お金

目次
  1. iDeCoとNISA、なにがちがう?
  2. iDeCoの「税金が安くなる」って、どれくらい?
  3. 「60歳まで引き出せない」って、本当?
  4. 掛金はいくらまで? 12月から上限が上がる
  5. 会社員は、どこに気をつければいい?
  6. 結局、どっちから始めればいい?
  7. iDeCoを始めるなら、どの順番?
  8. よくある質問

NISAは聞いたことがある。iDeCoも、なんとなく「おトクらしい」と知っている。でも、どっちから始めればいいのかがわからない。そんな人に向けて書きました。どちらも、国が用意した「税金がおトクになる」しくみです。読み終わるころには、自分はどっちから始めるか、決められるようになります。

この記事でわかること

  • iDeCoとNISAは、なにがちがうのか
  • iDeCoで、税金がどれくらい安くなるのか
  • 「60歳まで引き出せない」とは、どういうことか
  • 2026年12月から、掛金の上限がどう変わるのか

先に結論

  • いちばんのちがいは、いつ引き出せるか。NISAはいつでも、iDeCoは原則60歳まで引き出せない
  • iDeCoは、払った掛金のぶん所得税と住民税が安くなる。NISAにはこのおトクはない
  • 迷ったらNISAからがおすすめ。iDeCoは、老後のぶんと割り切れるお金で、少額から

メモ

時間がない人へ

06の「iDeCoに向いているか」のチェックだけでも、やってみてください。タップするだけなので、30秒で終わります。

01iDeCoとNISA、なにがちがう?

ひとことでiDeCoは「老後のための年金」、NISAは「いつでも使える貯金箱」。

どちらも、お金を積み立てて増やすためのしくみです。ふつうは、増えたぶんに約20%の税金がかかります(20.315%)。iDeCoとNISAなら、増えたぶんに税金がかかりません。ここまでは同じです(iDeCoは、受け取るときに税金の対象になります)。

ことばiDeCo(イデコ)

正式には「個人型確定拠出年金」。自分で掛金を出して、自分で選んだ商品で運用し、老後に受け取る年金です。国民年金に入っている会社員・公務員・自営業・専業主婦(夫)などが入れて、入るかどうかは自分で決めます。

ちがうのは、目的と引き出せる時期です。並べてみると、性格がはっきりわかります。

iDeCoとNISAを比べると

iDeCo老後のため

いいところ

  • 掛金のぶん、所得税と住民税が安くなる
  • 増えたぶんに税金がかからない
  • 受け取るときも、税金を軽くするしくみがある

気をつけること

  • 原則60歳まで引き出せない
  • 毎月、手数料がかかる
  • 掛金は月5,000円から。上限は働き方で変わる

NISAいつでも使える

いいところ

  • いつでも売って、お金を引き出せる
  • 増えたぶんに税金がかからない
  • 年360万円まで、生涯で1,800万円まで使える

気をつけること

  • 積み立てても、所得税や住民税は安くならない
  • 引き出しやすいぶん、つい使ってしまうことも

どちらも元本(出したお金)が減ることがあります。iDeCoには定期預金のような「元本確保型」の商品もあります。

厚生労働省の資料にも、目的で使い分けるように書かれています。老後の資産づくりならiDeCo、人生の予定に合わせて使うならNISA、です。両方を同時に使うこともできます。

02iDeCoの「税金が安くなる」って、どれくらい?

ひとことで月5,000円の掛金でも、年9,000円ほど安くなる例がある。

iDeCoの掛金は、全額が「所得控除」になります。所得控除とは、税金を計算するもとになる金額から、差し引けるもののこと。差し引くぶん、所得税と住民税が少なくなります。

9,000円

月5,000円を積み立てたとき、1年で安くなる税金(所得税5%・住民税10%の人)

36,000円

月1万円を積み立てたとき、1年で安くなる税金(所得税20%・住民税10%の人)

出典:厚生労働省「私的年金制度、iDeCoの改正のポイント」iDeCoのメリット

安くなる額は「1年の掛金 ×(所得税の税率+住民税の税率)」で計算できます。所得税の税率は、収入によって5%から45%まで変わります。たとえば税率5%の人が月1万円を積み立てると、年12万円 × 15%で、1年に約18,000円安くなる計算です。

NISAには、この「掛金で税金が安くなる」おトクはありません。iDeCoならではの強みです。

気をつけて

税金を払っていない人は、このおトクがない

所得控除は、所得税や住民税を払っている人のためのしくみです。収入が少なくて税金がかかっていない人は、掛金を出しても安くなる税金がありません。所得税か住民税の片方だけ払っている人は、その分だけ安くなります。また、差し引けるのは自分の所得からだけ。家族の税金は安くなりません。

03「60歳まで引き出せない」って、本当?

