転職

目次
  1. 1年目で辞めたいのは、甘え?
  2. 1年たたずに辞めた人は、何がイヤだった?
  3. その「辞めたい」、3つに分けてみませんか?
  4. 続ける? 動く? 自分で決めるチェック
  5. 1年目で辞めるなら、先に知っておきたいこと
  6. だれに相談する? 無料で話せるところ
  7. よくある質問

入社して半年。朝の電車で「もう辞めたい」と思う。でも、すぐに「1年もたってないのに、甘えかな」と自分を責めてしまう。そんな人に向けて書きました。辞めたい気持ちは、それだけで悪いものではありません。読み終わるころには、続けるか動くかを自分で決める材料がそろいます。

この記事でわかること

  • 新卒で入った人が、1年目・3年以内にどれくらい辞めているか
  • 1年たたずに辞めた人は、何がイヤだったのか
  • 「辞めたい」の中身を分けて、続けるか動くかを決めるチェック
  • 働きながらでも無料で話せる、国の窓口

先に結論

  • 1年目で辞めたくなるのは甘えではなく、よくあること。大卒でも1年目で約8人に1人が辞めている
  • 決め手は「何がイヤか」を分けること。慣れで変わるものか、会社を変えないと変わらないものか
  • 辞める前に、まず外で話す。卒業してだいたい3年以内なら、新卒応援ハローワークで、働きながらでも話を聞いてもらえる

メモ

時間がない人へ

04の「続ける? 動く?」のチェックだけでも、やってみてください。タップするだけなので、1分で終わります。

011年目で辞めたいのは、甘え?

ひとことで大卒の3人に1人が、3年以内に辞めている。1年目だけでも8人に1人。

まずは数字を見てみましょう。国(厚生労働省)の調べでは、2022年3月に大学を出て就職した人のうち、3年以内に辞めた人は33.8%でした。

33.8%

大学を出て就職した人のうち、3年以内に辞めた人(2022年3月卒)出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」2025年10月公表

だいたい3人に1人です。では、1年目だけだと? 学校ごとに見ると、こうなります。

12.1%

大学を出た人で、1年目に辞めた人

17.9%

高校を出た人で、1年目に辞めた人

19.3%

短大などを出た人で、1年目に辞めた人

出典:厚生労働省「新規学校卒業就職者の在職期間別離職状況」(2022年3月卒)

大卒でも、1年目で約8人に1人が辞めています。同期が8人いたら、1人は1年以内にいなくなる計算です。1年目で辞めたくなるのは、珍しいことではないんですね。

学校別 3年以内に辞めた人の割合
中学54.1%
高校37.9%
短大など44.5%
大学33.8%

出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」

会社の大きさや仕事の中身でも、かなり差があります。大卒で見ると、こうです。

27.0%

1,000人以上の会社で、3年以内に辞めた人

57.5%

5人未満の会社で、3年以内に辞めた人

55.4%

宿泊・飲食の仕事で、3年以内に辞めた人

出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」大卒の事業所の規模別・産業別

大卒で3年以内に辞める人の割合は、この10年ほど31〜35%のあいだです。「最近の若い人はがまんが足りない」という話は、数字からは見えてきません。

メモ

いちばん新しい数字について

この調べは、毎年秋に新しい卒業年の分が出ます。2026年10月6日の時点で、いちばん新しいのは2022年3月卒の数字(2025年10月公表)です。2023年3月卒の分が出たら、この記事も書き直します。

021年たたずに辞めた人は、何がイヤだった?

ひとことでいちばん多いのは人間関係。次が「仕事が合わない」と「休み・働く時間」。

国は、いま働いている15〜34歳のうち、学校を出て最初の会社を辞めた人に、その理由を聞いています。新卒の正社員だけでなく、アルバイトなどで入った人も含みます。勤めて半年から1年のあいだに辞めた人の答えは、こうでした。半年より早く辞めた人でも、いちばん多いのは人間関係です。

6か月〜1年未満で辞めた人の理由(3つまで選ぶ)
人間関係37.4%
仕事が合わない34.6%
働く時間・休み32.4%
給料15.2%
ノルマや責任が重い12.7%

出典:厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査」初めて勤務した会社をやめた主な理由(勤続6か月〜1年未満)

メモ

この数字は「辞めた割合」ではありません

上のグラフは、辞めた人のうち、その理由を選んだ人の割合です。3つまで選べるので、足すと100%をこえます。「人間関係で37.4%の人が辞める」という意味ではないので、気をつけてください。

ちなみに、何年勤めたかを分けずに見ると、いちばん多い理由は「働く時間・休み」(28.5%)に変わります。1年目は人間関係、1年から10年未満では働き方がいちばん多い。悩みの中身は、年数で変わっていきます。

03その「辞めたい」、3つに分けてみませんか?

