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入社して半年。朝の電車で「もう辞めたい」と思う。でも、すぐに「1年もたってないのに、甘えかな」と自分を責めてしまう。そんな人に向けて書きました。辞めたい気持ちは、それだけで悪いものではありません。読み終わるころには、続けるか動くかを自分で決める材料がそろいます。
この記事でわかること
- 新卒で入った人が、1年目・3年以内にどれくらい辞めているか
- 1年たたずに辞めた人は、何がイヤだったのか
- 「辞めたい」の中身を分けて、続けるか動くかを決めるチェック
- 働きながらでも無料で話せる、国の窓口
先に結論
- 1年目で辞めたくなるのは甘えではなく、よくあること。大卒でも1年目で約8人に1人が辞めている
- 決め手は「何がイヤか」を分けること。慣れで変わるものか、会社を変えないと変わらないものか
- 辞める前に、まず外で話す。卒業してだいたい3年以内なら、新卒応援ハローワークで、働きながらでも話を聞いてもらえる
011年目で辞めたいのは、甘え?
ひとことで大卒の3人に1人が、3年以内に辞めている。1年目だけでも8人に1人。
まずは数字を見てみましょう。国(厚生労働省)の調べでは、2022年3月に大学を出て就職した人のうち、3年以内に辞めた人は33.8%でした。
33.8%
だいたい3人に1人です。では、1年目だけだと? 学校ごとに見ると、こうなります。
12.1%
大学を出た人で、1年目に辞めた人
17.9%
高校を出た人で、1年目に辞めた人
19.3%
短大などを出た人で、1年目に辞めた人
大卒でも、1年目で約8人に1人が辞めています。同期が8人いたら、1人は1年以内にいなくなる計算です。1年目で辞めたくなるのは、珍しいことではないんですね。
出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」
会社の大きさや仕事の中身でも、かなり差があります。大卒で見ると、こうです。
27.0%
1,000人以上の会社で、3年以内に辞めた人
57.5%
5人未満の会社で、3年以内に辞めた人
55.4%
宿泊・飲食の仕事で、3年以内に辞めた人
大卒で3年以内に辞める人の割合は、この10年ほど31〜35%のあいだです。「最近の若い人はがまんが足りない」という話は、数字からは見えてきません。
メモ
いちばん新しい数字について
この調べは、毎年秋に新しい卒業年の分が出ます。2026年10月6日の時点で、いちばん新しいのは2022年3月卒の数字(2025年10月公表)です。2023年3月卒の分が出たら、この記事も書き直します。
021年たたずに辞めた人は、何がイヤだった?
ひとことでいちばん多いのは人間関係。次が「仕事が合わない」と「休み・働く時間」。
国は、いま働いている15〜34歳のうち、学校を出て最初の会社を辞めた人に、その理由を聞いています。新卒の正社員だけでなく、アルバイトなどで入った人も含みます。勤めて半年から1年のあいだに辞めた人の答えは、こうでした。半年より早く辞めた人でも、いちばん多いのは人間関係です。
出典:厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査」初めて勤務した会社をやめた主な理由(勤続6か月〜1年未満)
メモ
この数字は「辞めた割合」ではありません
上のグラフは、辞めた人のうち、その理由を選んだ人の割合です。3つまで選べるので、足すと100%をこえます。「人間関係で37.4%の人が辞める」という意味ではないので、気をつけてください。
ちなみに、何年勤めたかを分けずに見ると、いちばん多い理由は「働く時間・休み」(28.5%)に変わります。1年目は人間関係、1年から10年未満では働き方がいちばん多い。悩みの中身は、年数で変わっていきます。
03その「辞めたい」、3つに分けてみませんか?
