって届け出ておけば、気にしなくてすみます。
07副業の税金は、どうなる?
ひとことで目安は、副業の所得が1年で20万円をこえるかどうか。
会社員の所得税は、ふつう会社が年末調整でまとめて計算してくれます。でも、副業で20万円をこえる所得があると、確定申告(1年分の税金を自分で計算して出すこと)がいります。
ことば所得
収入から、必要経費(仕事のために使ったお金)を引いた額。たとえば報酬が30万円で、経費が15万円なら、所得は15万円です。
- 自分で仕事を受ける副業:所得が1年で20万円をこえたら、確定申告がいる
- 雇われる副業:副業先の給料は、引かれる前の額で数える。ほかの副業の所得と合わせて20万円をこえたら、原則として確定申告がいる
- 住民税:20万円以下でも、確定申告をしないなら、住んでいる市区町村への申告がいる
つまり、「20万円以下なら何もしなくていい」わけではありません。申告の時期ややり方は、副業の確定申告の記事でくわしく書いています。
08よくある質問
Q就業規則で禁止されていたら、あきらめるしかない?
Aまずは人事に、どんな副業ならいいかを聞いてみましょう。国のガイドラインは、禁止している会社に、本当に仕事に差しつかえるのかを、もう一度見直すよう求めています。ただ、ルールを決めるのは会社です。黙って始めるのは、やめておきましょう。
Q本業と同じ業界の副業は、できる?
A会社が「競業」として止めることがあります。ただ、ガイドラインには、会社の利益を損なわないなら、同じ業種でも認めるべき場合がある、と書かれています。届け出のときに、仕事の中身をくわしく伝えて相談してみてください。
Qいらない服をフリマアプリで売るのも、副業の所得?
A普段使っていた服や家具などを売ったお金には、原則として税金がかかりません(国税庁)。でも、売るために買った物を売ってもうけが出たら、それは所得です。20万円のルールにも入ります。
Q副業でトラブルにあったら、どこに相談すればいい?
A勧誘で払ってしまったお金のことは、消費者ホットライン「188」へ。「仕事を紹介するから」と教材などを買わされた場合は、クーリング・オフが使えることがあります(業務提供誘引販売取引)。決まった書面を受け取った日から20日以内なら、契約をやめられます。電話で勧誘された契約は8日以内など、取引の形で期間はちがいます。ネットで自分から申し込んだだけの場合は、使えないこともあります。会社などから受けた仕事のお金が払われないときは、国の「フリーランス・トラブル110番」で、弁護士に無料で相談できます。
今日の最初の一歩
今日、会社の就業規則で「副業」を探してみる
社内のサイトなどで就業規則を開いて、「副業」「兼業」と探すだけ。見つからなければ、人事に「就業規則はどこで見られますか」と聞けばOKです。禁止・許可制・届け出のどれかがわかれば、次にやることが決まります。
2026.10.03 公開/2026.10.06 更新 文・WE POP編集部
参考にした情報
- 総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の要約」(副業がある者・追加就業希望者)
- 厚生労働省「副業・兼業」
- 厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(令和4年7月改定)
- 厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン わかりやすい解説」(2025年3月)
- 厚生労働省 リーフレット「企業も労働者も安心して副業・兼業に取り組むために(労働者の皆さまへ)」
- 厚生労働省「モデル就業規則」(令和7年12月版)第70条 副業・兼業
- e-Gov法令検索「労働基準法」(第32条 労働時間、第38条 時間計算、第106条 法令等の周知義務)
- 厚生労働省「第205回労働政策審議会労働条件分科会 議事録」(2025年11月18日。副業・兼業の割増賃金と労働時間の通算)
- 厚生労働省「第211回労働政策審議会労働条件分科会(資料)」(2026年9月16日。今後の議論の進め方)
- 厚生労働省「最低賃金の適用される労働者の範囲」
- e-Gov法令検索「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(第2条 定義、第3条 取引条件の明示)
- 公正取引委員会「フリーランス・事業者間取引適正化等法 Q&A」(問14 副業で業務委託を受ける場合)
- 厚生労働省「フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ」
- フリーランス・トラブル110番(厚生労働省委託事業・第二東京弁護士会運営)
- 国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」
- 国税庁「No.1500 雑所得」
- 国税庁「No.1906 給与所得者がネットオークション等により副収入を得た場合」
- 横浜市「給与以外に副収入がある場合の住民税の申告」(よくある質問)
- 東京都主税局「個人住民税と特別徴収について」
- 消費者庁「簡単な副業をうたい高額なサポートプランを契約させる事業者に関する注意喚起」(令和7年6月26日)
- 消費者庁「『タスク副業』で報酬が支払われるとうたい、実際には高額を送金させる事業者に関する注意喚起」(令和7年2月6日)
- 消費者庁「『スマホで簡単 月収100万円』などとうたう副業のマニュアルを購入させ、高額なサポートプランを契約させる事業者に関する注意喚起」(2022年11月17日)
- 消費者庁「1日の作業時間が10分程度の簡単な作業で稼ぐことができるなどと勧誘し、高額なサポートプランを契約させる事業者に関する注意喚起」(2022年9月15日)
- 消費者庁「SNSなどを通じた投資や副業といった『もうけ話』にご注意ください!」
- 国民生活センター「副業サポートや投資の名目で借金させる業者に注意!-複数の貸金業者から次々と借り入れさせる手口が目立ちます-」(2026年5月20日)
- 消費者庁 特定商取引法ガイド「業務提供誘引販売取引」
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