ひとことで本当です。そのかわり、掛金は止められる。

iDeCoは老後のための年金なので、原則として60歳になるまで引き出せません。結婚、引っ越し、転職のための資金には使えないということです。

ただし、掛金を出すのはいつでも止められます。止めても、それまでのお金はそのまま運用が続きます。口座の管理の手数料は、止めてもかかることがあります。60歳までの流れは、こんなイメージです。

  1. 今

    掛金と商品を決めて、始める

    掛金は月5,000円から、1,000円単位で決められます。金額を変えられるのは、12月分から次の11月分までの1年に1回までです。

  2. 途中

    苦しくなったら、掛金を止められる

    手続きをすれば、掛金を出すのをやめられます。積み立てたお金は引き出せませんが、運用は続きます。

  3. 60歳

    受け取れるようになる

    まとめて受け取るか、年金として少しずつ受け取るかを選べます。どちらにも、税金を軽くするしくみがあります。

  4. 75歳まで

    受け取り始める時期を選べる

    60歳から75歳になるまでのあいだで、受け取り始める時期を自分で選べます。

気をつけて

60歳から受け取るには、加入期間が10年いる

60歳ちょうどから受け取るには、60歳までにiDeCoなどに入っていた期間が、合わせて10年以上必要です。足りないと、受け取れる年齢が後ろにずれます。20代・30代で始めるなら、ふつうは気にしなくてOKです。

04掛金はいくらまで? 12月から上限が上がる

ひとことで2026年12月から(予定)、会社員の上限は月6.2万円にまとまる。

iDeCoの掛金には上限があります。上限は、働き方と、会社に企業年金があるかどうかで変わります。この上限が、2026年12月から大きく上がる予定です(厚生労働省の資料では12月1日に始まる予定)。

ことば企業年金

会社が用意している年金のこと。会社が掛金を出す「企業型DC(企業型確定拠出年金)」や、「DB(確定給付企業年金)」などがあります。あるかどうかは会社によってちがいます。

企業年金がない会社員 iDeCoの上限(月額)
今23,000円
2026年12月〜62,000円

出典:厚生労働省「iDeCoがパワーアップします!」(令和8年12月から)

企業年金がある会社員は、今はiDeCoだけで月2万円が上限。しかも企業年金と合わせて月5.5万円までです。12月からは、企業年金と合わせて月6.2万円までに変わります。会社の掛金を引いた残りが、iDeCoに出せる額です。会社の掛金が多いほど、iDeCoに出せる額は小さくなります。

62,000円

会社員の上限(月額)。企業年金がある人は、企業年金と合わせて

75,000円

自営業・フリーランスの上限(月額)。国民年金基金と合わせて

出典:厚生労働省「iDeCoがパワーアップします!」(令和8年12月から)

iDeCoの掛金は、毎月その翌月26日に口座から引き落とされます。いつの分から新しい上限で出せるかは、加入先の金融機関で確かめてください。

同じ12月からは、入れる年齢も広がります。今は会社員なら基本的に65歳未満ですが、条件を満たせば70歳になるまで掛金を出せるようになります。主な条件は、iDeCoに入っている人などで、老後の年金をまだ受け取っていないことです。

メモ

上限いっぱいまで出さなくていい

上限は「ここまで出してもいい」という線です。引き出せないお金を増やしすぎると、急な出費に困ります。生活のお金と、すぐ使うかもしれないお金を残してから決めてください。

05会社員は、どこに気をつければいい?