ひとことで時間で変わるもの・社内で変えられるもの・会社を変えないと変わらないもの。

「辞めたい」は、いろいろな気持ちがまざった言葉です。そのままだと、決められません。WE POPのおすすめは、中身を3つの箱に分けることです。

  • 箱1 慣れで変わりやすいもの:仕事を覚えていない不安、ミスが続く、1日が長く感じる、同期と比べて落ちこむ
  • 箱2 社内で変えられるかもしれないもの:上司やチームとの相性、配属先、仕事の量、教え方
  • 箱3 会社を変えないと変わりにくいもの:給料の上がり方、休みの取り方、やりたい仕事が社内にない

箱1が多いなら、あと少し様子を見る手があります。1年目はだれでも、できないことが多い時期です。箱2なら、まず社内で話してみる価値があります。

箱3が多いなら、外の会社を見はじめていいサインです。給料のしくみや休みの取り方は、自分ひとりががんばっても、なかなか変わらないからです。

ポイント

書き出すだけで、気持ちが少し軽くなる

頭の中だけで考えると、全部が「箱3」に見えてきます。紙やスマホに書き出して、箱に分けてみてください。意外と箱1が多かった、ということもあります。

04続ける? 動く? 自分で決めるチェック

ひとことで見るのは「つらさの中身」と「どれくらい続いているか」。

当てはまるものをタップしてみてください

当てはまったのは 0 / 6個

あと少し続けてみる箱1・箱2が多い人

いいところ

  • 仕事を覚えてくると、つらさが軽くなることがある
  • 「1年やりきった」経験は、次の面接でも話せる
  • 有給休暇が使えるようになる(入社6か月から)

気をつけること

  • 体や心がつらい人には向かない
  • 「いつまで続けるか」を決めないと、ずるずる続く

働きながら次を探す箱3が多い人

いいところ

  • 給料が止まらないので、あせって決めずにすむ
  • 求人を見て、今の会社と比べられる
  • 合う会社がなければ、今の会社に残ればいい

気をつけること

  • 面接の時間をつくるのが大変
  • 何がイヤかを言葉にできていないと、次も同じ理由で迷う

どちらを選んでも、いきなり辞めるより先に、外の人と話してみるのがおすすめです。

気をつけて

体や心がつらいときは、決めるより先に休む

眠れない、食べられない、朝起きられない。そんな日が続いているなら、続けるか動くかを考えるより先に、休むことと相談することを選んでください。会社に産業医(働く人の健康を見るお医者さん)がいるなら、そこに話せます。厚生労働省の「こころの耳」には、電話やSNSで相談できる窓口がまとまっています。上司からのきつい言葉が原因なら、パワハラかも?と思ったときの記事も読んでみてください。

051年目で辞めるなら、先に知っておきたいこと

ひとことで有給休暇と失業保険は、1年目だと条件に届かないことがある。

1年目で動くときに気をつけたいのが、お休みとお金の決まりです。入社からの月数で、使えるものが変わります。

  1. 入社〜6か月

    有給休暇は、法律では6か月後から

    有給休暇(休んでもお給料が出る日)は、法律では、入社して6か月たってから付きます。会社によっては、先に付けてくれるところもあります。このころに辞めると、有給を使わずに終わることが多いです。

  2. 6か月

    有給休暇が10日もらえる

    出勤する日の8割以上働いていれば、10日もらえます。辞める前に使い切れるよう、残りの日数を見ておきましょう。

  3. 12か月

    失業保険の条件に届くころ

    自分の都合で辞めたときの失業保険は、辞める前の2年間に、雇用保険に入っていた期間が12か月以上必要です。辞めた日からさかのぼって1か月ずつ区切り、11日以上働いた月などを数えます。1年前後で辞めると、届かないことがあります。

