転職

目次
  1. 「月給25万円」の中身、分けて見てる?
  2. みなし残業、3つそろってる?
  3. ボーナス「年2回」、もらえる約束なの?
  4. 1年の休み、何日あれば多いほう?
  5. お試しの期間、お給料が下がることもある?
  6. 新卒の枠で応募するなら、職場の数字も聞ける
  7. 応募する前に、求人を見てみよう
  8. よくある質問

寝る前に転職サイトをながめていたら、「月給25万円」の求人が目に入った。今より高い。でも、その25万円の中に何が入っているか、見ていますか? 同じ「月給25万円」でも、中身がちがえば、もらえるお金も働き方も変わります。読み終わるころには、求人のお金の欄を、どこから見ればいいかがわかります。

この記事でわかること

  • 「月給」の中に、何が入っているか
  • みなし残業(固定残業代)の、正しい書き方
  • ボーナスや昇給の「去年の実績」の読み方
  • 休みの日数と、お試しの期間で見ておきたいところ

先に結論

  • 月給は基本給・手当・みなし残業に分けて見る。合計だけで比べない
  • みなし残業があるなら、基本給/何時間ぶんでいくら/超えたら追加で払うの3つが書いてあるはず
  • ボーナスと昇給は、ハローワークの求人なら去年の実績。1年の休みの平均は1社あたり112.4日(30人以上の会社)

メモ

時間がない人へ

07の「求人のチェック」だけでも、やってみてください。気になる求人を横に開いて、タップするだけです。

01「月給25万円」の中身、分けて見てる?

ひとことで月給は合計の額。基本給は、もっと少ないことがある。

求人の「月給」には、基本給のほかに、手当やみなし残業が入っていることがあります。ハローワークの求人票なら、この3つを足した額が「計」の欄に出ます。通勤手当は、別の欄です。

たとえば、こんな求人があったとします。見た目は「月給25万円」。でも、中身を分けてみると、こうなっていました。

「月給25万円」の中身の例
基本給19.5万円
職務手当1.5万円
みなし残業4.0万円

出典:WE POPが作った例です(実在の求人ではありません)

基本給は19.5万円。4万円は、残業する前提で、先に払われるお金です。求人には「26時間ぶん」と書いてありました。つまり、残業26時間ぶんが、はじめから入った25万円なんです。

ポイント

何時間ぶんかは、計算で確かめられる

まず、1時間あたりの額を出します。基本給と手当の21万円を、1か月に働く決まりの時間で割ります。1日8時間・1年の休み105日なら、平均で約173時間。21万円÷173時間で、約1,210円です。残業代はその1.25倍以上なので、1時間で約1,510円。4万円÷1,510円で、約26時間ぶんになります。書いてある時間がこれよりずっと長いなら、計算が合っているか、確かめたいところです。

同じ「月給25万円」でも、中身がちがう

A社:基本給が25万円

いいところ

  • 残業したら、1時間目から残業代が上乗せされる
  • 基本給をもとに決まるお金が、大きくなりやすい

気をつけること

  • 残業代がつくぶん、月によってお給料が変わる

B社:基本給19.5万円+手当

いいところ

  • 残業が少ない月でも、みなし残業の4万円は減らない

気をつけること

  • 26時間までは、残業しても25万円のまま
  • 基本給をもとに決まるお金は、A社より小さくなりやすい

残業がない月は、どちらも25万円。残業した月は、A社のほうが多くなります。B社のほうが多い月はありません。

残業20時間の月のお給料
A社28.6万円
B社25.0万円

出典:WE POPの計算例(1日8時間・1年の休み105日、残業代は1.25倍で計算。税金などを引く前の額)

残業20時間の月なら、約3.6万円の差です。みなし残業のある求人は、基本給と手当の額(B社なら21万円)で、ほかの求人と比べるのがおすすめです。

メモ

月給は「手取り」ではない

求人の月給は、税金や保険料を引く前の額です。ハローワークの資料にも、ここから税金や保険料が引かれる、と書いてあります。手もとに残る額は、給与明細の記事で計算しています。

02みなし残業、3つそろってる?