ひとことで会社の年金と、手数料を先に見ておく。

会社員がiDeCoを始めるときは、最初に「自分の会社に企業年金があるか」を確かめます。上限が変わるうえ、会社のしくみによっては、iDeCoに入れないこともあるからです。

たとえば企業型DCの「マッチング拠出」。会社の掛金に、自分で上乗せするしくみです。今のルールでは、これを使っている人はiDeCoに入れません。どちらを使うかは選べます。ほかにも、会社の掛金の出し方や、国民年金の保険料を免除されている場合などは、入れないことがあります。わからなければ、総務や人事に聞くのがいちばん早いです。

もう1つは手数料です。iDeCoは、始めるときと毎月、手数料がかかります。

2,829円

始めるときに1回だけかかる手数料(国民年金基金連合会)

120円

毎月かかる手数料(国民年金基金連合会)。2027年1月の引き落としから、105円→120円

出典:国民年金基金連合会「iDeCo加入者に係る手数料を見直します」(令和8年)

これとは別に、申し込む金融機関の手数料がかかることもあります。金額は金融機関ごとにちがうので、選ぶときに比べてみてください。掛金が少ないほど、手数料の重みは大きくなります。

ポイント

年末調整を忘れずに

掛金を自分の口座から払う会社員には、毎年10月ごろ「小規模企業共済等掛金払込証明書」が届きます。始めた年は、もっとおそく届くこともあります。これを年末調整で会社に出すと、税金が安くなります。給料から引かれている人は、会社が計算してくれます。くわしくは年末調整の記事で書いています。

06結局、どっちから始めればいい?

ひとことで迷ったらNISAから。条件がそろったら、iDeCoも。

WE POPのおすすめは、迷ったらNISAからです。20代・30代は、転職や引っ越し、結婚など、まとまったお金が要る場面が多いから。いつでも引き出せるNISAなら、予定が変わっても困りません。

そのうえで、次のチェックに多く当てはまるなら、iDeCoを足す価値は大きいと考えています。

当てはまるものをタップしてみてください

当てはまったのは 0 / 6個

NISAの始め方は、NISAの記事でくわしく書いています。

07iDeCoを始めるなら、どの順番?

ひとことで金融機関を1つ選んで、申し込むだけ。

  1. 会社に企業年金があるかを確かめる

    企業型DCやDBがあるか、マッチング拠出を使っているかを見ます。社内の福利厚生のページや、総務・人事で確かめられます。

  2. 掛金の額を決める

    月5,000円から、1,000円単位で決められます。60歳まで使わないと決めても困らない額にします。

  3. 申し込む金融機関を1つ選ぶ

    iDeCoは、金融機関を通して申し込みます。選べるのは1か所だけ。手数料と、選べる商品を比べて決めます。

  4. 申し込んで、商品を選ぶ

    基礎年金番号(年金の番号)が必要です。マイナポータルやねんきんネットで確かめられます。どの商品にどれだけ入れるかも、自分で決めます。

  5. 年末調整で、掛金を書く

    掛金を自分の口座から払う人は、届いた証明書を年末調整で会社に出します。これで税金が安くなります。

08よくある質問

QNISAとiDeCo、両方やってもいい?

A両方使えます。ただ、iDeCoのお金は60歳まで引き出せません。すぐ使うかもしれないお金はNISAや貯金に、老後のぶんだけをiDeCoに、と分けて考えるのがおすすめです。

Q転職したら、iDeCoはどうなる?

A転職しても、iDeCoはそのまま続けられます。ただ、転職先の企業年金によって上限が変わるので、会社の状況が変わったら届け出が必要です。会社の企業型DCで積み立てたお金を、iDeCoに移すこともできます。

Qお金に余裕がなくなったら?

A掛金を出すのを止められます。止めても、それまでのお金は運用が続きます(引き出しはできません)。掛金の額を変えるのは、1年に1回までできます。

QiDeCoで損することはある?

Aあります。投資信託などは値動きがあるので、受け取るときに、出したお金より少なくなることもあります。手数料もかかります。一方で、定期預金などの「元本確保型」を選ぶこともできます。迷ったときは、金融経済教育推進機構(J-FLEC)で、お金の相談を受けられます。

今日の最初の一歩

会社に企業年金があるか、5分だけ調べてみる

社内の福利厚生のページや、入社のときにもらった資料を見てみてください。見つからなければ、総務や人事に「うちは企業型DCやDBはありますか?」と聞くだけでOKです。これがわかると、iDeCoの上限と、入れるかどうかがわかります。

2026.10.06 公開 文・WE POP編集部

参考にした情報

制度や数字は記事の公開日(直した記事は更新日)時点の情報です。最新の情報は各公式サイトで確認してください。

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