副業・独立

目次
  1. 着なくなった服を売っても、税金はかからない
  2. 1つ30万円をこえる宝石や絵は、別あつかい
  3. 作って売るなら、それは「所得」
  4. 売上24万円と48万円、申告がいるのはどっち?
  5. 20万円以下でも、住民税の申告はいる
  6. 記録は、売るたびに5秒で残す
  7. よくある質問

クローゼットの服を出品したら、思ったより売れた。気づけば、売上が10万円をこえている。「これって、税金かかるの?」と少し不安になりますよね。答えは、売ったものしだいです。自分で着ていた服なら、原則として税金はかかりません。でも、材料を買って作ったアクセサリーなら話は別。読み終わるころには、自分がどちらで、何をしておけばいいかがわかります。

この記事でわかること

  • 税金がかからないものと、かかるものの線
  • ハンドメイドの売上から、所得を出す計算
  • 会社員の「20万円」の線と、住民税の申告
  • あとで困らない、記録の残し方

先に結論

  • 家で使っていた服・家具・家電を売ったお金は、原則として税金がかからない。ただし1個30万円をこえる宝石や絵などは別
  • 作って売る・売るために買って売るなら所得。見るのは売上ではなく「売上−経費」
  • 年末調整がすんだ会社員なら、その所得が20万円以下で確定申告はいらない。でも住民税の申告はいる

メモ

時間がない人へ

04の「3つの例で計算」だけ見てください。自分の売上を当てはめれば、申告がいるかどうかが1分でわかります。

01着なくなった服を売っても、税金はかからない

ひとことでふだん使っていたものを売ったお金には、原則として税金がかからない。

国税庁は、ふだん使っていた古着や家具を売った所得は、税金がかからず、確定申告もいらないとしています。法律で、そう決まっているんです。

ことば生活に必要な動産(どうさん)

ふだんの暮らしで使う、動かせるもののこと。国税庁があげている例は、家具や食器、通勤に使う車、服など。これを売ったお金には、原則として税金がかかりません。

たとえば、こんなものです。着なくなった服やバッグ。読み終わった本。引っ越しで使わなくなった家電。買った値段より高く売れても、ふだん使っていたものなら同じです。

住民税の所得は、所得税と同じ計算のしかたを使うと法律で決まっています。なので、この売上は住民税の所得にも入りません。つまり、いらないものを売っただけなら、どちらの申告もいりません。心配なら、市区町村の住民税の窓口で確かめてください。

ただ、例外が1つあります。じゃあ、高いアクセサリーや絵を売ったときは?

021つ30万円をこえる宝石や絵は、別あつかい

ひとことで宝石や絵などで、1個30万円をこえると、税金がかかることがある。

30万円

これをこえる貴金属・宝石・書画・骨とうは、ふだん使っていても税金がかからない、とはならない(1個または1組の値段)出典:国税庁 タックスアンサー No.3105(令和8年4月1日現在法令等)

書画(しょが)は絵や書のこと。骨とうは、古くて値打ちのある道具などのこと。こういうものを1個(1組)30万円をこえる値段で売ると、「譲渡所得(じょうとしょとく)」になります。

とはいえ、すぐに税金がかかるとは限りません。この所得は、売った値段から買った値段と、売るのにかかったお金を引いて出します。そこから、さらに最高50万円を引けます。買ったときより安く売れたなら、もうけは出ていません。

ポイント

高いものを売るときは、買ったときの記録を

もうけを出すには、買った値段が必要です。高いアクセサリーや時計を売るなら、買ったときのレシートや保証書を一緒に取っておきましょう。5年をこえて持っていたものなら、計算に入れるのはもうけの半分です。

ここまでは「使っていたもの」の話。じゃあ、自分で作ったものを売ったら?

03作って売るなら、それは「所得」

ひとことでもうけるために続けて売るものは、ふつう雑所得になる。

国税庁は、フリマアプリなどで個人が売って得た所得を、ふつうは雑所得にあたるとしています。ふだん使っていたものを売るのとは、ここがちがいます。

不用品とハンドメイド、どこがちがう?