ひとことで時間で変わるもの・社内で変えられるもの・会社を変えないと変わらないもの。
「辞めたい」は、いろいろな気持ちがまざった言葉です。そのままだと、決められません。WE POPのおすすめは、中身を3つの箱に分けることです。
- 箱1 慣れで変わりやすいもの:仕事を覚えていない不安、ミスが続く、1日が長く感じる、同期と比べて落ちこむ
- 箱2 社内で変えられるかもしれないもの:上司やチームとの相性、配属先、仕事の量、教え方
- 箱3 会社を変えないと変わりにくいもの:給料の上がり方、休みの取り方、やりたい仕事が社内にない
箱1が多いなら、あと少し様子を見る手があります。1年目はだれでも、できないことが多い時期です。箱2なら、まず社内で話してみる価値があります。
箱3が多いなら、外の会社を見はじめていいサインです。給料のしくみや休みの取り方は、自分ひとりががんばっても、なかなか変わらないからです。
ポイント
書き出すだけで、気持ちが少し軽くなる
頭の中だけで考えると、全部が「箱3」に見えてきます。紙やスマホに書き出して、箱に分けてみてください。意外と箱1が多かった、ということもあります。
04続ける? 動く? 自分で決めるチェック
ひとことで見るのは「つらさの中身」と「どれくらい続いているか」。
当てはまるものをタップしてみてください
当てはまったのは 0 / 6個
あと少し続けてみる箱1・箱2が多い人
いいところ
- 仕事を覚えてくると、つらさが軽くなることがある
- 「1年やりきった」経験は、次の面接でも話せる
- 有給休暇が使えるようになる(入社6か月から)
気をつけること
- 体や心がつらい人には向かない
- 「いつまで続けるか」を決めないと、ずるずる続く
働きながら次を探す箱3が多い人
いいところ
- 給料が止まらないので、あせって決めずにすむ
- 求人を見て、今の会社と比べられる
- 合う会社がなければ、今の会社に残ればいい
気をつけること
- 面接の時間をつくるのが大変
- 何がイヤかを言葉にできていないと、次も同じ理由で迷う
どちらを選んでも、いきなり辞めるより先に、外の人と話してみるのがおすすめです。
気をつけて
体や心がつらいときは、決めるより先に休む
眠れない、食べられない、朝起きられない。そんな日が続いているなら、続けるか動くかを考えるより先に、休むことと相談することを選んでください。会社に産業医(働く人の健康を見るお医者さん)がいるなら、そこに話せます。厚生労働省の「こころの耳」には、電話やSNSで相談できる窓口がまとまっています。上司からのきつい言葉が原因なら、パワハラかも?と思ったときの記事も読んでみてください。
051年目で辞めるなら、先に知っておきたいこと
ひとことで有給休暇と失業保険は、1年目だと条件に届かないことがある。
1年目で動くときに気をつけたいのが、お休みとお金の決まりです。入社からの月数で、使えるものが変わります。
- 入社〜6か月
有給休暇は、法律では6か月後から
有給休暇(休んでもお給料が出る日)は、法律では、入社して6か月たってから付きます。会社によっては、先に付けてくれるところもあります。このころに辞めると、有給を使わずに終わることが多いです。
- 6か月
有給休暇が10日もらえる
出勤する日の8割以上働いていれば、10日もらえます。辞める前に使い切れるよう、残りの日数を見ておきましょう。
- 12か月
失業保険の条件に届くころ
自分の都合で辞めたときの失業保険は、辞める前の2年間に、雇用保険に入っていた期間が12か月以上必要です。辞めた日からさかのぼって1か月ずつ区切り、11日以上働いた月などを数えます。1年前後で辞めると、届かないことがあります。
- 卒業後3年
第二新卒・新卒応援ハローワークの目安
「卒業後おおむね3年以内」が、第二新卒や新卒応援ハローワークの目安です。1年目なら、時間はまだあります。
気をつけて
会社の都合や、正当な理由がある退職は条件がちがう
会社の都合で辞めた人や、やむを得ない理由で辞めた人は、辞める前の1年間に6か月以上でよい場合があります。自分がどちらに当たるかは、ハローワークで聞いてみてください。働きながら探すか、辞めてから探すかのくわしい比べ方は、第二新卒、いつ動く?で書いています。
06だれに相談する? 無料で話せるところ
ひとことで卒業して3年以内なら、新卒応援ハローワークで、働きながらでも話を聞いてもらえる。
1人で考えていると、「辞める」か「がまんする」かの2つしか見えなくなります。外の人に話すと、3つ目の道が見えることもあります。相談は、この順番がおすすめです。
モヤモヤを書き出して、3つの箱に分ける
話す前に、何がイヤなのかを短くメモします。それだけで、ずっと伝わりやすくなります。
箱2の悩みは、社内で相談する
上司に言いにくければ、人事や、もう1つ上の上司でもかまいません。配属や仕事の量は、話してみると変わることがあります。
新卒応援ハローワークで、外の人に話す