ひとことで基本給・何時間ぶんでいくら・超えたら追加。この3つを探す。

ことば固定残業代

残業をしてもしなくても、決まった時間ぶんを、決まった額で先に払うお金のこと。「みなし残業」や「〇〇手当」など、名前がちがっても同じものとして見ます。似た名前の「みなし労働時間制」は、別のしくみです(くわしくはよくある質問で)。

みなし残業がある求人には、書くことが決まっています。国の指針(会社が守るように国が出しているルール)に、次の3つを全部書くように、とあります。

  • みなし残業をのぞいた基本給の額
  • 何時間ぶんで、いくらか
  • その時間を超えたら、そのぶんは追加で払うこと(休みの日や夜おそくの分も)

国のチラシにある書き方の例は、こんな形です。「基本給〇〇円」「〇〇手当(〇時間ぶんとして〇〇円)」「〇時間を超えたら追加で払う」。この形に近いかを見てみてください。

気をつけて

「月給25万円(固定残業代を含む)」だけなら、聞いてみる

これだけだと、基本給がいくらか、何時間ぶんなのかがわかりません。ここは、もめやすいところです。ハローワークに届いた「求人とちがう」という声で、いちばん多いのはお金のことでした(2024年度、929件)。応募の前か面接で、「基本給と、何時間ぶんかを教えてください」と聞いてかまいません。

もうひとつ見たいのが、何時間ぶんかです。法律では、残業の上限は、ふつうは月45時間まで(特別な事情があるときの例外もあります)。みなし残業が45時間ぶんに近いなら、そのくらいの残業がありうる、ということです。面接で、ふだんの残業がどれくらいかを聞いておくと安心です。

超えたぶんがちゃんと払われているかは、入ってからも大事。計算のしかたは残業代の記事にまとめています。

03ボーナス「年2回」、もらえる約束なの?

ひとことでハローワークの求人なら、書いてあるのは去年の実績。今年も同じとはかぎらない。

ハローワークの求人では、「賞与」(ボーナスのこと)の欄に、制度があるかと、去年の実績が書かれます。たとえば「年2回・計4.0か月分」のような形です。ほかの求人サイトでは、書き方がちがうこともあります。

これは去年の結果です。ハローワークの資料にも、会社や本人の成績で変わることがある、と書いてあります。「4か月分」は、今年もらえる額とはかぎりません。会社のルールで額が決まっているなら、話は別です。

もうひとつ、「何の4か月分か」も会社によってちがいます。もし基本給をもとにするなら、01のB社のように基本給が低いと、ボーナスも小さくなります。わからなければ、面接で聞いてOKです。

ことば昇給

お給料が上がること。ハローワークの求人には、制度があるかと、去年1年の実績(「月に〇円」や「〇%」)が書かれます。

ポイント

年収で比べるなら、自分で足してみる

「月給×12か月+ボーナス(去年の実績)」で、年収の目安が出ます。B社なら、月25万円×12で300万円。そこにボーナスを足した額です。ただし、ボーナスは変わることがあります。

041年の休み、何日あれば多いほう?

ひとことで平均は1社あたり112.4日。120日台の会社がいちばん多い。

お金と同じくらい大事なのが、1年で休める日の数です。求人では「年間休日」と書かれます。国が30人以上の民間の会社を調べたところ、2024年の1年の休みは、1社あたり平均112.4日でした。

112.4日

1社あたりの、1年の休みの平均

116.6日

働く人1人あたりの、1年の休みの平均

出典:厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」(常用労働者30人以上の民間企業。2024年1年間の休日)

働く人1人あたりで見ると、116.6日に増えます。会社の大きさで分けると、1,000人以上は平均117.7日、30〜99人は111.2日。人の多い大きな会社ほど休みが多いので、1人あたりだと高く出ます。会社ごとに見ると、こうなります。

1年の休みの日数ごとの、会社の割合
99日まで11.1%
100〜109日27.9%
110〜119日21.4%
120〜129日37.3%
130日から2.0%

出典:厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」第4表(30人以上の民間企業)。「99日まで」は69日以下〜90〜99日の合計

土日だけを休みにすると、それで年に約104日。祝日や年末年始も休みなら、120日前後になります。もし105日くらいなら、祝日は出る日が多いのかも、と考えられます。

ことば週休2日制と完全週休2日制

「完全週休2日制」は、毎週2日休めること。ただの「週休2日制」は、2日休める週が、月に1回以上あること。ハローワークの求人では、毎週なら「毎週」、それ以外は「その他」と書かれます。

完全週休2日制の会社は、同じ調べで65.5%(その会社のおもな休みの形で数えた割合)。「完全」があるかないかで、休みの数がかなり変わることがあります。

05お試しの期間、お給料が下がることもある?

