転職

目次
  1. 20代後半、上がった人は49.8%
  2. 20代は上がった人が多い。50代はどう?
  3. 会社は何を見て給料を決める?
  4. 年収は「月給×12」では比べられない
  5. 年収の相談は、内定のあと・承諾の前
  6. 伝え方は「感謝→数字→理由」の順で
  7. 相談の前に、ここまでできている?
  8. よくある質問

求人サイトをながめていたら「年収アップ」の文字。でも、本当に上がるのかな。下がったらどうしよう。そう思って、応募ボタンの前で手が止まっていませんか? 国の最新の調査では、20代後半で転職した人のほぼ半分は給料が上がっていました。そして、4人に1人は下がっています。読み終わるころには、上がる側に入るために何を見て、いつ、どう伝えればいいかがわかります。

この記事でわかること

  • 転職で、給料が上がった人・変わらない人・下がった人はどれくらいいるか
  • 会社は何を見て、転職者の給料を決めるのか
  • 今の年収と、内定先の年収の比べ方
  • 年収の相談は、いつ・どう伝えればいいか

先に結論

  • 25〜29歳で転職した人の中で見ると、給料が上がった人は49.8%、下がった人は23.9%(令和7年。転職した人の内訳で、これから転職する人の確率ではありません)
  • 転職した人を採った職場の約6割が、給料を決めるときにこれまでの経験・能力・知識を見ていて、約4割はそれをいちばん重く見た
  • 年収の相談は、条件が書面で出たあと、内定に「はい」と返事をする前がおすすめ

メモ

時間がない人へ

05の「伝え方」だけでも読んでみてください。そのまま使える言い方の例をのせています。

0120代後半、上がった人は49.8%

ひとことでほぼ半分は上がる。でも、4人に1人は下がっている。

国(厚生労働省)は毎年、転職した人に「前の仕事と比べて、賃金はどう変わったか」を聞いています。2025年の1年間に、25〜29歳で転職した人の答えがこちら。

49.8%

給料が上がった

25.0%

変わらない

23.9%

給料が下がった

出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査」表6 転職入職者の賃金変動状況別割合(25〜29歳)。転職入職者は、前職が雇用者で調査時点で在籍している人(自営業からの転職は含まない)

上がった人は、下がった人の約2倍。転職すれば下がる、というわけではありません。ただ、4人に1人は下がっているのも本当です。なお、この数字はパートや契約の人も含めた、すべての働き方の合計。正社員だけの数字ではありません。

メモ

この「給料」は、前の仕事と比べた答え

調査票の質問は「直前の勤め先と比べて賃金はどう変わったか」を、「1割以上の増加」などの区分で答える形です。月給か年収かは示されていません。なので、ここの数字は「前の仕事の賃金と比べて(調査の区分)」と見てください。後半の「1年の総額で比べる」話とは、別の物差しです。

上がり方・下がり方の大きさも見てみましょう。

34.2%

1割以上上がった

16.5%

1割以上下がった

出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査」表6 転職入職者の賃金変動状況別割合(25〜29歳)。転職入職者は、前職が雇用者で調査時点で在籍している人(自営業からの転職は含まない)

たとえば25万円の給料なら、1割は2.5万円。27.5万円以上になった人がだいたい3人に1人、22.5万円以下になった人がだいたい6人に1人、というイメージです。

メモ

数字は、年によって少し動く

1年前(令和6年)の25〜29歳は、上がった人が46.3%、下がった人が29.2%でした。毎年数ポイントは動きます。「だいたい半分が上がり、4人に1人くらいが下がる」と覚えておけば十分です。

じゃあ、ほかの年代はどうなっているのかな?

0220代は上がった人が多い。50代はどう?