  4. 卒業後3年

    第二新卒・新卒応援ハローワークの目安

    「卒業後おおむね3年以内」が、第二新卒や新卒応援ハローワークの目安です。1年目なら、時間はまだあります。

気をつけて

会社の都合や、正当な理由がある退職は条件がちがう

会社の都合で辞めた人や、やむを得ない理由で辞めた人は、辞める前の1年間に6か月以上でよい場合があります。自分がどちらに当たるかは、ハローワークで聞いてみてください。働きながら探すか、辞めてから探すかのくわしい比べ方は、第二新卒、いつ動く?で書いています。

06だれに相談する? 無料で話せるところ

ひとことで卒業して3年以内なら、新卒応援ハローワークで、働きながらでも話を聞いてもらえる。

1人で考えていると、「辞める」か「がまんする」かの2つしか見えなくなります。外の人に話すと、3つ目の道が見えることもあります。相談は、この順番がおすすめです。

  1. モヤモヤを書き出して、3つの箱に分ける

    話す前に、何がイヤなのかを短くメモします。それだけで、ずっと伝わりやすくなります。

  2. 箱2の悩みは、社内で相談する

    上司に言いにくければ、人事や、もう1つ上の上司でもかまいません。配属や仕事の量は、話してみると変わることがあります。

  3. 新卒応援ハローワークで、外の人に話す

    学校を出てだいたい3年以内の人が使える、国の無料の窓口です。担当の人が決まっていて、働いている人の相談にものってくれます。職場の人間関係などの悩みも話せます。

  4. 辞めたあとは、わかものハローワークも

    正社員の仕事を探す、だいたい35歳未満の人向けの窓口です。国の案内では、正社員をめざす若い人が対象で、アルバイト・パートで働く人も使えます。いま正社員の人が使えるかは、窓口で聞いてみてください。担当の人がついて、書類の書き方や面接の練習まで無料で手伝ってくれます。

  5. 転職エージェントは「比べる材料集め」に使う

    求人を紹介してくれる民間の会社です。最初に「すぐ辞めるとは決めていない。まず話を聞きたい」と伝えておくと、あせらずにすみます。

ことば転職エージェント(職業紹介事業者)

あなたに合いそうな求人を紹介して、入社が決まると会社からお金を受け取るしくみです。働く人からは、法律で原則として手数料を取れません。だから無料で使えます。

エージェントは、紹介した人が何人就職したかを公開しています。そのうち何人が6か月以内に辞めたか(解雇をのぞく)も出ています。見られるのは、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」。選ぶときの材料になります。何社使えばいいかは、別の記事で書いています。

ポイント

給料や残業代のトラブルなら

残業代が出ない、辞めさせてもらえない、いやがらせを受けている。そんなときは、全国の労働局や労働基準監督署にある「総合労働相談コーナー」へ。予約なしで、無料で相談できます。

07よくある質問

Q「最低3年は続けろ」と言われました。本当?

A3年続けないと転職できない、という決まりはありません。大卒の3人に1人は3年以内に辞めていて、第二新卒の求人もあります。ただ、箱1の悩みだけで辞めると、次の会社でも同じことで迷いがちです。3年という年数より、悩みの中身を見て決めてください。

Q1年たたずに辞めたら、次の転職で不利になる?

A短い期間で辞めた理由は、面接でよく聞かれます。前の会社の悪口ではなく、「何が合わなくて、次は何をしたいか」を話せるようにしておきましょう。この記事の3つの箱で整理しておくと、そのまま答えの下書きになります。

Q辞めたいと思っていることを、上司に知られたくない

A会社の外の窓口なら、上司と顔を合わせずに話せます。社内で話すときも、いきなり「辞めたい」と言わなくてかまいません。「配属や仕事の量のことで、少し話したい」から始めて大丈夫です。

Q親に「甘えだ」と言われそうで、言い出せません

A心配だからこその言葉、ということもあります。「1年目で辞める大卒は約8人に1人」という数字と一緒に、何がイヤで、次に何をしたいかを話すと伝わりやすくなります。最後に決めるのは、あなたです。

今日の最初の一歩

今夜5分、モヤモヤを3つの箱に分けてみる

スマホのメモに「箱1・箱2・箱3」と書いて、思いつくイヤなことを1行ずつ入れていきます。きれいに書かなくてOK。日付も入れておくと、3か月後に読み返したとき、続いている悩みかどうかがわかります。

2026.10.07 公開 文・WE POP編集部

参考にした情報

制度や数字は記事の公開日(直した記事は更新日)時点の情報です。最新の情報は各公式サイトで確認してください。

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