仕事

目次
  1. 「休み」は2種類ある。法律の休みと、会社の休み
  2. 日曜は35%、土曜は25%か0%。上乗せはこう決まる
  3. 振替休日は「先に」入れ替える。条件は4つ
  4. 代休は「あと」から休む。休んでも割増のぶんは残る
  5. 月給22万・25万・30万円なら、休日出勤8時間でいくら?
  6. 振替でも、週をまたぐと25%がつくことがある
  7. あなたの休日出勤、割増は合ってる? 5つで確かめよう
  8. よくある質問

日曜に、急ぎの仕事で出勤した。上司からは「水曜に代休とっていいよ。だから休日の手当はなしね」。休めるなら、まあいいか。そう思った人も多いはずです。でも、ここには落とし穴があります。代休なら、休んだあとも割増のぶんは残るからです。読み終わるころには、あなたの休日出勤でいくらもらえるはずかを、電卓で確かめられるようになります。

この記事でわかること

  • 「法定休日」と「会社が決めた休み」は、何がちがうか
  • 休みの日に働いたときの割増は、35%・25%・0%のどれか
  • 振替休日と代休は、どこで分かれるか
  • 月給22万・25万・30万円なら、休日出勤8時間でいくらか

先に結論

  • 法定休日(週1日か、4週で4日の休み)に働いたら35%以上の割増。土曜など会社が決めた休みは、週40時間をこえたぶんに25%以上
  • 振替休日は、休む日を働く前に決めて入れ替えるもの。休日労働にならないので、35%はつかない
  • 代休は、働いたあとに休むもの。休みの日に働いたことは消えないので、割増のぶんは払われる

メモ

時間がない人へ

05の計算例で、自分の月給に近い数字だけ見てください。休日出勤8時間でいくらになるかが、1分でわかります。

01「休み」は2種類ある。法律の休みと、会社の休み

ひとことで法律で決まった休みは、週に1日だけ。土日休みなら、どちらか1日は会社が決めた休み。

労働基準法の35条は、会社に「毎週少なくとも1回の休日」を求めています。4週間で4日以上の休みをあげるやり方でも、OKです。この場合は、4週間をいつから数えるかを、ルールブックなどで決めておく必要があります。

ことば法定休日

法律で、かならずあげないといけない休み。週に1日か、4週間で4日。この日に働くと「休日労働」になって、割増は35%以上です。

ことば所定休日(法定外休日)

法律の休みとはべつに、会社が決めた休み。土日が休みの会社なら、法律の休みでないほうの1日がこれです。この日に働いても「休日労働」にはなりません。

たとえば土日が休みで、就業規則(会社のルールブック)に「日曜が法定休日」とあるとします。すると、土曜は会社が決めた休みのほうです。

同じように休みの日に出ても、土曜と日曜で手当がちがうことがあります。それは、このちがいがあるからなんです。

ポイント

うちの会社の法定休日は、何曜日?

ルールブックの「休日」のところを見てみてください。どの日を法定休日にするかを、決めている会社もあれば、決めていない会社もあります。わからなければ、人事に「法定休日は何曜日ですか」と聞けばOKです。

じゃあ、どっちの休みに働くと、いくら増えるの?

02日曜は35%、土曜は25%か0%。上乗せはこう決まる

ひとことで法律の休みは、働いた時間全部が35%以上。会社の休みは、週40時間をこえたぶんだけ25%以上。

休みの日に働いたときの割増(法律の下限)
所定休日40h内0%
所定休日40h超25%
法定休日35%
法定休日の深夜60%

出典:労働基準法37条、割増賃金の率の下限を決める政令、厚生労働省「確かめよう労働条件」

法律の休みに働いたら、その日の時間は全部35%以上の上乗せです。夜10時から朝5時までの深夜にかかると、そこにもう25%がのります。合わせて60%以上です。

会社が決めた休み(土曜など)は、ふつうの日と同じように数えます。その週に働いた時間が40時間をこえたら、こえたぶんが残業になって25%以上。その日に8時間をこえて働いたぶんも、残業です。この残業は「月60時間」の数にも入り、60時間をこえたぶんは50%以上です。法定休日に働いた時間は、この60時間には数えません。

たとえば月曜から金曜で、もう40時間ぴったり働いたとします。そのあと土曜に8時間出たら、8時間まるごと25%増しです。

メモ

法定休日に10時間働いたら?

法定休日には「1日8時間まで」という考え方がありません。なので8時間をこえても、残業の25%は重ならず、35%のままです。深夜の25%だけは足されます。

ここまでは「休みの日に働いたら」の話。では、休みをずらしたらどうなるの?