ひとことで令和7年の結果では、50代は「下がった」のほうが多い。ただ、年によって動く。

年代ごとの、転職して給料が上がった人
19歳以下63.6%
20〜24歳55.2%
25〜29歳49.8%
30〜34歳48.6%
35〜39歳43.5%
40〜44歳44.9%
45〜49歳41.1%
50〜54歳29.4%
55〜59歳25.5%

出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査」表6 転職入職者の賃金変動状況別割合(前職が雇用者で調査時点で在籍している人。自営業からの転職は含まない)

数字がいちばん高いのは19歳以下の63.6%です。ただ、19歳以下は年ごとに大きく動きます(前の年は48.8%)。20代前半は55.2%、30代前半でも48.6%あります。ただ、きれいな右下がりではなく、35〜39歳(43.5%)より40〜44歳(44.9%)のほうが少し高くなっています。令和7年は、50〜54歳で29.4%まで下がり、「下がった」人(42.0%)のほうが多くなりました。前の年の50〜54歳は「上がった」39.0%、「下がった」28.2%で、上がった人のほうが多い年でした。1年分の結果として見てください。

20代は、もともと給料がぐんと伸びるころです。べつの国の調べで、年代ごとの月の給料(残業代やボーナスをのぞいた額)を見てみます。

24.3万円

20〜24歳

27.9万円

25〜29歳

31.2万円

30〜34歳

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」性、年齢階級別賃金(男女計・一般労働者。2025年6月分の所定内給与額)

5歳ちがうだけで、3〜4万円ずつ高くなっています。20代で転職すると、この伸びの途中で次の会社に移ることになります。ただし、これは年代ごとの平均のちがいです。同じ人の給料がこう伸びる、という数字ではありません。それでも、上がる人が多い理由の1つはここにある、と考えています。

では、同じ20代でも、上がる人と下がる人は何がちがうのかな?

03会社は何を見て給料を決める?

ひとことで6割ほどの職場が「何をやってきたか」を見ている。

国は2025年に、転職した人を受け入れた会社にも話を聞いています。「転職者の給料を決めるとき、何を考えましたか?」という質問の答えがこちらです(いくつでも選べる)。

転職者の給料を決めるときに考えたこと
経験・能力59.2%
年齢35.3%
世間の相場34.2%
免許・資格30.6%
前の会社の給料27.0%
学歴12.0%

出典:厚生労働省「令和7年転職者実態調査」表5 転職者の賃金決定の際に考慮した要素別事業所割合(複数回答)。5人以上の事業所が対象。転職者は、期間の定めなし、または1年以上の契約の一般労働者で、2024年10月〜2025年9月に採用した人(パート・短い契約は含まない)

いちばん多いのは「これまでの経験・能力・知識」で、考えた職場は59.2%。いちばん重く見たものを1つだけ聞いても、38.4%でトップでした。

「前の会社の給料」を考えた職場は27.0%。1,000人以上の職場では48.1%でした。大きいところほど、前の給料も見ているんですね。ただ、どの規模でもいちばん多いのは「経験・能力・知識」です。今の会社で何をやって、次の会社でそれがどう役立つか。ここを話せる人ほど、上がる側に入りやすいと考えています。

先ほどの雇用動向調査で、働き方の形ごとに見てみると、少しちがいが出ています。

前と同じ働き方のまま転職した人(すべての年代)

フルタイムで、期間の決まっていない契約どうし上がった 44.5%

いいところ

  • 給料が上がった人は44.5%
  • 下がった人は29.0%で、上がった人のほうが多い

気をつけること

  • 3割近くは下がっている
  • やる仕事しだいで、次の給料は大きく変わる

期間の決まった契約どうし(パートも含む)上がった 34.9%

いいところ

  • 給料が上がった人は34.9%
  • 下がった人の27.9%より、少し多い

気をつけること

  • 上がった人と下がった人の差が小さい
  • 契約が終わる時期も、あわせて見ておきたい

「フルタイム」は、調査でいう一般労働者(パートではない人)のこと。正社員に多い形ですが、正社員だけの数字ではありません。どちらも、前と同じ働き方のまま移った人だけを数えています。

会社の大きさでも、もとの給料はちがいます。25〜29歳の月の給料は、1,000人以上の会社で30.2万円。10〜99人の会社では25.8万円でした(2025年6月ぶん、残業代などはのぞく)。大きな会社から小さな会社へ移るなら、下がることもある、と知っておくとあわてません。