学校を出てだいたい3年以内の人が使える、国の無料の窓口です。担当の人が決まっていて、働いている人の相談にものってくれます。職場の人間関係などの悩みも話せます。
辞めたあとは、わかものハローワークも
正社員の仕事を探す、だいたい35歳未満の人向けの窓口です。国の案内では、正社員をめざす若い人が対象で、アルバイト・パートで働く人も使えます。いま正社員の人が使えるかは、窓口で聞いてみてください。担当の人がついて、書類の書き方や面接の練習まで無料で手伝ってくれます。
転職エージェントは「比べる材料集め」に使う
求人を紹介してくれる民間の会社です。最初に「すぐ辞めるとは決めていない。まず話を聞きたい」と伝えておくと、あせらずにすみます。
ことば転職エージェント(職業紹介事業者)
あなたに合いそうな求人を紹介して、入社が決まると会社からお金を受け取るしくみです。働く人からは、法律で原則として手数料を取れません。だから無料で使えます。
エージェントは、紹介した人が何人就職したかを公開しています。そのうち何人が6か月以内に辞めたか(解雇をのぞく)も出ています。見られるのは、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」。選ぶときの材料になります。何社使えばいいかは、別の記事で書いています。
ポイント
給料や残業代のトラブルなら
残業代が出ない、辞めさせてもらえない、いやがらせを受けている。そんなときは、全国の労働局や労働基準監督署にある「総合労働相談コーナー」へ。予約なしで、無料で相談できます。
07よくある質問
Q「最低3年は続けろ」と言われました。本当?
A3年続けないと転職できない、という決まりはありません。大卒の3人に1人は3年以内に辞めていて、第二新卒の求人もあります。ただ、箱1の悩みだけで辞めると、次の会社でも同じことで迷いがちです。3年という年数より、悩みの中身を見て決めてください。
Q1年たたずに辞めたら、次の転職で不利になる?
A短い期間で辞めた理由は、面接でよく聞かれます。前の会社の悪口ではなく、「何が合わなくて、次は何をしたいか」を話せるようにしておきましょう。この記事の3つの箱で整理しておくと、そのまま答えの下書きになります。
Q辞めたいと思っていることを、上司に知られたくない
A会社の外の窓口なら、上司と顔を合わせずに話せます。社内で話すときも、いきなり「辞めたい」と言わなくてかまいません。「配属や仕事の量のことで、少し話したい」から始めて大丈夫です。
Q親に「甘えだ」と言われそうで、言い出せません
A心配だからこその言葉、ということもあります。「1年目で辞める大卒は約8人に1人」という数字と一緒に、何がイヤで、次に何をしたいかを話すと伝わりやすくなります。最後に決めるのは、あなたです。
今日の最初の一歩
今夜5分、モヤモヤを3つの箱に分けてみる
スマホのメモに「箱1・箱2・箱3」と書いて、思いつくイヤなことを1行ずつ入れていきます。きれいに書かなくてOK。日付も入れておくと、3か月後に読み返したとき、続いている悩みかどうかがわかります。
2026.10.07 公開 文・WE POP編集部
参考にした情報
- 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表します」(2025年10月24日)
- 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」報道発表資料(学歴別・事業所規模別・産業別)
- 厚生労働省「新規学校卒業就職者の在職期間別離職状況」
- 厚生労働省「新規学卒者の離職状況」
- 厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査の概況」
- 厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査の概況」個人調査(初めて勤務した会社をやめた主な理由)
- 厚生労働省「正社員就職を目指す若者の皆さまへ」(新卒応援ハローワーク・わかものハローワーク)
- 千葉労働局「新卒応援ハローワーク・ハローワーク学卒コーナー」
- 厚生労働省「わかものハローワーク」
- ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
- 厚生労働省「年次有給休暇の付与日数」(労働基準法に関するQ&A)
- 埼玉新卒応援ハローワーク「第111話 第二新卒枠での転職活動」
- 石川労働局「職業紹介事業とは」(手数料のしくみ)
- 厚生労働省「職業紹介事業者は人材サービス総合サイトで職業紹介の実績の情報提供が義務付けられます」
- 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
- 厚生労働省「こころの耳 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト」
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