使っていたものを売るふつうは税金なし

いいところ

  • 着た服、読んだ本、使った家電など
  • 高く売れても、確定申告はいらない
  • 住民税の申告もいらない

気をつけること

  • 1個30万円をこえる宝石や絵などは別
  • 売るために買ったものは、ここに入らない

作る・仕入れて売る所得になる

いいところ

  • 材料や送料、手数料のぶんは引ける
  • 所得が少なければ、確定申告はいらないことも

気をつけること

  • 所得は、売上から経費を引いて出す
  • 所得税の申告がいらなくても、住民税の申告はいる
  • 記録がないと、経費を出せない

ことば雑所得と事業所得

副業のうち、もうけるために続けているものの所得は「業務に係る雑所得」。会社員がたまに作って売るくらいなら、ふつうはこれです。帳簿をつけて、まわりから見ても「仕事」と言えるくらい大きく続けていれば「事業所得」になります。

どちらでも、所得の出し方は同じ。売上から経費を引いた残りです。事業として本格的に始めるなら、開業届と青色申告の記事も読んでみてください。

当てはまるものをタップしてみてください

当てはまったのは 0 / 5個

04売上24万円と48万円、申告がいるのはどっち?

ひとことで線を引くのは所得の20万円。売上24万円ならいらず、48万円ならいる。

給料を1か所からもらい、年末調整がすんでいる会社員の例です。所得は「売上−材料のお金−送料と箱代−手数料」で出します。手数料は、仮に売上の1割としました。

3つの例 1年の所得(売上から経費を引いたもの)
A 服など0.0万円
B 売上24万12.6万円
C 売上48万25.2万円

出典:WE POPが仮の数字で計算。A は非課税なので所得に入れない。20万円の線は国税庁 タックスアンサー No.1900(令和8年4月1日現在法令等)

3つの例を、順に見ていく

  1. A:服・本・家電を売って15万円

    ふだん使っていたものなので、税金はかかりません。所得に入れず、どちらの申告もいりません。

  2. B:ハンドメイドで売上24万円

    材料6万円、送料と箱代3万円、手数料2.4万円を引くと、所得は12.6万円。20万円以下なので、確定申告はいりません。でも、住民税の申告はいります。

  3. C:ハンドメイドで売上48万円

    材料12万円、送料と箱代6万円、手数料4.8万円を引くと、所得は25.2万円。20万円をこえるので、確定申告がいります。

B と C を見比べてください。売上だけ見ると、どちらも20万円をこえています。でも、判断に使うのは売上ではなく所得。経費を引くと、B は線の内側におさまります。

C の税金も、ざっくり出してみます。所得税の税率は、給料と合わせた課税所得で決まります。5%の人なら約1.3万円、10%の人なら約2.6万円です(上乗せされる復興のぶんも入れた額)。課税所得が195万円をこえると、10%以上になります。住民税はふつう10%で、約2.5万円です。

気をつけて

不用品とハンドメイドは、分けて数える

A と B を両方している人は、B の所得だけで20万円の線を見ます。A は税金がかからないので、足しません。逆に、副業がほかにもあるなら、その所得と B を足して20万円を見ます。

0520万円以下でも、住民税の申告はいる

ひとことで「20万円以下なら申告いらない」は所得税だけのルール。

給料が年2,000万円以下で、1か所からもらい、年末調整がすんでいる会社員。この人は、給料のほかの所得が20万円以下なら、所得税の確定申告はいりません。ただし、医療費控除などで確定申告をするなら、20万円以下の所得も一緒に書きます。そして、住民税にこのルールはありません。横浜市も、住民税は所得が少なくても、給料と合わせて計算すると書いています。