ひとことで下がることはある。そのときは、両方の額が書かれるはず。

試用期間は、入社してすぐの「お試しの期間」です。長さは会社ごとにちがい、そのあいだだけお給料が低い会社もあります。

それだけなら、ルール違反ではありません。ただ、条件がちがうなら、お試しのあいだと、そのあとの条件を、それぞれ書くことになっています。国の資料の例は「月給20万円(ただし、試用期間中は月給19万円)」です。

気をつけて

お試しの期間でも、最低賃金は守られる

最低賃金は、地域ごとに決まる、お給料のいちばん下の額です。お試しの期間でも、ふつうはこの額より低くはできません(労働局の許しを受けた特例はのぞく)。月給なら、みなし残業や通勤手当、家族手当、ボーナスなどをのぞいた額で比べます。それを、1か月に働く決まりの時間の平均で割ります。残業した時間は入れません。

ハローワークの求人では、お試しの期間の長さや、そのあいだの条件は「補足事項」の欄に書かれます。お金の欄だけで終わらせず、下のほうまで読んでみてください。

06新卒の枠で応募するなら、職場の数字も聞ける

ひとことで残業や有給のとりやすさを、会社に聞いていい。

卒業して3年以内なら、新卒の枠に応募できる会社もあります。新卒の枠の募集には、若者雇用促進法という法律で、職場のようすを教えてもらうしくみがあります。使えるのは、新卒の枠に応募するときだけ。卒業して3年以内でも、中途の枠なら使えません。

新卒の枠に応募した人や、応募しようとしている人に聞かれたら、会社は答える決まりです。次の3つのグループから、それぞれ1つ以上を出します。

  • 採用のようす:3年で何人とって、何人やめたか/平均で何年働いているか
  • 育てるしくみ:研修や、自分で学ぶときの手助けがあるか
  • 働きやすさ:月の残業の平均/有給を平均何日とれたか/育休を取った人の数

お金の額だけでは、残業がどれくらいかは見えません。みなし残業がある会社なら、なおさら「月の残業の平均」を見ておきたいところ。ハローワークの新卒向けの求人なら、下のほうに載っていることが多いです。

メモ

聞いたことで、不利にしてはいけない

新卒の枠で聞いた人を、聞いたからといって不利にあつかわないこと。これも国の指針に書いてあります。中途の枠はこのしくみの外ですが、面接で残業や有給のことを聞くのは、ふつうのことです。

07応募する前に、求人を見てみよう

ひとことで書いてあれば安心。書いてなければ、聞く。

気になる求人で、書いてあったらタップ

当てはまったのは 0 / 7個

わからないところを、聞くまでの流れ

  1. 聞きたいことを、3つまでにしぼる

    「基本給はいくら?」「みなし残業は何時間ぶん?」など、自分にとって大事なものだけ選びます。

  2. ハローワークの求人なら、窓口で聞く

    ハローワークの資料にも、わからないことは応募の前に聞いてほしい、と書いてあります。求人の中身について、窓口で相談できます。

  3. 面接や内定のときに、会社へ聞く

    「求人の〇〇について、確かめさせてください」と言えばOK。聞いた答えは、日付と一緒にメモしておきます。

  4. 最後は、内定のときの書面と見比べる

    内定のときにもらう「労働条件通知書」と、求人を並べて見ます。見るところは内定の記事にまとめています。

気をつけて

求人とちがう条件を出されたら

求人で出した条件を、あとから変えるとき。会社は、どこが変わったかを伝える決まりです(職業安定法)。理由を聞かれたら説明することも、国の指針に書かれています。「基本給30万円」が「28万円」になっていたら、理由を聞いてかまいません。

08よくある質問

Q「みなし残業」と「固定残業代」は、別のもの?

A決まった時間ぶんを、決まった額で先に払うお金なら、同じものと考えてOKです。ただ、「みなし労働時間制」という別のしくみもあります。外回りで時間がはかりにくい仕事や、時間の使い方をまかされた一部の仕事(裁量労働制)で使われます。実際の時間ではなく、決めた時間だけ働いたとみなすしくみです。求人の「みなし」がどちらなのか、わからなければ、聞いておくと安心です。

Q「月給22万円〜30万円」のように、幅があるときは?

A経験などで決まる、という意味のことが多いです。幅のある書き方でも、額が決まったら、会社はそれを伝えることになっています。いくらになりそうかは、面接で聞いてみてください。

Qお試しの期間中に、やめさせられることはある?

Aないとは言えません。ただ、お試しの期間でも、やめさせるにはきちんとした理由がいります。14日を超えて働いていれば、30日前の予告などもいります(労働基準法)。困ったときは、各地の総合労働相談コーナーで、無料で相談できます。

Q1年の休みに、有給休暇は入っている?

Aふつうは入っていません。「年間休日」は会社が決めた休みの日で、有給休暇はそれとは別に、自分でとる休みです。有給のルールは有給休暇の記事で書いています。

今日の最初の一歩

気になる求人を1つ開いて、月給を3つに分けてメモする

「基本給」「手当」「みなし残業(何時間ぶん)」の3つです。わからない欄があったら、そこが面接で聞くところ。5分で、その求人の見え方が変わります。

2026.10.05 公開 文・WE POP編集部

参考にした情報

制度や数字は記事の公開日(直した記事は更新日)時点の情報です。最新の情報は各公式サイトで確認してください。

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