03振替休日は「先に」入れ替える。条件は4つ

ひとことで働く前に休む日を決めて入れ替えれば、もとの休みは「ふつうの日」になる。

振替休日は、休みの日と働く日を前もって入れ替えることです。日曜を働く日にして、かわりに水曜を休みにする。すると日曜は、ふつうの日になります。だから、休日労働の35%はつきません。

ただし、振替と呼べるのは、条件がそろったときだけ。厚生労働省の資料では、次の4つが挙がっています。

振替休日になるための4つの条件

  1. ルールブックに、振替の決まりが書いてある

    「休みを入れ替えることがある」という決まりが、就業規則にあること。

  2. どの日と入れ替えるかを決めている

    「日曜に出て、かわりに水曜を休む」のように、休む日がはっきりしていること。「いつか休んでね」では足りません。

  3. 入れ替えても、週1日(4週で4日)の休みが残る

    入れ替えた結果、法律の休みがなくなってしまう形はだめです。

  4. 前もって知らせている

    東京労働局の資料では「前日までに」知らせること、とされています。働いたあとで「あれは振替だった」とはできません。

気をつけて

あとから「振替にしておいて」は、振替ではない

休みの日に働いたあとで、休む日を決めた。それは代休です。名前が「振替」でも、決めたのが働いたあとなら、休日労働の割増がいります。

じゃあ、その代休のほうは、どうなるの?

04代休は「あと」から休む。休んでも割増のぶんは残る

ひとことで休みの日に働いたことは消えない。法律の休みなら、35%のぶんは払われる。

代休は、休みの日に働いたあとで、かわりにべつの日を休むことです。休む日が増えても、休みの日に働いたことは、なかったことになりません。なので、休日労働の割増を払わないといけません。

振替休日と代休をならべてみる

振替休日働く前に入れ替え

いいところ

  • 休む日を、働く前に決めている
  • もとの休みは、ふつうの働く日になる
  • 休日労働の35%はつかない

気をつけること

  • 週をまたぐと、週40時間をこえたぶんに25%がつくことがある
  • ルールブックに、振替の決まりがいる

代休働いたあとで休む

いいところ

  • 休みの日に働いたことは、そのまま残る
  • 法定休日なら、35%以上のぶんが払われる

気をつけること

  • 「代休をあげなさい」という法律はない。取れるかは会社のルールしだい
  • 法定休日に働くには、36協定(このあと説明)がいる

就業規則に「代休の日は給料なし」などの決まりがあると、代休の日のぶん、給料を1日分へらす会社もあります。ここがややこしいところ。東京労働局の資料では、同じ月のうちに代休を取れば、1.35のうち1.00を差し引ける、とされています。

つまり、手もとに残るのは0.35のぶん。「代休を取ったから手当はゼロ」ではないんです。

気をつけて

代休が次の月にずれたら

代休が次の月になったときは、休みの日に働いた月の給料で、1.35をまるごと払わないといけません(東京労働局の資料)。代休のあつかいは会社ごとにちがうので、ルールブックで確かめてください。

ことば36協定(サブロク協定)

会社が残業や休日労働をさせるために、働く人の代表と結ぶ約束ごと。労働基準監督署に出します。法律の36条から、こう呼ばれます。これがないと、法定休日に働かせることはできません。

36協定には上限もあります。とくべつなわけがあるときでも、残業と休日労働を合わせて月100時間未満。2〜6か月の平均で80時間以内です。法定休日に出たぶんも、ここに入ります。上限はほかにもあります(年720時間など)。

しくみはわかった。では、実際の金額はいくら?

05月給22万・25万・30万円なら、休日出勤8時間でいくら?

ひとことで時給×1.35×時間。同じ月に代休を取ったら、時給×0.35×時間が残る。

月給の人も、まずは1時間あたりの額(時給)を出します。月給を、1か月に働く時間の平均で割ります。ここでの月給には、家族手当・通勤手当・住宅手当などの一部の手当や、臨時に出たお金は入れません。ただし、みんなに同じ額が出る手当は入れます。

休みが年125日で、1日8時間の会社なら、1か月はならして160時間。それらの手当を除いた月給が22万円なら時給1,375円、25万円なら1,562.5円、30万円なら1,875円です。

くわしい出し方は残業代の記事で書いています。この時給で、法定休日に8時間働いたときを計算してみます。

14,850円

22万円の人(1,375円×1.35×8)

16,875円

25万円の人(1,562.5円×1.35×8)

20,250円

30万円の人(1,875円×1.35×8)

出典:WE POPの計算。時給は川崎北労働基準監督署「割増賃金の計算方法」の出し方(年間休日125日・1日8時間=月160時間)で出しています

同じ月に代休を取って、決まりどおり1日分をへらされたとします。それでも0.35のぶんは残ります。22万円なら3,850円、25万円なら4,375円、30万円なら5,250円です。