メモ

下がった理由までは、数字ではわからない

この調査では、下がった人が「なぜ下がったか」まではわかりません。残業の少ない会社を選んだ人や、やりたい仕事を選んだ人もいるはずです。下がること=失敗、とは限りません。

とはいえ、自分が上がるのか下がるのかは、正しく比べないとわかりません。

04年収は「月給×12」では比べられない

ひとことでボーナスと残業代を分けて、1年の総額で比べる。

月給だけを見ると、上がったように見えて年収は下がる、ということが起きます。3つの例で計算してみます。

今の会社と内定先を、1年ぶんの合計で比べてみる

  1. 例1:月給は上がるのに、年収は下がる

    今は月給25万円で、ボーナスが年に2か月ぶん。25万×12+50万で、350万円です。内定先は月給28万円で、ボーナスはなし。28万×12で336万円。月給は3万円上がるのに、1年では14万円下がってしまいます。

  2. 例2:残業代が入っているかで変わる

    今は月給22万円で、残業代がだいたい毎月3万円つく。1年だと(22万+3万)×12で300万円です。内定先は月給25万円で、20時間ぶんの残業代が入っている(みなし残業)。残業がその中におさまるなら、25万×12で300万円。つまり、ほぼ同じです。

  3. 例3:月給もボーナスも上がる

    今は月給27万円で、ボーナスが年に1か月ぶん。27万×13で351万円です。内定先は月給30万円で、ボーナスが2か月ぶん。30万×14で420万円。69万円、だいたい2割も上がります。

みなし残業(毎月決まった時間分の残業代を、先に給料に入れておくしくみ)は、求人票で見落としやすいところです。求人票の月給を分けて見るやり方も参考にしてください。

ポイント

今の年収は、源泉徴収票でわかる

年末か年明けに会社からもらう源泉徴収票。その「支払金額」が、1年ぶんの給料の合計(税金などが引かれる前)です。ただし、税金のかからない通勤手当は、ここに入っていません。その年に転職した人は、1年ぶんの年収がどの票に出ているか、前の会社の分もあわせて確かめておくと安心です。

比べてみて「もう少しほしい」と思ったら、いつ伝えればいいのかな?

05年収の相談は、内定のあと・承諾の前

ひとことで条件が紙やメールで出てから、返事をする前に話す。

給料は、会社と働く人の話し合い(合意)で決まるものです。法律でもそう決まっています。なので、相談すること自体は失礼ではありません。大切なのはタイミングです。

  1. 応募前

    求人票の「幅」を見る

    「月給25万〜30万円」のように幅があるなら、その中で決まります。幅の上のほうを目指すなら、経験を書類でしっかり見せておきます。

  2. 面接

    聞かれたら、希望額を答える

    「希望の年収は?」と聞かれたら、今の年収と希望額を数字で伝えます。自分から何度も切り出すより、聞かれたときに答えるほうが話しやすいと考えています。

  3. 内定

    条件を書面で受け取る

    国のルールでは、求人のときと条件が変わったら、会社はその中身を知らせなければいけません。幅のあった月給が「28万円」に決まったときも同じです。

  4. 承諾前

    ここが、相談のいちばんのタイミング

    金額がはっきりした今なら、何についての相談かがお互いにわかります。承諾してからだと、話を戻しにくくなります。

  5. 入社後

    次は、評価の場で

    入社してからは、ふだんの評価や面談で給料の話をします。まずは結果を出すことが先になります。

国の指針では、会社は条件が変わったときに、働く人が考える時間をとれるよう、できるだけ早く知らせることになっています。変えた理由を聞かれたら、きちんと説明することも求めています。聞いていい場面なんです。