なので、例 B の人は、住んでいる市区町村に住民税の申告を出します。確定申告をした人は、それで住民税の申告もしたことになります。別に出さなくてOKです。

2026年分の売上なら、この流れ

  1. 2026年1〜12月

    売れたお金と、かかったお金をメモ

    1年分を足して、所得が20万円をこえるかを見ます。

  2. 2027年2月16日〜3月15日

    20万円をこえたら、確定申告

    スマホからでも出せます。確定申告をすれば、住民税の申告は別にいりません。

  3. 2027年3月15日まで

    20万円以下なら、住民税の申告

    住んでいる市区町村に出します。書き方は市区町村のサイトか窓口で確かめてください。

  4. 2027年6月〜

    住民税に入ってくる

    会社員なら、ふつうは給料から引かれる住民税に足されます。

ポイント

2026年分から基礎控除が上がったけど

2026年分から、所得税の基礎控除(所得から引ける額)が上がりました。所得の合計が489万円以下なら、2026・2027年分は104万円です。でも、会社員の「20万円」の線は変わっていません。これまでどおり20万円で見ます。

申告のくわしい流れは、副業の確定申告の記事にまとめています。じゃあ、そのために何を残しておけばいい?

06記録は、売るたびに5秒で残す

ひとことで残すのは、売上の明細と、経費のレシート。

所得を出すには、売上と経費の両方がいります。年末にまとめて探すと、レシートはだいたい見つかりません。売るたび、買うたびに残すのがいちばんラクです。

  1. 「不用品」と「作品・仕入れ」を分ける

    スマホのメモか表に、2つの欄を作ります。税金がかからないものと、所得になるものを、はじめから分けておくと年末に迷いません。

  2. 材料や梱包材のレシートを撮る

    買ったその場で写真に残します。ネットで買ったなら、購入履歴の画面を保存しておけばOK。

  3. 月に1回、アプリの取引の履歴を保存する

    売上・送料・手数料が並んだ画面を、スクリーンショットなどで残します。あとから見られなくなることもあるので、こまめに。

  4. 年が明けたら、1年分の所得を出す

    売れたお金の合計から、かかったお金の合計を引きます。20万円をこえたら確定申告、こえなければ住民税の申告です。

メモ

記録は5年くらい残しておく

国税庁によると、副業の雑所得で、前々年の売上が300万円をこえる人は、領収書などを5年間残します。2022年分からのルールです。そこまで売れていない人も、同じくらい残しておくのがWE POPのおすすめです。

07よくある質問

Qハンドメイドが赤字でした。給料の税金は減りますか?

A雑所得なら、減りません。雑所得の赤字は、給料などの所得と差し引きできないルールです。

Qセールで買った新品を、使わずにすぐ売りました。不用品ですか?

A一度も使っていない新品は、非課税の「ふだん使っていたもの」に当てはまらないことがあります。売ってもうけるために買い、それをくり返しているなら、所得(雑所得など)にあたると考えられます。自分用に買ったけどサイズがちがった、というような未使用品は、判断が分かれるとWE POPは考えています。迷ったら、税務署に聞いてください。

Q住民税の申告をすると、会社に副業が知られますか?

A住民税の額が変わるので、気づかれることはあります。副業が会社のルールでOKか、先に確かめておくと安心です。くわしくは副業がバレる理由の記事にまとめています。

Q自分がどっちかわかりません。どこに聞けばいい?

A税務署の電話相談センターで、無料で聞けます。住民税の申告なら、住んでいる市区町村の窓口へどうぞ。売ったものの記録を手元に置いてから電話するとスムーズです。

今日の最初の一歩

今夜、スマホのメモに「売ったもの」を2つの欄に分けて書く

左にいらなくなったもの、右に作品や仕入れたもの。今年売ったものを、思い出せる分だけでOKです。右の欄があるなら、明日から売るたびに金額を足していきましょう。

2026.10.15 公開 文・WE POP編集部

参考にした情報

制度や数字は記事の公開日(直した記事は更新日)時点の情報です。最新の情報は各公式サイトで確認してください。

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