会社が決めた休み(土曜など)なら、どうなる? 平日にもう40時間働いていたら、8時間は1.25倍です。22万円なら13,750円、25万円なら15,625円、30万円なら18,750円になります。

ポイント

あなたの数字で計算するなら

時給×1.35×休みの日に働いた時間。これが法定休日の下限です。会社のルールがこれより多ければ、そちらがもらえます。明細の手当と比べてみてください。

メモ

計算が変わる人もいます

管理監督者(経営に近い立場の人)は、休日の割増の対象外です。ただし深夜の割増はつきます。変形労働時間制・フレックスタイム制・みなし労働時間制・固定残業代の人は、計算のしかたが変わります。

振替なら上乗せはゼロ、で終わり? そうとも限りません。

06振替でも、週をまたぐと25%がつくことがある

ひとことで休みを次の週にずらすと、出た週が40時間をこえる。こえたぶんは25%以上。

振替休日は、週をまたいでもできます。ただ、できるだけ同じ週のうちで入れ替えると、上乗せがつきにくくなります。週をまたぐと、出た週の時間が40時間をこえることがあります。こえたぶんは残業なので、25%以上の上乗せがいります。

土日休み・1日8時間の人が、日曜に出て休みを入れ替えたら

  1. 同じ週

    週40時間のまま。上乗せはなし

    日曜に出て、同じ週の水曜を休む。その週の時間は40時間のままなので、上乗せはつきません。

  2. 次の週

    出た週は48時間。8時間に25%

    日曜に出て、休みは次の週の水曜(週は日曜から土曜として数えます)。出た週は48時間になり、40時間をこえた8時間に25%以上がつきます。月給22万円なら、1,375円×0.25×8時間で2,750円です。

  3. あとで決めた

    振替ではなく代休。35%

    日曜に働いたあとで、休む日を決めた。それは代休です。法定休日なら、35%以上の上乗せがいります。

週の始まりが何曜日かは、会社のルールで決まります。決めていなければ、日曜から土曜までが1週間です。

最後に、あなたの休日出勤を確かめてみましょう。

07あなたの休日出勤、割増は合ってる? 5つで確かめよう

ひとことで法定休日かどうか。休む日を決めたのが、働く前かあとか。この2つで、ほぼ答えが出る。

当てはまるものをタップしてみてください

当てはまったのは 0 / 5個

会社に聞いても答えが出ないときは、国の無料の窓口があります。順番はこうです。

  1. 記録を残す

    休みの日に出た日、働いた時間、休む日を言われた日。この3つを、メモやスマホに残します。メールやチャットも、消さずにとっておきます。

  2. ルールブックと明細を見る

    法定休日の曜日、振替と代休の決まり、明細の手当。この3つを見比べます。

  3. 人事や上司に聞く

    「法定休日に出たぶんとして、計算されていますか」と聞くと、話が早いです。

  4. 国の窓口に相談する

    各地の労働局などにある「総合労働相談コーナー」や、国の「労働条件相談ほっとライン」で、お金をかけずに相談できます。

08よくある質問

Q休日出勤は、断れる?

A法定休日に働かせるには、36協定と、ルールブックなどの決まりがいります。決まりがあっても、体調や家のことなど、どうしても出られないわけがあれば、まずは正直に伝えてみるのがおすすめです。迷ったら、上の国の窓口に相談できます。

Q代休を取らずに、お金だけもらうのはあり?

A代休は法律で決まったしくみではないので、取れるかどうかは会社のルールしだいです。代休を取らなければ、法定休日なら1.35倍のぶんが払われます。ただ、休みが減ると疲れがたまります。休めるなら休むのがおすすめです。

Q前に払われていなかった割増は、あとから請求できる?

A払われていない給料は、それぞれの給料日から数えて3年のあいだ請求できます。2020年4月1日以降に給料日が来た分の話です。時間がたつほど消えていくので、気づいたら早めに記録をまとめてください。

Q代休の日に、有給休暇を使える?

A振替休日は、前もって休みの日になった日です。有給休暇は「働く日を休みにする」ものなので、振替休日には使えません。代休は、もともと働く日を、あとから休みにするしくみです。代休の日に有給を使えるかは、会社のルールで確かめてください。有給のルールは有給休暇の記事でまとめています。

今日の最初の一歩

ルールブックの「休日」のページで、法定休日の曜日を見る

社内のポータルや共有フォルダに、就業規則があるはずです。「休日」と「振替」のところだけ読めば、5分で終わります。曜日がわかれば、次に休みの日に出るとき、35%がつくかどうかが前もってわかります。

2026.10.14 公開 文・WE POP編集部

参考にした情報

制度や数字は記事の公開日(直した記事は更新日)時点の情報です。最新の情報は各公式サイトで確認してください。

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