内定を承諾する前に見ておきたい欄は、内定承諾の記事にまとめています。

タイミングがわかったら、次は言い方です。

06伝え方は「感謝→数字→理由」の順で

ひとことでお礼から入って、希望の金額と、その理由を1つ。

  1. まず、内定のお礼を言う

    「内定をいただき、ありがとうございます。前向きに考えています」。入りたい気持ちを先に伝えると、相談がわがままに聞こえません。

  2. 今の年収と、ほしい金額を数字で言う

    「今の年収は、ボーナス込みで350万円です。できれば370万円ほどを希望しています」。「もう少し」ではなく、金額で言うのがポイントです。

  3. 理由を1つだけ添える

    「前の会社で3年間、〇〇を担当してきました。御社の〇〇の仕事に、そのまま生かせると考えています」。多くの職場が、これまでの経験を見て給料を決めます。なので、ここに結びつけます。

  4. 相手が考える余地を残す

    「難しければ、入社後の評価の時期や基準を教えていただけますか」。金額が変わらなくても、いつ上がる可能性があるかがわかります。

ポイント

メールで伝えるなら

電話のあとにメールでも送っておくと、言った・言わないにならずにすみます。転職エージェントを使っている人は、担当者に希望額と理由を伝えて、会社へ話してもらうこともできます。

気をつけて

決まった条件と、書面がちがうときは

会社は、契約を結ぶときに、賃金などの働く条件を示すきまりです(労働基準法15条)。条件が書かれた紙やメールを、労働条件通知書といいます。承諾する前にまだもらっていなければ、見せてほしいと頼んでOKです。話し合った金額がのっていないときも、承諾の前に聞いてみてください。入社してから求人とちがう、と困ったときは、各地の労働局にある「総合労働相談コーナー」に無料で相談できます。

最後に、相談の前の準備ができているかを見てみましょう。

07相談の前に、ここまでできている?

ひとことで数字を自分で言えたら、話し合いの半分は終わったようなもの。

できているものをタップしてみてください

当てはまったのは 0 / 6個

08よくある質問

Q年収の相談をしたら、内定を取り消されない?

A取り消されるかどうかを示す国の数字は、見つけられませんでした。WE POPとしては、ていねいに聞くこと自体は問題ないと考えています。言い方で印象は変わるので、お礼から入って、数字と理由を落ち着いて伝えてください。もし取り消されて困ったら、総合労働相談コーナーに無料で相談できます。

Q面接で「今の年収」を少し高めに言ってもいい?

Aおすすめしません。年の途中で転職して年末まで新しい会社にいると、前の会社の給料も合わせて年末調整することがあります。前の会社で、扶養控除等申告書という紙を出していた人がそうです。そのときは、前の会社の源泉徴収票を新しい会社に出します。中身はその年のぶん、つまり辞めるまでの額です。年収そのものが伝わるわけではありません。それでも、本当とちがう数字を言うのは不誠実だと考えています。今の年収は正直に言って、希望額のほうで勝負しましょう。

Q給料が下がっても転職していい?

Aいいと思います。残業が減る、やりたい仕事ができる、など給料以外で得るものもあります。ただ、生活できるかどうかは先に計算しておきましょう。1年の総額で見て、毎月いくら減るかを出しておくと安心です。

Qそもそも、転職する理由が給料でもいい?

Aいいんです。国の調査(令和7年)で、自分の都合で辞めた人に理由を聞きました(3つまで選べる)。全年齢の数字で、いちばん多かったのは「賃金が低かったから」の25.5%。2位の「会社の将来が不安」25.2%、3位の「仕事の中身に満足できなかった」24.7%と、ほぼ同じです。25〜29歳だと、1位は仕事の中身(30.1%)、2位が賃金(29.5%)で、入れかわります。面接での伝え方は、辞めた理由の記事で書いています。

今日の最初の一歩

今夜、源泉徴収票の「支払金額」をスマホのメモに写す

源泉徴収票が見つからなければ、給与明細でもOKです。今の年収がわかれば、内定先と比べることも、希望額を決めることもできるようになります。

2026.10.08 公開 文・WE POP編集部

参考にした情報

制度や数字は記事の公開日(直した記事は更新日)時点の情報です。最新の情報は各公式サイトで確認してください。

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